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シン・エヴァンゲリオン “あのシーン”のアスカの正体に気づいたかもしれない件について

かずさきよもぎと申します。


今回はシン・エヴァンゲリオンの終盤のシーンを見て、あることに気づき考察してみたので、簡単に記事にしました。
謎多いエヴァを読み解く参考に、少しでもなればという思いです。

-この先はシン・エヴァンゲリオンのネタバレが」含まれます-




今回私が考察するシーンは

最終版の駅のホームシーンです。

アディショナルインパクトの末に行きついた現実と虚構が融合したかのような世界。

そこからシンジとマリが駆け出していく、とても希望に満ちたシーンでした。

しかし、このシンジとマリがたどり着いたホームの反対側には、レイ・カヲル・アスカ の3名らしき姿も見えます。

巷ではレイとカヲルは恋人同士のようにしているのに、離れたところでアスカはぼっちでスマホいじっててかわいそう、みたいな書き方が多いですね。

しかし私はずっと疑問でした。

あれ、アスカはアディショナルインパクトの最中にエントリープラグごと排出されてゴルゴダオブジェクトの外、第3村へ…つまり虚構の世界に残ったんじゃなかったっけ!?

考えてみるとアスカの補完のシーンだけ異質です。


ゲンドウもカヲルもレイも、みんな扉やシャッターが閉まる演出があるのに、アスカだけ物理的な射出での退場なのです。

何が違うのか…と思い考察を試みました。

結論を言うと、ホームにいたのは「アスカであってアスカでない」と結論付けています。
一体どういうことかというと…

最後のシーンはゴルゴダオブジェクトの末に到達した別世界(3次元)
アディショナルインパクトで誕生したリセットも巻き戻しもしない世界ではない、と考えています。

一般の人間は補完によりATフィールドを失いますがのちに同じ世界に再生します。
また、封印柱で守られている場所は補完が行き届かなかったのかもしれません。
ペンペンが無事なのでそう考えています。

ですので第3村の人々はこの後、エヴァの無い世界で復活した人たちとともにたくましく生きていくのでしょう。

しかし初号機および第13号機、8号機に搭乗していた人間たちは、補完を経てもマイナス宇宙のため元の世界には帰れず、別の世界に到達したのだと考えています。
(もしかしたらシンジ君が連れて行ったのかな…)

このアディショナルインパクトから終劇まで、
誰がマイナス宇宙に到達していたかについて考えてみます。

インパクト開始直後はこのとおりです。
■初号機:レイ・シンジ(ユイ)
■第13号機:ゲンドウ(第9の使徒)、カヲル、アスカの魂
■8号機:マリ

そしてインパクト終了までに補完や他の事象が進みます

■初号機
レイ→補完→シャッターの外へ
シンジ→ネオンジェネシスで世界を書き変える
ユイ→シンジの身代わりに槍で貫かれて消滅
■第13号機
ゲンドウ→補完→電車の外へ→第13号機に戻りユイと共に消滅
カヲル→補完→シャッターの外へ
アスカ→補完→サルベージされて射出→第3村へ
■8号機
マリ→オーバーラッピングで時空を飛び越えシンジのもとへ

上記から、ラストシーンにいるのは
■宇宙の垣根を飛び越えたシンジとマリ
■補完を経たレイとカヲル
■アスカ
どうでしょうか、第3村に戻ったアスカがいるのは不自然ではないでしょうか…

しかし、この時もう一人のアスカがいたことに気づきました。

そうです。
第13号機の中にいた『式波オリジナル』
彼女は「愛とともに私を受け入れるだけ」「最後のエヴァは神と同じ姿」
と言っていています。おそらく第13号機そのものなのではないかと考えています。

少ない情報から読み解くしかないですが、式波オリジナルの目的とは「神そのものになること」だったのだと考えています。

式波アスカが、人類を守るために自分を捨てて感謝もされない戦いの中に身を置いてきたことを思うと、とても利己的な考え方と感じますが、幼少の経験や周りの環境から「運命を仕組まれた子供」として利用されてしまったのでしょう。
そのためには自分のクローンも利用しました。

余談が入ってしまいましたが、つまり

ホームにいたのは『式波オリジナル』です。

式波アスカは補完の中で寄り添ってくれる大切な人に気づき、子供の容姿・初恋と別れ大人になりました。きっとシンジの望んだ相補性の中で生きていけることでしょう。

では第13号機が消えた後の式波オリジナルの魂は?
ゲンドウと同様に消滅してしまったのでしょうか?

いえ槍でエヴァを貫くシーンではユイとゲンドウ以外にいません。
つまり、式波アスカの補完と同時にオリジナルの魂も補完されていたのでしょう。
アスカ補完の前半は家族を求める幼いアスカにスポットが当てられています。時系列的にはこの後アスカのクローンが作られ、選抜で残ったアスカがシンジと出会ったと考えています。

幼少のアスカに認めてくれる他者の姿をみせることで、オリジナルとクローンが持つ同一の過去に対して救済をします。
その後シンジが個人的に式波アスカの告白へのアンサーをしたのだと見ています。粋ですねシンジ君。

そして式波アスカはサルベージされました。
オリジナルはおそらくレイやカヲルとともに補完を経て、3次元世界に行きついたのでしょう。

孤独にスマートフォンをいじる姿は、利己的な行動を行ったオリジナルへの罰のように見えながら、その先に他者の存在も感じることができます。

式波オリジナルの魂はまだまだ人間としての葛藤を経ながら大人になるのでしょう。
それを象徴するかのように、ホームのアスカはツインテールを結んだ子供っぽい容姿でした。

そんな形で、今回はホームにいたアスカの正体について考察してみました。
同様の説がすでに出ているかもしれませんが、皆様のエヴァ世界を広げるお手伝いになれば幸いです。

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