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APPLE][のキーボードと文字コード - J-PLUSでのカナの扱い

さて、PET2001でカナをどう扱ったかを

PET2001 - 悪評の高かったキーボードと PETSCII

で書いたのでAPPLE][の場合はどうだったのかもまとめておきます。
APPLE][のキーボードと文字コードについては、

APPLE][のキーボードと文字コード

に書いたので、J-PLUSでどのようにカナ文字を入れたかということになります。カナ文字はヘッダ写真にもあるように、それぞれのキーの手前の面に刻印されています。スラッシュで区切って2つ刻印されている文字は、そのまま入力できる文字が左、シフトが必要な文字が右です。

上がシフトを押しながら、下がそのままで入力できるカナ

カナキーはなく、英数字とカナの切り替えは、CTRL-T を押すことでトグル切り替えになります。

この配列は JISではありませんが、どこかで見覚えがありませんか。そうです大部分は PET2001 のカナ配列と同じです。

JISキーボード

これは文字コードを見れば理由がわかります。

APPLE][ J-PLUSの表示文字コード(灰色の部分はフラッシュ文字)

無印では反転文字に使われていたコードの部分をカナに置き換えています。数字の1($31)からアイウエオ順にカナ文字を割り当て、$3Fの続きを$00から割り当てています。これを既存のアルファベットのキーに対応させた訳です。ABCの部分がチツテになるので、ASDFはチモトニとなるのです。

PET と異なるのは、一部の図形文字と漢字は無くて、代わりに小文字のカナとカナの括弧があることです。

無印との互換性を保つために、カナ表示の無いキャラジェネも持っており、その切替は特定のアドレスに値を書き込むことで行います。

$C05C - カナ
$C05D - 英数字

カナを有効にしていると反転文字を利用しているソフトで文字化けをしてしまうので、このアドレスに適当な値を書き込んでカナを無効にしてしまえば良いわけです。但し CTRL-T によるトグルは活きたままなので、CTRL-T で反転文字が使えたりするわけですね。

残念ながら見た目以外に現在の状態がどちらであるかを知るのは無理だったようです。このアドレスはオンボードI/Oのアドレスで、J-PLUSのリファレンスマニュアル P24 アナンシエータ出力に記載がありました(J-PLUSのマニュアルを丸っと手に入れるページは見つかりませんでした)。

J-PLUSのモニタには CTRL-T 処理のパッチが当たっていたようでマニュアルの巻末にあるモニタROMのソースコードに CTRL-T 云々というコメントがある部分が数カ所ありました。

ちょうどエミュレータが、J-PLUS をサポートするための情報として言及されているページが見つかったので、ここにあるメモが良い説明になっているようです。

Add Apple II J-Plus support #773

このような作りであることから、文字列の中にカナを混ぜたいときには CTRL-T で挟んでおけば良いわけで、JIS7ビットのエスケープによる切り替えを簡略化した感じですね。これでデータとしてカナを扱えるのでとても便利ではあったのですが、データを検索する時に状態を意識するコードを書く必要がありました(Aを探すとチがヒットしてしまう)。

なおコードは他のPCのと異なるので、よそに持っていく場合には変換が必要です。APPLE][の場合はディスク経由で運ぶことはまず無いので(他のドライブでは読めない)、変換はターミナルソフトで行われていたように思います。

こうして漢字が使えるようになる前から、文字コードの苦労が始まったのでした。

さて今回も図で使ったファイルを添付しておきますね。自由にお使いください。


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