見出し画像

文學界3月号

普段行く、家の近くの図書館の雑誌コーナーに雑誌『文學界』は無く、聖跡桜ヶ丘へ買い物のついでに寄った図書館へでは購読されていて、バックナンバーも見つける。

特集『滝口悠生の日常』とあるが新作の小説の掲載は無く、『楽器』の舞台になった秋津を散歩しながらインタビューの様な記事がある。東京近郊のの駅の描写。文章を書いたのは滝口悠生さんでは無く、辻本力さんと言う人らしいが描写が似ている。

二つ目の特集記事は滝口悠生さんと『長い一日』、『ラーメンカレー』に出てくる窓目均さんの対談。作品に出てくる窓目さんは実存する人物である事を知る。作品を読んでいて窓目さんは実在する親友らしい感じはしていたが、こういって本人との対談が『文學界』に掲載されるのですね。更に『カレーラーメン』の後半の章は、窓目さんが書いた作品に、滝口悠生さんが手を入れた作品である事が分かり驚いた。作品が単にエッセイと小説が一緒になっただけでは無く、著者と主人公の関係も実験的な作品だった訳だ。

窓目さんと言う人は面白い人で、大学時代に十万語のラブレターを書いて、卒論として片思い(?)の相手に渡したの話も窓目さんの実話である事を知り、そこまでの情熱をぶつける事が出来て羨ましく思う。 下手するとストーカーと思われるのだろうけど、おそらく大学の文学仲間の関係なのだろう、十万語で書かれたラブレターを受け取る相手の方も。『ラーメンカレー』の書かれた背景がよく理解できて面白い対談だった。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?