すごいスマホ第5話の感想、考察(WJ27)~カリスマに頬を染めるおじさん達~

最初の危機を脱した前話。期待していたグーググポイントによる機能開放がなされ、全一郎さんのキャラ付けもなされた今回。つなぎの会ではあるけれど、誰得な頬を赤らめるおじさんの絵面や、ツッコミ所を先に潰す新機能の検証など、今回も満足感が高かった。

全一郎さん

人格的に優れているというわけではなく、知力をベースに有無を言わさぬカリスマ性と迫力で人を従えるタイプだった。ネウロのシックスを思い出す。あっちは王ではなく悪がモチーフだが。
王として君臨することが当然とのスタンスで、見下し発言による小物感が払拭された。鼻っ柱を折りたくなるいい敵キャラになったんじゃなかろうか。

「僕の仲間に なって くれるね?」

とんでもない体育会系のお出迎え。動揺する相高さんかわいい。目の前で土下座始まったらそりゃ「お…俺は 俺はどうしたら…」ってなるよ。
あえて恐怖に近い感情を与えてからの、評価と連帯感とカリスマ性の押し付け。土下座の恐怖からの弛緩を狙って、「相高さん」「相高くん」「相高」と呼び方を変えつつ「君は賢い人だ」と洗脳。
全一郎さんが救世主に見える状況を作り出した上での勧誘により、頬を赤らめる相高さん。よく考えればそもそも全一郎さんのせいで非日常に追い込まれていたのに、助けてあげた上、快く迎え入れたかのように見せる手腕はやり手社長。カリスマ性が生かされるのは、そこまでのお膳立てが整っていたから。
覇気とかオーラがない世界において、通常人の感覚を持った人を心酔させるシーンを表現するのは難しいと思うんだけど、説得力があった。顔とか迫力で納得させようとしてるわけじゃないから、一つ一つの動作の意味を考察できて楽しい。電話は全一郎さんが鳴らしたのかもな、とか。

「僕は王様」「だけど満たされない全然」

真の王になりたい全一郎さん。モチベーションはそこにあると。
「満たされない全然」の文字がコマに収まりきらない表現いいですね。退屈ではなく欲求がベースにあるところが、敵として分かりやすい。支配を退屈と断じ、葛藤を続けたメルエムとも違う。
前話で、他者を完全に見下すスタンスどうかなあと思っていたが、ここまで振り切れているなら全然アリ。

「会って去勢して 支配される喜びを教えてやりたいな」

積極的に攻勢に出る姿勢や、Qの動きを先回りして瀬尾水への未送信メールを作っておくなど、優秀なところを見せてくる全一郎さん。間違いない。噛ませじゃない。すみませんでした。
タワマン襲撃という倫理観なしの作戦から入ったせいではあるものの、今のところQは基本的に後手に回っている。「通報者」が協力者を必要とすること、その場合瀬尾水に辿り着くことを先回りしているあたり、知力は同格。「評価できる」と、上から目線は貫きつつもQを侮っていないところもただの自信過剰とは違う。
しかし、ハアハア言いながらフリスクを差し出すおじさんに満足そうに手を出しているけれど、目指す王の姿はそれでいいのだろうか。

新機能開放

やっぱりきた!

機能

自分への検索制限機能は、すマホ起動以降常にon。ポイント稼ぐまで無防備すぎでは?という点はクリア。
ポイントにより獲得したのは拡張ガード。任意のモノ、人の情報を3つまで守る。使いどころ難しいな。僕だったら全クリしてもアイテム欄に残してしまうやつだ。ラストエリクサー、世界樹の雫、月のしずく・・・
弱みを守るなら結歌含む家族に使うのだろうが、攻撃に使うならまだ出てきていないキャラかな。瀬尾水は正体が割れているわけだし。

検証

無駄にもやもやさせられずに済むこの検証はありがたい。情報を隠すって現代じゃ不可能なんじゃないの?ってあたりに常識的な回答を返している。所属コミュニティ含め、情報はかなり慎重に守らないとすぐに突き止められてしまうってことね。今ZENを調べたら社長の名前だけ空欄になる全一郎さん不憫。Qもタワマン周辺の学校の名簿をしらみつぶしにされたら同じではあるが。
そう考えると、ガード機能は、直接検索させないことより、関連情報を守れるということに重要性がある。直接検索できる(個人情報をある程度知っている)レベルまでいけば、すマホなしでもどうとでもなるし、範囲検索で追い詰めることもできるのだから。
この観点から考えると、修がガード対象になっているのは、Qにとってかなり厳しい。ガード対象を検索したいなら、本人がボロを出したところから範囲検索したいところだが、現状修自身からボロが出る可能性はゼロに近い。生きていてもいなくても。

修の犯人

今回の情報で確度が高まったのは、修の事件の犯人=すマホ持ちという点までだと思うんだけどなあ。修の犯人=タワマンの犯人とQが頑なに考えているのはミスリードっぽい気もする。
全一郎編が終わったあたりで、黒塗りでいいからすマホマスターに出てきて思わせぶりな発言をさせて世界観を広げてほしいところである。

「仲間がいる」

瀬尾水に近づいてきた。第3話で予想した、共闘関係へ着々と。
すマホの存在をバラさずに共闘するのは難しい気もするが、Qが自覚しているとおり、人脈もない上に正攻法でいくしかない以上、有能な味方は必須。
互いの正体を知らない協力関係っていうのも熱いな・・・と思ったが、Qの側からは知っているから一方的か。
「私を信じてください。私の情報は言えませんが、私を信じてください。あなたの個人情報は筒抜けですが、私の情報は言えません。私を信じてください。プライベートなものも含め、あなたのメールを一通り見た結果、あなたは信頼できます。協力しましょう。」瀬尾水涙目である

まとめ

しっかりキャラが立った全一郎さん。個人的には、1話の半分を費やした甲斐があると思う。「満たされない全然」のコマで俄然オリジナリティが出た。組織力も十分で、Qがどう戦うのか今のところビジョンが見えない。敵キャラはこうでなければ。
仕掛けられた罠にどう対応するのか、ガード機能はすぐに使うのか否か、すマホマスターの意図は如何に。毎回謎を小出しにして興味を惹いてくれる。毎週面白い。次回はガード機能を1枚使いながらの全一郎陣営との接触となるか。

前話の感想はこちら
第4話

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