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妄想鉄道 - 富士登山索道

今年は富士山とその周辺が世界遺産に登録されて10周年ということもあり、コロナによる制限も無くなって登山者がとても増えていて大混雑だというニュースがありましたが、コロナ前からゴミ問題であるとかマナーの問題が取り上げられることも多かったですね。

富士山を見れば、一度は登ってみたくなる気持ちはわかるのですが、登山ではなくピクニック気分で訪れる人も絶えないようで、登山シーズンに御殿場から富士山を見上げれば登山者の無数の灯りが見えて、どう見てもそこは観光地です。これだけ多くの人が訪れれば、間違いなく環境は破壊されますし、受け入れ側の設備も営利目的とまでは言えない施設が多く、ビジネスとしてどうなのかなと思わなくもないです。

もっと観光客に来て欲しいというのもよくわかりますし、やはり排気ガスなどの影響も気になるのか、観光バスで輸送するのではなく鉄道を作ってはどうかという構想が出ているようです。

富士山登山鉄道構想検討会

富士山登山鉄道構想

https://www.fujisan-3776.jp/report/council/documents/01-2sankou3.pdf

これはあくまで麓から5合目までの道路を補完する、または置き換える目的のもので、5合目より上に関しては今と同じ話のようです。本当に環境のことを考えるのであれば、現状と何が変わるのかといえば、そんなに効果があるようには見えませんでした。正直に言って、富士山は何だかんだ自然環境が厳しくて、道路であっても災害に見舞われて、復旧に長い時間がかかることもあるのに、鉄道のほうがより影響を受ける心配があるので、道路はそのままで、バッテリーで動くバスか水素で動くバスを導入したほうが現実的な気がします(下りで充電できるとなお良い)。

そもそも観光として富士山を訪れる人は、山頂に行って景色を見たいのであって、決して登山がしたいのでは無いと思います。これを歩いて登らせること自身が実は無謀で、バックヤードとしても重機で荷物を運ばないと行けない場所に、多くの人が訪れること自体が環境に配慮する余裕をもたせることをできなくし、結果的に環境を破壊し、事故を招いているのではと危惧します。

ですから観光と環境を両立させるためには、登山なんかさせてはいけなくて、乗り物で一気に山頂まで運んでしまうのが良いのではないでしょうか。これを使えば山頂まで電気も運べますし、ゴミを麓まで戻すのもそんなに大変なことではなくなります。もっとも風雨も強く瓦礫を積み上げたような富士山の地面に建築物を作るなんで出来るものではないと言う方もいらっしゃるとは思いますが、そこは現代の技術を使えば、あながち不可能では無いような気がします。

例えば黒部ダムを中心とした黒部アルペンルートを考えれば、その一部にはケーブルカーやロープウェイといった輸送機関が含まれています。

立山黒部貫光黒部ケーブルカー

立山ロープウェイ

富士山も環境が厳しいところですし、地盤の強度も期待できないので、まずトンネルを(掘るのではなく)埋めて、その中にケーブルカーの線路を引くか、ロープウェイを通すというのはどうでしょうか。外が見えないと文句が出るかもしれませんが、山頂に着けばたっぷりと楽しめるので、そこは我慢してもらいましょう。一気に登るので一般の観光客は山頂で与圧した建物の中で過ごしてもらうことにして外には出ないことにしてもらいましょう。暖房もしておけば、軽装であってもなんとかなりそうです。もちろん外に出たい人は有料で、少しづつ気圧を下げた部屋を時間をかけて移ってもらうことにしてもいいですが、多くの人はそんな面倒をかけずに下山する選択をすると思います。そして登山ルートは、資格を持った一定の人数の人にのみ許可することで、環境を守るのです。

これで季節を問わず山頂に行くことができますし、電気もあり物資の輸送も容易になるので、学術的な研究を行う施設を作っても維持管理はかなり楽になるのではないでしょうか。トンネルであっても、それを固定するのは何だかんだ大変なことかもしれませんが、風雨の影響は無くせますし、登山者が「光って」景色が台無しになるということは無くなると思いますよ。いずれにせよゴミを途中に撒き散らさず、山頂からの回収が容易になること自体が環境に一番効くと思いますし、急病人も速やかに下山させることができることこそ、安全を確保することになるとは思います。

やっぱり富士山は素敵ですし、一度は山頂に行ってみたいと思いますが、苦行を求めているわけではないと思います。観光を売りにするのであれば「登山」なんてさせずに済む方が現実的ではないでしょうか。

ヘッダ写真は、立山黒部貫光黒部ケーブルカーの乗り場の様子。以下の場所のものを使わせて頂きました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Kurobe_cable_car_01.jpg
Kahusi - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=304825による

#富士山 #世界遺産 #富士山登山鉄道 #黒部アルペンルート #妄想交通機関 #山の日

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