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熊野古道伊勢路を歩くday6#3

荷坂峠が「そう」だったようにツヅラト峠も紀伊長島方面からの登り坂がキツかった。
おそらくは大台町から紀北町までの地形の特徴なのだろう。

大台町や大紀町は山間の中に広がる集落で、多くの清流が流れ込んだ景観の良い街並みだった。
一方、紀北町は太平洋を望む街で、魚町をはじめ海の特産物も多い港町だ。
大紀町から緩やかに登る山道りで、紀北町側は海へ向かって一気に降るようだ。

こんな感じ

だから紀宝町(志子)側から登るのはとても大変なのだ。

両手のストックを駆使して段差がある岩を登り、前日の雨で濡れた石に足を取られないようにさらに登り。
こんな感じでやっとの思いで見晴台まで登ることができた。
薄めのドライシャツを着ていたが、それでもうっすら汗ばむくらいだ。

見晴台から望む眼下には、今日歩いてきた街並みが遠くに広がっている。これほどの達成感は久しぶりかも知れなかった。

遠くに望む太平洋

見晴台で腰を下ろし、この景色を独り占めしながらコーヒーを飲んだ。
遠くに聞こえる鳥の囀りや風で揺らぐ木々の重なる音を聞いていると、このままずっとこの場所に座ってられそうだがそうもいかない。
今回は、梅ヶ谷の駅から列車に乗って帰らなくてはいけない。
確か11時50分過ぎに新宮方面の列車が出るはずだった。
今の時間は10時30分を少し過ぎたところ。
予定通り山を降れば1時間少々で駅まで行ける。乗り遅れる訳にはいけないいので、少し余裕を持って行動したい。

そう考えて早々に荷物をまとめ、見晴台を後にした。

見晴台から少し戻ると、大内山村へ向かう道が伸びている。草木も伸びているので、ここか?と思うが間違いはないようだ。自信を持って進もう。

この先を進む

ここから先は、石畳がなくなり普通の山道となるのだが、登りと比べるとかなり楽だ。
岩に躓く心配もなく、なだらかな斜面を両手のストックを突きながら確実に山を下っていく。

遠くに聞こえた水の流れる音がだんだんと近くに聞こえてきた。大内山川の支流だ。
木で作られた橋を渡り舗装された道へと出てきた。

おそらくはツヅラト峠を下ったのだろう。
ゴールの梅ヶ谷駅までは後少しだ。

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