InsurTechサービス2

今作っているInsurTechサービスを解説するよ

こんにちは。損害保険を扱う代理店向けの営業支援ツールを開発している田上です。

今日は題名の通り、現在作っているサービスがどの様なところをターゲットにしていて、どの様な価値提供をしようとしているのかを解説したいと思います。


損害保険業界の俯瞰図

サービスを作ろうとしたきっかけは、私の友人の体験からでした。
その友人は保険代理店での業務も経験し、事業会社で保険を買う側も経験していました。

そもそも、損害保険業界とはざっくりと以下の構図になっています。

参考まで、マクロ情報として保険会社側の元受保険料は約8.2兆円くらい保険代理店が得ているマージンの総額がざっくり1.2兆円くらいの市場規模です。

見てお分かり通り、代理店は中間企業体なので、お客さんの企業数十〜数百社を抱えています(代理店規模にもよりますが)。営業マン一人当たりで言っても数十社を担当している状況です。
友人も代理店時代を「お客さんの更改作業や社内調整で手一杯だった。」と振り返っています。

一方で、右側の企業サイドでは、自分たちの置かれている『業界のリスクの全体像』と、その中で『どのリスクをヘッジする為に何の保険に入っているのか』把握できていない状況だったと振り返っています。
これは個人の話に置き換えると分かりやすいと思うのですが、自分が今個人で加入している生命保険や損害保険の内容を正確に把握している人は少ないのではないでしょうか。

この様な原体験から企業のもつ保険証券の情報を元に、代理店サイドはお客さんに必要な情報が簡単にアウトプットでき、企業サイドにとっては全体感の中でリスクとヘッジ策が検討できる様なツールを作ればいいのではないかと思うに至ったのです。


ヒアリングから見えてきた課題

上記の様なProblem(課題)を設定したら、次は本当に代理店や企業がその様な課題を持っているのか実際に聞いてみました。
ヒアリングにあたっては、我々がコアバリューと仮定する機能を簡単にデザインモックアップに落とし込み(Adobe XDで作成)、それを実際に見せながらインタビューをしていきました。
前職の繋がりや諸先輩方の協力もあり、代理店20社弱、事業会社10社強にヒアリングをすることができました。結果は以下の通りです。

【代理店】
実際に課題を持っていた。
【企業】
課題は持っているものの、そこまでの強さではなかった。
保険に関しては前年との比較で大きな変動がなければOK、若しくは代理店へリスク管理を任せているスタンスの企業が多かった。

このヒアリング結果はある程度我々の想定内でありました。日本の保険市場の発展の経緯とその中での代理店の果たしてきた役割を紐解けば、この現状は納得感のあるものでした。
よって、我々は最初のターゲットを『損害保険を扱う代理店』と設定し、彼らが持つ課題の深堀を始めました。


『効率化』か『高付加価値化』

代理店の方々に引き続きヒアリングを重ねました。お世話になった方は2、3度どころではなくヒアリングにお付き合い頂きました。
そこから見えてきたのは、『代理店の課題は究極的に効率化か高付加価値化に分類できる』というものでした。

効率化の観点では、現在代理店で行われている業務の自動化保険証券を綺麗に情報整理すること、代理店営業マンのワークフローの可視化などです。普段の業務の無駄を省き、高付加価値化に割く時間を捻出しようとどの代理店の方も課題感を持っていました。

高付加価値化の観点では、『より顧客にFitした提案』の模索でした。顧客の中には現在営んでいるビジネスから勘案しても、加入している保険が明らかにリスクをカバーできていなかったり、逆に加入している複数の保険の中で補償内容が被ってしまっていたりといった状況が散見されるとのことで、代理店としてはそういった顧客に対しより良いFitした保険提案をしなければという課題意識を持っていました。


我々のサービスの目指す方向性

こうした検証を経て我々は『代理店の高付加価値化』にフォーカスすることを決めました。理由は大きく2つあります。

1つ目は、『業界自体の価値を高める』ことに繋がるからです。こと損害保険に関して言えば、その興りは『人や企業が不確実性を定量化でき、安心を得ることが出来、より大きな挑戦に取り組める』為に誕生した概念だと言えます。代理店の機能が高付加価値化されれば、その保険を提案される企業がより安心してチャレンジ出来、企業価値も相対的に上がり、日本経済の底上げに繋がるのではないかと考えたからです。

もう1つは、『新たなリスクに対応するフレームワークを構築しなければならない』と考えたからです。現在損害保険業界は過渡期にあります。伝統的な自動車保険や火災保険の事故率が下がってきている一方で、自然災害やサイバーテロなどの新たなリスクが生まれてきています。そういった新たな驚異の発生はこれから益々加速していくでしょう。顧客にFitした保険提案とはつまり顧客の抱えるリスクを正確に知ることに繋がります。
企業の抱えるリスクを正確・迅速に捉え、保険によるヘッジ方法を生み出せるエコシステムを作ることができれば上記と同様、日本の経済にとって大きなプラスになると信じています。


サービスの発展性

さらに言うと、我々はこのサービスを出来るだけ早く海外展開したいと考えています。全然議論は詰まってませんが、先ずはシンガポールへの進出を目論んでいます。

シンガポールは市場規模がざっくり日本の10分の1くらいです。しかしながら保険料増加率が約13%前後とアジアのハブとして急成長している国です。市場が未成熟な内に進出し、より良い保険市場の形成に寄与できればと思っています。

正直に言うと、私と友人が仲良くなったのがシンガポールの駐在中だったと言うのが1番の理由です。笑


まとめ

ざっくりと、我々が作っているサービスの内容と検討経緯を書いてみました。また色々と進捗があり次第アップデートしていこうと思います。
興味のある方や開発を手伝って頂けそうな方など気軽にコンタクトをいただけるとありがたいです。

それでは今日はこの辺で。


Twitterでは日々のサービス開発における気づきなどをつぶやいています。


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