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#1 アメリカの中古農機マーケットプレイスTractor Zoom社が500万ドルの資金調達に成功 (Podcast スクリプト)

PitchForkは、海外のアグリフードテックに関するニュースについて、5分でゆるく解説するPodcast番組です。

このnoteでは、番組で話したエピソードを書き起こして一部再構成したものをお届けします。(耳派の方は、SpotifyとApple Podcastで配信しておりますので、以下から聴いてみてください〜)

トークスクリプト

おはようございます、PitchForkのタナカカズヒロです。

この番組PitchForkは、海外のアグリフードテックに関するニュースについて、5分でゆるく解説する番組です。

今日のニュースは「アメリカのテックスタートアップTractor Zoom社が500万ドルの資金調達に成功」です。

はい、というわけで、ゆるく解説していきたいと思いますが、Tractor Zoomという会社は、2017年に創業した中古の農業機械のオンラインマーケットプレイスを運営している会社です。

Tractor Zoom オンラインマーケットプレイスのスクリーンショット


元々、創業者のカイルマクマホンさんは、アイオワ州というめちゃめちゃ農業が盛んな地域の農家出身で、自分が農家として、中古農機具の適正価格がないことに憤りを覚えました。

そして、農地ファンドに就職をして仕事をしていた時に、中古農機のオークションのシステムが古すぎることと、クローズドなことにびっくりされたみたいです。

そもそも日本にいると、「農地ファンド」という概念が無いので、そこだけ補足しておくと、アメリカだと「農地は利回りを生み出すもの」という共通認識があるので、PEファンドのようなプレイヤーが農地を保有して、ファームマネジメントは別の人に任せてやります、というような経営形態が割とあるんですよね。
日本だと、それが農地法で、農地をファンドが持てないように規制しているので、そういう概念はあまりないのですが。

話を戻しますが、カイルマクマホンさんは、「中古農機の適正価格がわからない」ということに課題を感じたわけです。

そもそも中古農機の適正評価は、実際にやってみるとすごく難しくて、例えば、外観だけピカピカに綺麗にして写真をとって出品されたとして、それを買ったら実は内部が故障していた、なんていうことがザラにあるみたいです。そうすると修理代がまた高額になってしまって、安物買いの銭失いになるということがよくあるみたいですね。

しかも、中古農機は、車両とか建設機械に比べて、ニッチな業界ということもあって、地域単位で見ると出品数が非常に少ないんです。
だからこそ、競争原理が働かないケースが多くて、言い値で値段が決まっちゃっているということが起きていました。
具体的には、同じようなスペックのものでも、こっちでは10万ドルで売ってるけど、こっちでは50万ドルで売ってるというケースが多くあったようです。

そう考えていくと、結局、新品の方が割安っぽく見えるてくるんですけど、それもまた、メーカーが寡占状態になっていて、定価も高いんです。何千万円とか平気でする世界観で、なかなか新品は手が届かない。
インフレの影響もあると思うんですが、ここ1年半で、価格が38%も上昇したというデータも出てきているみたいです。そうなると、農業機械を買うために仕事をしているような感覚にもなってしまいますよね。

そこで、マクマホンさんは、中古農機の適切な価値を評価できるプラットフォームがあれば、もっとコスパ良く農業経営ができる、と思って、この中古農機を取引できるオンライン売買プラットフォームを立ち上げたという流れのようです。
実際にプラットフォームを運営してみると、結構ニーズがあることがわかって、今では600のオークション会社と、1900のディーラーが出店している大きなプラットフォームに成長したということのようです。

そして、すごく良いなと思うのが、農業機械のローンの斡旋も同時に提供しているところです。これだけ高額な設備投資になるので、現金で購入することは難しく、ローンなどのファイナンスがないと取引が成立しないので、そこも同時に進められるのは良いですよね。

ということで、事業の進捗が出てきて、面白いフェーズになってきたので、今回シリーズAで500万ドル調達しました!というニュースでした。

元々不透明だった価格の決定プロセスを透明にするというテックと、インフレや資材高騰で価格にシビアになっている農業法人のニーズが噛み合って、時代にあっているサービスだと思いました。

はい、今回はこのあたりで終わりたいと思います。
今回ご紹介したニュースや引用元は以下のリンクにまとめていますので、よかったらみてみてください。
では、また。

引用・参考

【今日のニュースの引用元】

【参考にしたWebサイト】


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