考えて書く文章だから意味が伝わる
どれだけの人が自分の思っていることを伝えられているのだろう。私は、伝えられていない側に属しています。
仕事面においては、文が長くなり伝えたい論点がふわふわしてしまう。プライベートでは、私の話を理解できていない人の顔をどれだけ見てきたことか。
「そんなままではダメだ!」ということで思いがきっかけになりました。
けれど、リアルタイムで思考を整理しないといけない会話からできるようになるのはハードルが高い。まずは、文章から人に伝えていこうと思い、本書を選びました。
どんな本なのか
本書は1995年以来売れ続けている定番書『考える技術・書く技術』の内容を、日本語に適した状態に意訳してくれたものになります。
いわゆるビジネス文書に特化した内容になっています。
だから、小説やエッセイを書くための文章術を学びたいなら、あまり参考にならないかなと思います。
ただ、普通に生活をしていたら一番機会が多いのは、仕事中の文書ではないでしょうか。それこそ、メールや報告書、提案書などなど。
そうしたビジネス文書を作成するには、伝えたいことのピラミッドを作ってロジカルに説明していくこと、一度に伝える量を適切なものにするなど、非常に有効な実用書でした。
要約
本書を私なりに要約すると、非常にシンプルでした。
相手が知りたいことを書け
考える段階で曖昧な言葉に逃げるな
考えるプロセスが書く能力を成長させる
新発見もありましたが、それよりも既知の部分を再認識できたことが良かったと思います。
そして既知の部分をより細分化して学び直しできたこと、普段から気をつけていることが多くあり、改めて「普段から気をつけていることは間違っていない、続けていこう。」と再認識することができました。
相手が知りたいことを書け
まずは「相手が知りたいことを書け」です。
そんなのは当たり前のことだと思う。けど、できている人は少ない気がします。相手が知りたくもないことを永遠と書いてある文章をよく見かける。
「自分が伝えたいこと=相手が知りたい」と考えてしまう思考回路の危うさ。それは自分視点で押し付けているということに気がつけない。
自分の言いたいことばかりの営業、わからない専門的な話を永遠にしてくる人。そんな人たちに一回読んでもらいたい。
改めて考えると思い当たる時はありますね。自分がそうなっていないように、常に気をつけていないと。
相手が知りたいことを伝える。どこにでも仕事をしてるけど暇な人はいるけど、興味がないことを見るほど暇な人はいない。
相手の知りたい情報を、相手のゴールを見誤らずに書く内容を考えていきたい。そして相手のことを思って、自分目線になることが内容に注意していきたい。
考える段階で曖昧な言葉に逃げるな
次は「曖昧な言葉に逃げるな」です。
曖昧な言葉を使うと、考えることから逃げられるから非常に楽。若干の思考停止状態でも、それっぽいものは作成できちゃうから不思議。
ただ、私が考える曖昧な言葉による弊害は、会話が何も進まないケースが多いということ。または、無駄なラリーが増えることじゃないでしょうか。
曖昧な部分を確認するために、本来発生しなかったラリーが発生してしまう。無駄に疲れるだけ。
考える段階では、自分の立場(考え)を明確にすること。明確にした結果、相手から同意や批判をもらうことにも繋がる。
そうすることで会話が前に進む。(最悪のパターン、その人との関係がなくなるかもですが)
この曖昧な言葉を使用してはいけないが、本書で一番意識する内容です。
同時に今までの自分に言ってやりたい。とにかくリスクを負わないように、曖昧な言葉で逃げてきちゃったねと。
リスクや責任が成長には必要不可欠なのにもったいない。反省。
ただ、本書では何にでも曖昧な言葉を言うなというわけではありません。あくまで伝えることを考える段階の「曖昧な言葉」に逃げることを禁止にしています。
渡世の知恵として”意図的”に曖昧な言葉を使用するのは、問題ないと筆者は言っています。
日本特有の曖昧な言葉が、良好な関係を築くこともありますもんね。
考えるプロセスが書く能力を成長させる
次には「考えるプロセスの重要さ」です。
曖昧な言葉に逃げることで、思考停止した状態でもある程度は文章を作成(成立)できます。
けど、それでは今以上の能力は身につかないか、身につくスピードが遅い。
考えるプロセス=脳の筋トレ。毎日同じ負荷では成長するものを成長しない。書くことも大事だけど、その前の考えるプロセスが文章力を成長させる1番の要因になるそうです。
そしてその部分を読んだ時に脳裏に浮かんだのは、以前読んだ「運命を拓く」です。
一つの知識を身につけるにも、YouTubeで切り抜いたポイントを身につけるよりも、本を一冊読む方が体系的に理解できて、知識として定着している自信がある。
「考える→書く→振り返る」というプロセスを繰り返すことで、自然と成長していると思う。
簡単なことは誰もが知っている、だから自分の価値を上乗せして人に提供する。そのために考えるということをやめない。
毎日の積み重ねは、絶対に裏切らない。
読んだ結果
生きている、仕事をしているということは、それだけでコミュニケーションが発生する。相手のことを考えて、伝えるレベルを調整して文書を作成する。普段の些細な会話やメールから、相手のことを意識していきたい。
最後に本書ではメールを書く前に「感謝のPDF」をするといいとありました。
PDFとはメッセージ→具体的な提案→今後のステップを書くことなんですけど、それよりも”感謝”が一番重要だと感じました。
本文を書く前にまずは感謝の言葉をしたためる。
そうすることで、読み手への敬意が頭の中に甦り、その後の文章を冷静に書くことができるそうです。
怒った時にこそ、重宝しそうな方法。
まず感謝を言葉にすることで、冷静になる時間を作って、自分勝手な文章を防ぐ。これはかなり使える。
これでムカつく人に対して、喧嘩腰の文章や棘のある文を防いで、みんな仲良く、一緒に仕事を進められれば最高ですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?