新規事業をうまく進めるコツ

新規事業をうまく進めるコツ(体験レポ)

こんにちは、動画配信プラットフォーム事業を展開している田上です。

11月2日(土)にKnock Knock(ノックノック)という動画配信プラットフォームをオープンしました。

https://knock-knock.tokyo/frontend/home-notlogin.html

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お話を頂いたクライアントが自分たちでWeb動画メディアを作りたいとのお話を頂き製作したサイトになります。

今回僕はこのプロジェクトに製作だけでなく、プロジェクトマネジメント・ビジネスコンサル的な立場でも関わったのでその過程を整理して書き残そうと思いこちらの記事執筆に取り組んでいます。


本プロジェクトで担った役割


本プロジェクトで私が担った役割は主に以下でした。

・動画配信プラットフォームの構築
・プラットフォーム製作及び全体戦略の社内説明
・プラットフォーム開設までのプロセス設計
・プラットフォーム開設までのスケジュール設計
・製作までのメンバーマネジメント
・開設後のデータ解析(現在も継続中)

本プロジェクトのお話を頂いた際には、久米さんを中心に据たウェブメディアを立ち上げたいということと、大まかなコンセプトが決まっていただけで、かなり初期からプロジェクトに関わらせて頂きました。

プロジェクト推進にあたってはクライアント側から約5人と我々制作サイドでプロジェクトチームを組成して、開設まで走りました。


プラットフォーム製作及び全体戦略の社内説明


プラットフォーム製作にあたり、まず取り組んだのが全体戦略の設計でした。このプラットフォームだけではなく、自社ウェブサイトやSNS、ランディングページやリアルなイベントなど、どの様にサービスを広め視聴者への認知を拡大していくか、またファンの熱量を上げていくかを様々なタッチポイントを洗い出しながら、短期的な視点だけではなく中・長期的な視点で語れる様に設計していきました。

というのも、動画配信プラットフォーム事業を始めて蓄積された知見の中で、『動画配信事業はそれ単体で価値を発揮するのは難しく、リアルな場での相互交流やファンコミュニティの醸成と共に取り組むべき』という気づきがあったからでした。

もっとシンプルに言えば、『ファンコミュニティを醸成する上での一つの手段としての動画配信』と捉えた方がよく、全体戦略の構築や社内説明などではその点を初期段階から強調していきました。

中・長期的にはリアルな場も含めた様々なタッチポイントを用意することを前提に短期的には動画配信プラットフォーム、ランディングページ、SNS(Twitter、Facebook、YouTube)を軸に認知を広めることをチーム内の共通理解としてFixさせました。


プラットフォーム開設までのプロセス・スケジュール設計


次に取り組んだのが、開設までのプロセスとスケジュール設計です。元々は3ヶ月の製作期間でスケジュールを作成していましたが、結果開設まで約4ヶ月強かかることになりました。

プロセス・スケジュールは所謂『ガントチャート』に纏めて、可視化・明文化しました。これは前職で投資案件に携わった時の経験が活きたなと思います。明文化したガントチャートを共有フォルダで管理し、常にプロジェクトメンバーがアクセスでき確認できる様にしていました。

このプロセス・スケジュール設計には幾つか大切なポイントがあると思います。

一つはプロジェクトチーム内でこの先何をすれば良いのか、共通理解を持てるということです。

特にこうした新規プロジェクトで時間を取られるものが社内の決裁です。どんな意思決定に時間を取られそうかを事前に洗い出して、先手を打てるという意味でもこのプロセス・スケジュールの洗い出しは有効だったと感じています。
(ちなみに当初予定の3ヶ月から実際の4ヶ月かかってしまった背景はやはり社内決裁の遅延でした。このあたりは未知の事象に対して1ヶ月くらいのバッファーはデフォルトで設定した方が良さそうです。)

もう一つは、誰が何をしていて時間を取られているのかを明確にすることができるという点です。

新規プロジェクトでチーム内に亀裂や不信感が生じる原因の一つに誰が何をやっているのか分かりづらいという点があると思います。

プロセス・スケジュールを明文化することによって、今誰が何の作業で時間を取られているのかを明確にすることができ、且つ定例ミーティングでガントチャートをアップデートすることでプロジェクトチーム間での認識の齟齬が埋まります。

