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#4 アメリカの屋内型農業ロボットを開発するスタートアップIron Ox社が従業員の半数をレイオフ (Podcast スクリプト)

PitchForkは、海外のアグリフードテックに関するニュースについて、5分でゆるく解説するPodcast番組です。

このnoteでは、番組で話したエピソードを書き起こして一部再構成したものをお届けします。(耳派の方は、SpotifyとApple Podcastで配信しておりますので、以下から聴いてみてください〜)


トークスクリプト

おはようございます、11月12日 土曜日、ピッチフォークのタナカカズヒロです。
この番組、ピッチフォークは、海外のアグリフードテックに関するニュースについて、5分でゆるく解説する番組です。

今日のニュースは「アメリカの屋内型農業ロボットを開発するスタートアップIron Ox社が従業員の半数をレイオフ」です。

はい、というわけで、ゆるく解説していきたいと思いますが、いや〜、Twitter社員のレイオフのニュースが有名ですが、アグリフードテック界隈についても、いいことだけではなくて、たまにはネガティブなニュースも取り上げないといけないと思いまして、今日はレイオフのニュースです。

Iron Xという会社は、アメリカで、Brandon Alexanderさんという方が立ち上げたスタートアップです。
Brandonさんは、子供の頃の思い出として、テキサスの暑い農場で、祖父母がじゃがいもやピーナッツなどを作っていた農家の手伝いをさせられていて、本当にきつかったという原体験があったみたいですね。

そして、Brandonさんは、絶対に農家にはなりたくないと思って、ロボット工学の道に進みます。実際に、大手のテックカンパニーでロボット開発に関する仕事に従事していくのですが、大手企業で働くのが、歯車の一つという感じがして、少し退屈になってくるんですよね。

そこで、自分のロボット工学の知見をもとに、もともと人間が作業をするのが効率的でないと思っていた農業分野に何か活かせないかと考えるようになります。
そこで、農業ロボットの開発を始めますが、農業は深く知れば知るほど難しく、単純に一つの作業を行うロボットを導入しても全体的にはあまり効果がでないことを思い知ることになります。

そこから、もう農業全体のシステムを再構築しなければならないと思い、太陽光型の植物工場の事業に着手します。これも植物工場という分類にはなりますが、建物の中でLEDを使って、何段にも重ねるような者ではなく、グリーンハウスで、太陽光を使って、一段で行うもので、これを徹底的にロボティクスとAIでオートメーション化しようと試みます。

そして、ちょうど1年前くらいにシリーズCラウンドで、5000万ドルですから、日本円に換算して70億円くらい調達して、いや〜まあこれも本当に大きい金額ですけれども、農場の立ち上げをおこなって、現在ではカルフォルニア州とテキサス州に、農場を保有し事業を展開している状況です。

このように、すごく順調に進んでいるように見えたのですが、ここにきて約100名いた従業員の半数である50名をレイオフするということのようです。
70億円調達しておりますから、おそらくこれは推測に過ぎませんが、資金が底をついたわけではないと思われますが、全体的に投資環境が冬という感じになってきているので、しっかりランウェイ(資金が尽きるまでの生き延びることができる期間)を伸ばして、じっくり時間をかけてやろう、という意思表示なのだと思います。

実は、同じ時期に、フィフスシーズンという別の農業ロボット企業が事業停止したというニュースもあったりして、アグリテック系のスタートアップも、なかなか資金調達が苦しくなってきているというのことが背景にあるだと思います。昨年のAeroFarmsの上場取りやめのニュースもあったりして、なかなか次の一手が難しい局面になってきているということのようです。

いや〜、ほんとアグリフードテック系のスタートアップで、ランウェイがあとわずかになってしまっている企業も多くあると思いますが、踏ん張りどきなのかな、と思いました。

はい、ちょっと今回は、辛い話題と言いますか、あんまり緩くない解説になってしまったかも知れませんが、このあたりで終わりたいと思います。

今回ご紹介したニュースや引用元は概要欄のリンクにまとめていますので、よかったらみてみてください。

では、また。

引用・参考

【今日のニュースの引用元】

【参考にしたWebサイト】



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