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オンライン持ち込み編『どこにでもいるアラサー人事が漫画家を目指す事にした話』6

こんにちは、カズトです。先日、メールでWeb持ち込みをした編集部から2600文字の返信が返ってきて感動したので戒めのためにまとめておきます!

持ち込んだ作品

二次創作OKとの事でしたので、2020年1月に発行した第五人格の同人誌をお送りしました。全文公開済ですのでリンク先から読めます。読んでから講評を読むとなるほどなあとなると思いますので、よろしければどうぞ。一応BLですが直接的な表現はありません。

良かった点

気になる点やご指摘の多さから多分実質いいところはない。お慈悲で以下を書いていただいていました。

まず仕上げが丁寧で話の始めから終わりまでクオリティが一定だったところに好感を持ちました。人物の絵も顔や体がコマによって大きくバランスが崩れることなく描きなれていると感じました。
pixivの他の作品もいくつか拝見しまして、ダークな独自の世界観をお持ちのようでしたので人間の心の奥底にある感情や執着など重めの感情を描くのは向いているのではと思います。

Pixivまでわざわざ見てくださったのかと感動しました…!

気になった点

ここからが本番です。抜粋してまとめます。

絵が固く人物の質感があっさりしていて無機質な印象を受けました。
今回は納棺師と死者がメインの話なので逆に人間味のなさがキャラクターに合っていると思いますが、生身の人間を描く際に同じように描写してしまうと人形っぽく見えてしまい、キャラクターを身近に感じづらくなる可能性があります。
絵柄を優先するなら無機質なもの・キャラクターを題材に選ぶと相性がいいかもしれません。

確かに今回の本は印刷したものを見た時に自分でもちょっと固いなとは思ってました…肉感というか、生々しさが極端に薄いと思います…線の強弱がつけられてないのも一因な気がする。

背景と人物があまり馴染んでいないように見えました。今の状態ではあまりにも素材そのまますぎるので逆に稚拙な印象になってしまいます。線画を抽出したあと自分の絵柄と全体がなじむように加筆したりトーンやベタの仕上げを工夫すると更に世界観が完成していくと思います。

これはもう3Dそのまま使った私が悪いです…抽出した後に加筆修正するという発想は全くなかったので次は気をつけたいと思います。背景アシも始めたので、背景はこれから改善するところが沢山出てくるはず。

景・小物は影や質感が強いのに人物は質感がほとんどないため背景から浮いていて背景が悪目立ちしています。人物の仕上げで主に顔周りや白い服などの「ベタ・トーンのないところ」にしか影がないため立体感がありません。トーンを重ねずとも線で加筆したりベタを入れたり、逆に光の当たる部分のトーンを削ったり「黒」をベタだけでなくトーンや線で仕上げたりと方法は色々ありますので他の作品を見て研究しましょう。

ああ~!確かに私白いところにしか影トーン貼ってないや。画面の作り込みというか、全体的に仕上げが甘いんですね。仕上げやるとき何も考えてないもんな…考えろや…

お話について、印象的で読者の興味を引くシーンはいくつかあったのですがそこでシーンがぶつ切りになって話が進んでしまうため読者が置いてけぼりになってしまいます。いつか邂逅するのだろうなと感じていた謝必安とのシーンが急に出てきてイソップが敗北し、それを踏まえてのラストシーンではイソップはその話に触れないため彼の中でなにがどう変わったのかよくわからないまま終わってしまったので正直もやもやしました。

確かに唐突でしたね…もう少しページ数があれば謝と廊下ですれ違ったり、何か一回接触してから試合に持っていく方がよかった。これは全く気付いてませんでした(手癖で話を描くからこうなる)

お茶会の会話シーンが多いため仕方ない面もあるのですが、キャラクターの顔アップとバストアップの絵が多すぎて単調な画面になっています。
コマにぶち抜きでキャラクターを描いたり、タチキリコマを増やしたりするだけでメリハリがつくので他の作品のコマ割りやカットの構図を研究してみましょう。

仰る通りぶち抜きコマやタチキリコマ使うのが苦手です…バレてる…

今後について

「2年以内のデビュー」という具体的な目標をお持ちなのでしたらとにかく1作でも多く「オリジナル作品」を執筆し持ち込みや投稿をすべきです。厳しいようですが二次創作をしている時間はありません。
どのジャンルでのデビューを目指されているのか不明なので商業BLジャンルを想定してのお話をしますと、今の絵柄・画力・カラー・ストーリー構成力では目標達成までにかなり努力しないといけないと思います。

ぐうの音も出ない

まず絵柄ですが、先に述べたように人形っぽさが強く、良くも悪くも性的な印象が薄い絵柄です。BLではHシーンがほぼ必須、なによりキャラクターの心情に寄り添って物語を描く必要があるので質感や肉感がない絵だと読者が感情移入しづらくなってしまいます。昨今のBLでは比較的リアル寄りの繊細できれいな絵柄が好まれる傾向にあります。BLでのデビューを目指すのであれば絵柄のブラッシュアップが必要になってきます。今回はキャラの性格的な部分が大きいかもしれませんが表情も固いので、せめて表情にもっと幅を持たせられると表現の幅が広がると思います。

描くの苦手なもの①エロシーン

ストーリーですが、BLでのデビューを目指すのであれば「恋愛」を主軸にしたお話を描いてみてください。今回は単純に好きとか恋だけには収まらない話だったのでこれはこれで良いのですがオリジナル作品を描く際はまずひとつ軸となるメインテーマを決めて、そこがぶれないようにしましょう。欲張ってあれこれ詰めると何も伝わらなくなってしまいます。

描くの苦手なもの②コテコテの恋愛もの

BL以外のジャンルでもそのジャンルでのトレンドを押さえることが必要です。
「流行りものに合わせなくてはいけない」ということではなく、いま何が人気なのかを知っているのと知らないのとではどんなものを読者が求めているかもわからないのでたとえデビュー後でも常に市場調査は重要になってきます。電子書店の売り上げランキングなどを見て研究してみることがおすすめです。

9月やりたいことリストにも入れてましたが、BL課題図書は絶対やったほうがいいですね…!

総括

というわけでめちゃくちゃ丁寧に講評していただけました。びっくりした…本当にありがたい。しかしやっぱりBLにはエロと色気が必須ですよね…

私は18禁BLゲージャンルに4年居てR18本を一冊も出さなかったという体たらくだからな…エロを描くのが苦手なのもあるんですが最初の構想で入っていても「いやこれエロ別にいらんだろ」と削ってしまうんですよね…いや、削ることで逃げてるだけなのか…恋愛主軸の好きだとか恋の話を考えるのがすごく苦手でいっつも憎しみは愛でしょとかそういう話ばっかり描いてる。純粋に人が人を好きになるという事を本質的に理解できていない気がする。

ここまで書いて人としてどうなの案件な気がしてきた…人格形成に問題が…

一応今考えているオリジナルは、BLならエロがないといけないと思ってエロありきの設定で進めています。が、絶対エロシーンでネームも作画も気分もつっかえるんだよなあ…うう…苦手を克服せねば…今回絵柄も色気がないと言い切られてしまったのでこれ私BL向いてないんじゃ…

総括すると話も絵も上手くないしエロさもないからダメ、いいところなし。デビューは絶望的、だからなあ…絵が下手なのは知ってたけど、魅力がないは下手って言われるよりどうしようもない感が強い。頑張ります…


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