魔々勇々第7話「何が為」感想(ジャンプ47号)

おおー!次回センターカラー!
必ず序盤もらえるとは限らないようだし、スタートダッシュは成功かな。
これからも応援していきます!

さて、前回から続くエスカバの暴走は十中八九狂言だと思っていたんだけど、そう言い切れない情報の出し方がうまい。
考えるほどに謎が深まっていく。
深めてほしくなかった思いもないではないがそのへんは後述。
エスカバの真意をメインに、気になったところをピックアップ。

エスカバの真意

一読したときはさすがに狂言だと思っていた。
「『殺す』でいいんだよ ぬるいなァ」「俺は指南役だってよ!」と「お前が足を踏み入れているのはこういう世界だ!」
とか、いい奴にしか見えない。

しかし、エリシアが泣いているしケガがガチっぽいことでコルレオと同じように迷わされた。ブレブレである。
メタ的に考えたとき、ここまでヒントを出すか?という気もしてくる。
一応辻褄の合いそうな本命と対抗を予想。

本命

パンネロにコルレオの修行(指南)を頼まれるエスカバ
→「修行とか悠長なことやってる場合じゃないでしょ、やり方は好きにさせてもらうよ」で、エリシアに芝居を提案。
→意外とエリシアも過酷な環境を生きてきたせいで思考がぶっとんでて、自分の指を折るなどして工作

最初はこれで間違いないっておもってたんだけど、複数話かけてやる話か?って気がしてきたんだよなあ。
パンネロさんに覚悟を決めろって言われて、それでも話し合おうとしたのはコルレオのいいところだと思うし、紋章術の説明のやり方はほかにもいろいろあるような。
この後に甘いって説教されるコルレオが見たいかというと微妙である。
しかし、この辺のやや納得いかない気持ちは、タネ明かし会のインパクトでごまかされたりもする。
へのへのもへじのときの「好きだからだろぉ!!!!」の勢いがあれば何でも納得するので、もやもやをねじふせてほしい。

対抗

エスカバが、強い奴と戦いたいという闘争本能だけで生きているパターン。
これだと発言が全部真意でも問題なく意味が通る。
「弱い奴倒してもつまらないんだよね」系統。
言葉を話せるだけで、魔王とは価値観が一切噛み合わないことを強調し、友好的な(どころか子育てした)マママの特異性を際立たせるという意味ではあり得る。
葬送のフリーレンの魔族を思い出させる魔王の性質。
エリシアの涙からはこっちの説のほうが強いか。
でもこれだとバトルの収集がつかないような。コルレオが勝てちゃう魔王でいいのか?
まあ、バトル漫画の序盤にありがちか。
あの敵キャラ、あの時点の主人公に負けたの?ってなるのは仕方ない。
ガララワニとか捕獲レベル5で何をイキっていたんだ。

結論

わからん!
想像の上を行く展開なのか、ややお粗末な展開になるのか、予想どおりでも納得させてもらえるのかは来週次第。
本命寄りの展開で、かつ、説明とか台詞の熱さで納得させてほしい。
エスカバ表情が好きなんだよね。
3人チーム、ぜひ組んでほしい。

雑感

心情描写がバトル漫画のそれじゃない。

痛みだけが理由じゃない涙。
魔勇であっても分かり合える世界が一番の望み。
この期に及んで断ち切れない迷い。
相手の真意を探りたい思いが離れない。

ここまでの葛藤を描いた上で、原点の「守る」という思いに集中することで限界を超えた力を発揮して格上に立ち向かう。
「勇む心で守るのが勇者」をブレずに体現するコルレオが熱い。

熱い。うん熱いよ。熱いんだけど、今回はバトルに集中させてほしかった!
面白かったよ?十分面白いんだけど、エスカバの真意が気になって集中しきれなかった!
読者すら迷うヒントを散りばめ、コルレオと読者の心情をシンクロさせた上で、エリシアを守るという一点に集中したコルレオはそりゃかっこいいよ?
でもこっちはそんな立派な精神性ないから!
これ本当にピンチなの?倒さないとこの窮地って脱せないの?みたいな平和ボケしたぬるい人間なのよ。
乗り越えなきゃエリシアを本当に殺すパターンの修行か、完全に敵と分かるかのどっちかのパターンで読みたかったというのはわがままでしょうか。

その他気になった点

とまあ、こんな感想も林先生の掌の上なのかなという気もしている。
キャラの表情含め、展開と心情描写の丁寧さで楽しむ漫画だと思っているので、何を考えているのかで悩めるのは楽しめている証拠。
バトル自体を楽しめる展開もいずれ来るはずなので、あとは今回のその他の気になる点に触れてみる。

紋章術

固有の紋章術と身体強化の2種類があることが判明。
原則、固有は1人1スキル。
固有のほうに名前がつくんだろうか。
暗々泳影に剛豪力々。

え?エリシアちゃんせっかくの固有スキルが身体強化でかぶってるの…?弱いってそういうこと?
とも思ったが、念能力でも強化系が最強と一応設定上は言われているし、固有スキルの強化度合いは身体強化とは別物なんだろう。

対してコルレオは複数持ち。主人公らしい特権で良いね。
MPが目に見える形で表示される上で、主人公に治癒スキルを入れてきたのはかなりチャレンジング。
お前を倒すのに回復するのは右手だけで十分だとかやるのかな。

痛い

バトル漫画で「痛い」ってことをあえて表現するのが珍しい。
平和な世界から戦いに巻き込まれる系の主人公が山ほどいる中で、戦いに向けた恐怖じゃなくて「痛み」をしっかり乗り越えさせるのが新鮮。
そりゃそうだ。コンクリートにひびが入るほどの衝撃なんて痛いに決まってる。

そこにとどまらず、辛いのが身体的痛みのせいではないってことにつなげる展開が好き。
長いセリフが使えない漫画という媒体だからこそ、短いセリフに複数の意味を持たせる描写が光る。
走れコルレオとか、蛇口と雛鳥とか、序盤から続くこういう表現のうまさが嗜好にぶっ刺さってるからこの漫画が好きなんだろうなあ。

過去話感想
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?