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#11 キウイフルーツのグローバルカンパニーZespriが上場を検討へ

PitchForkは、海外のアグリフードテックに関するニュースについて、5分でゆるく解説するPodcast番組です。

このnoteでは、番組で話したエピソードを書き起こして一部再構成したものをお届けします。(耳派の方は、SpotifyとApple Podcastで配信しておりますので、以下から聴いてみてください〜)

トークスクリプト

1月3日 火曜日、ピッチフォークのタナカカズヒロです。
この番組、ピッチフォークは、海外のアグリフードテックに関するニュースについて、5分でゆるく解説する番組です。

今日のニュースは「キウイフルーツのグローバルカンパニーZespriが上場を検討へ」です。

はい、というわけで、ゆるく解説していきたいと思いますが、
まず最初に、ゼスプリという会社は、ニュージーランドに本社を置くキウイフルーツの流通〜販売を手掛けるグローバルカンパニーです。

ちょっと、このゼスプリという会社がすごく面白い会社なので、ざっくり紹介させていただいてから本題に入ります。

この会社の成り立ちとしては、日本の農協に似ていて、元々はニュージーランドのキウイ農家さんたちが集まって組合っぽい感じで立ち上げた組織なんですよね。なんですが、株式を発行して、株式会社の形で運営している会社になります。

で、その株式の設計が面白いので、3つに分けて紹介したいと思います。
具体的には、1会社の所有権としての株式、2議案に投票をする権利の株式、3配当を受け取る権利としての株式です。

1会社の所有権としての株式
その名残が今でもありまして、ゼスプリという会社の株主には、キウイフルーツの農場を保有するオーナーしかなれない仕組みになっているんですよ。しかも、保有する株式数も厳密にルールが決められていて、「生産量1ユニットにつき6株まで保有できる」仕組みなるので、生産量が減っていくと株を売らないきゃいけないルールになっているんですよ。

2議案に投票をする権利の株式
ゼスプリの重要な株主決議に参加するためには、農場を保有して、ゼスプリに出荷する必要があるという、まさに農業協同組合の考え方が背景にありつつも、運用方法としては株式での発行をしていて、ニュージーランドの非上場の証券取引所で株式の取引を管理しています。面白いですよね。

3配当を受け取る権利としての株式
もちろん、株を保有していたけど、年をとってキウイ農場経営からは引退されるケースもあって、そうすると株は保有しているけど投票権は無くなります。しかも、一定期間ずっと投票権のない株主として居続けると配当の受け取りもできなくなるというめちゃくちゃ面白い設計になっているんですよね。
また、配当もすごくて、ゼスプリは売上高も40億ドル、純利益も3億ドルくらいでていてキウイフルーツだけで、これだけの数字を出せるのはめちゃくちゃすごいと思うのですが、さらにすごいのが、配当性向が90%みたいで、出た利益のほとんどを株主である農場経営者・生産者に還元することを目的とした会社であることがわかるような感じなのです。

なので、今までゼスプリの投票権があって配当ももらえる株主になろうとすると、既存のキウイ農場をM&Aするという感じが一般的なやり方としてあって、結構キウイフルーツが儲かるので、M&Aの株価も高くなったりして、なかなか投資という意味でも面白いことになっているというのが背景にあります。

はい、で、ですね。今回のニュースは、そんなゼスプリが株式を上場することを検討しているということで、これは結構重要なニュースだなと思ったので、取り上げました。

キウイフルーツ販売会社のZespriは、ニュージーランド証券取引所(NZX)への移管を視野に入れているということの様です。現在も、先ほど申し上げた非上場株式の取引所で売買の管理はしているのですが、これをNZXに移管して、協同組合の生産者持ち株比率の強化させていきたい意向ということの様です。詳細はまだ明らかにはなっていないですが、おそらく、生産者の議決権や配当は維持しつつ、外部の投資家からのファイナンスを受け入れようという意図ではないかとされていて、株式のルールは大きくは変わらずに、上場するとはいえいきなり誰でも買える感じにはならないのではないか、と言われています。ちょっとこの辺りは、まだ情報が少なすぎてわからないのですが、今後も要チェックしていきたいと思います。

今回はこのあたりで終わりたいと思います。
今回ご紹介したニュースや引用元は概要欄のリンクにまとめていますので、よかったらみてみてください。
では、また。

引用・参考

【今日のニュースの引用元】

【参考にしたWebサイト】


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