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あなたの提示した自主トレは続きますか

 皆さんこんにちは。長野県で理学療法士をしている竹中寿史です。最近は、コーチングの勉強と実践をやることがかなり充実した時間になっています。

 

 皆さん普段入院中の患者さんでも外来の患者さんでも、リハビリ以外の時間に自主トレを促すことがあるかと思います。 

 しかし、自主トレの指導書まで作ったのに、あまりやってくれないということもあるのではないかと思います。

 そこで今回は、患者さんが自主トレを継続的にやるための3つの工夫について書いていきます。
 

よろしくお願いします!




人は習慣の生き物

 そもそも、なぜ自主トレを提示しても続かないのでしょうか。

 それは、人間は習慣の生き物だからです。


 これはどういうことでしょうか?

 普段私たちは意志を使って何か物事を行うよりも習慣にしていることを行っている時間が大半です。

 米国デューク大学の論文によると、毎日の人の行動の40パーセント以上が、その場の決定ではなく、習慣だといわれています。


 習慣的に行っていることは意志力を消費しません。歯磨きをする時に
「よし、今から頑張って歯磨きをしよう。」とは思いませんよね(笑)

 このように習慣的に行っていることは意志力を消費しないため、脳に負荷がかかりにくいのです。


 対して、日常習慣以外の意思決定をして何か物事に取り組む時には、意志力を使います。

 患者さんに取って自主トレもそうです。普段の習慣にないものですから、「さあやるか」と意思決定をして取り組むものです。

 この意志決定をして行うものは意志力を消費するため、脳に負荷がかかります。脳に負荷がかかることを人間は嫌います。疲労するからですね。


 つまり自主トレを行うという行為は、日常的な習慣でないため、本能的にあまり好まれないので続かないのが普通です。


では、どうすれば自主トレを継続して行ってもらえるのでしょうか。
自主トレを継続してもらうには、3つのコツがあります。それは、

・今ある習慣に紐づけること
・記録して見える化すること

・周囲に宣言させて監視の目を作ること  です。

一つ一つ見ていきましょう。


すでにある習慣に紐付ける

 自主トレを習慣化させる一つ目の工夫は、すでにある習慣に紐づけることです。

 例えば、歯磨きしたり、ご飯を食べたりは日常の習慣になっていると思います。

 すでにある習慣に紐づけるとは、この歯磨きをした後に自主トレをする、と決めてしまうことです。


 すでにある習慣に紐づけると、いつやるのかという意思決定する必要がなくなります。
 そのため、人間の弱い意志力に頼ることなく、習慣の力を見方にすることができるのです。



記録して見える化すること

 二つ目は、記録して見える化することです。これは文字通り実際にやったかどうかを記録してもらいます。

 何時に何の項目を何回行ったかを記録していきます。記録すると、客観的な数値が得られるため、療法士は実際に行ったかどうかを確認できます。

 また、患者さんにとっても以前と比較することで良い変化が分かりやすくなります。

 特に患者さんがリハビリを続けるモチベーションとして、回復具合が実感できるかどうかが一つの要因としてあると思います。


 例えば、学生の時を思い出してください。自分で勉強している時に、前よりも早く数学の問題が解けるようになったとか、英語がすらすら読めるようになったと感じた時には嬉しくて勉強は続けやかったと思います。

 反対に、勉強をしているのに全然分からないやと思う時は、モチベーションが続きません。


 これと同じように自分の良い変化に気づくことが出来なければ、患者さんも自主トレは継続できません。

 だからこそ、数値化して記録をとりましょう。記録を取れば患者さん自身も良くなっている変化が実感ができるはずです。


周囲に宣言させて監視の目を作ること**

 3つ目の工夫は、周囲に宣言させて監視の目を作ることです。これは、継続するコツとして前回の記事でも紹介しました。

 簡単に説明すると、人は自分だけの約束よりも他人との約束の方が守りやすいということです。これをパブリックコミットメントと言います。


 実際のリハビリ場面では、いくつか方法があります。

・担当の患者さんと同室の患者さんにいつ何の自主トレをするか伝える
・リハビリ訓練室に来てもらい、セラピストが見えるところで行ってもらう
・毎朝検温する看護師さんに昨日も自主トレできたか聞いてもらうようにする

などです。


 基本的に自主トレなんて楽しいものではないですから、自分との約束ではどうしても継続できない人が多いです。

だからこそ積極的に周囲の人の目を使いましょう。



まとめ

・人間は習慣の生き物なので習慣となっていない自主トレはそもそも続けにくい。
・自主トレを行なってもらうための3つの工夫は
 今ある習慣に紐づけること
 記録して見える化すること

 周囲に宣言させて監視の目を作ること


 皆さんもぜひせっかく作った自主トレ指導書が棚の奥底に眠らないように、自主トレの仕方にも気を配ってあげると良いかもしれません。



 今回もここまで読んで下さってありがとうございました。少しでも日々の仕事や生活に役に立てば幸いです。


ではまた!


#竹中かずし #学んだことシリーズ #日記 #理学療法士


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