これらの施策のおかげで、開設までにさほど大きなトラブルなくプロジェクトを進めることができたと思います。


製作までのメンバーマネジメント


こちらも上記の明文化と同じ文脈なのですが、本プロジェクトではプロジェクトメンバーそれぞれの『役割』を最初に明文化しました。

最初にプロジェクトメンバーで集まり、このプロジェクトを成功に導く為に必要な役割を洗い出し、その役割に人を『アサイン』する形でメンバーマネジメントを行いました。

この効力は前述の通り、誰が何をやっているのかを明確にできることと、意思決定が早くなること、また「きっと誰かがやるだろう」とか「これなんで俺がやらなきゃならないんだ」といったポテンヒット的な感情の淀みを防ぐことができました。

この役割を作成する時のコツは、役割のもつ責任をなるべく細かく定義することです。例えば、『プロジェクトリーダー』という役割を考えた時、プロジェクトメンバーそれぞれのプロジェクトリーダーに対する期待値はバラバラです。

プロジェクトリーダーは「各役割へメンバーをアサインすること」、「スケジュール進捗を毎週チェックし、遅れが出ている工程があればその責任者に原因を聞きプロジェクトメンバー全員に共有すること」など、一つの役割に対して詳細に責任を定義していきました。

これにより、誰が何の役割に責任を負っているのか、またその責任とはどこまでの守備範囲かをプロジェクトメンバー全員が把握でき、理解の齟齬を少なくすることができました。

定例ミーティングでは必ず最初に、この役割を振り返る様にしています。『これなんで俺がやってるんだろう?』とか『すでにこの役割は必要なくなったな』などの意見はないかを聞き、役割分担表をアップデートしながらプロジェクトを進めています。


開設後のデータ解析(現在も継続中)


最後にデータ解析ですが、これはプロジェクト初期からプロジェクトメンバー間にシェアしていたことの一つで、サイトの特にデザイン部分については開設後のデータを見ながら改善を繰り返しましょうというということでコンセンサスを形成していきました。

というのも、新規プロジェクトで陥りがちな落とし穴の一つにデザインに拘りすぎてスケジュールが遅延するということがあります。

本件でも何回か同じ様な状況に陥りそうになりました。「このボタンは○色の方がいいんじゃないか」、「ここの項目の大きさはもっと大きくした方がいいんじゃないか」、「このコンテンツは真ん中じゃなくて右寄せにした方がいいんじゃないか」などです。

こうした感覚に基づいた「〜した方がいいんじゃないか」というのは飽く迄も個人の成功体験に基づいたものであり、正解が無い上にコンセンサスまでに時間がかかるという厄介なものです。時間をかけて議論したのに、開設後全然PV数が伸びないなんて話はざらにあります。

この点をどうやって今までウェブビジネスに携わってなかったプロジェクトメンバーに理解してもらえるかが一つのポイントでした。

実際に私が取り組んだ別プロジェクトで開設後にどんなデータが取れ、それに基づいたABテストなり時系列テストでどの様な改善が見られたかをデータで示すことで納得してもらえました。

プロジェクトをスムーズに進捗させる上で、感覚をベースにした話し合いは極力時間を短くし、実績値であるデータに基づいて意思決定を下すプロセスを慣習として取り込めると新規プロジェクトの成功確率は飛躍的に向上すると思います。


まとめ


最近は動画配信プラットフォームを作りたいというお話の他にも新規事業のコンサルとして入って欲しいというお話をいただく様になり、新規案件立ち上げに関する知見が溜まっているので、こういう話も時々纏めていきたいと思います。

僕自身、もともと商社マンで技術的な知見が乏しいところからスタートし、今ではクライアントサイドのコーディングとインフラ側のエンジニアと日々コミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めているので、『コーディングする程の知識は必要ないけど、エンジニアと共通言語で話せる程度の知識は欲しい』という方の気持ちが凄く分かります。

その辺についても今後纏めていけたらと思います。


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