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Mid South 参戦記 #6 3/16

(すでに帰国して会社の昼休みにこれを書いている)

朝の5時に起きる。昨夜は3時くらいまでお腹をこわしていた。買い置きしていたみそスープうどんなるレンチンボウルをあたためる。生めんを味噌汁で食べるというよくわからないものだったが、自分の胃腸的にはこれがベストだった。あとトマトを食べる。

出発前に最後の準備。補食はいろいろ考えた結果、
以下のとおり。
ピーナッツバターサンドイッチ、2切れ
ジャーキースティック(小)、2本
チョコチップクッキー、3枚
ワッフルクッキー、適量
フルーツペースト、1パック
チーズ入りクラッカー、2パック

7時15分にホテルを出て、7時半過ぎに会場へ。6度ほどの寒さのなか、ふるえながらスタートの列に並ぶ。すでにあらかた並んでいるようで、自分の位置はだいぶ後ろな印象。この寒さで立ちっぱなしはちょっといやなのでやむを得ない。

ガーミンのサイコンでナビをスタートしてしばらく待つ。ちなみに自分のウェア類は下から
XCシューズ(SPD)
レッグウォーマー
レーパン
薄手の長袖ジャージ(中に夏用インナー)
ベスト(秋冬用、ポケットがフルにあるタイプ)
メガネ
安全メガネ(オーバーグラスタイプ)
ヘルメット
である。

8時にスタートの号令がかかるが、自分のまわりが動き出すまでしばらくかかった。片足でちょろちょろ進みながら、やっと本物のスタートラインをまたぐ。7カ国から参加とのアナウンスだったが、7カ国のうちの1つが日本で、日本から来てるのがたぶん自分だけとは、不思議な気分だ。

下見でも走った区間をしばらく進む。他にもライダーは多いのでペースはゆっくり。コース沿いに住んでいる人たちが家族総出?で応援してくれている。やがて下見した区間を離れて、はじめて走るエリアに突入。路面は乾いており、砂利がやや多い。遅いライダーを抜かすのにライン変更するのも気をつかう。

序盤は森の中を抜けていくようなイメージで、アドベンチャー感が強い。登り下りの斜度もきつめだ。なんだかんだみんな大体固まって走る。序盤にリバークロッシングがあるらしいがどこだろうか。

やや砂っぽい区間でいったん自転車をとめ、クラッカーをほおばり、茂みでトイレ小を済ます。再出発。ほどなくしてリバークロッシングのポイントに到達。

みんな並んでいるのは端のほうだと川に突っ込まなくても担いで渡れるからのようだ。何人か乗ったまま渡っている人を見たが、まだ序盤であまり濡れたくなかったので担いで渡った。チキンである。

担いでもそれなりに自転車は泥をくったようで、しばらくタイヤから泥が飛ぶ。景色が徐々に開けてきた。日本の山あいの田舎を彷彿とさせる感じ。

ここから最初のエイドまでが長く感じられ、まだかな、まだかな、というふうに思った。隣にいたライダーにきくと、あと25キロと言っていたが、ちょっと25キロは長くないかと、まじめに考えるのはやめた。時折足をとめて、クラッカーを食べたりスポドリを飲んだりしてハンガーノックを防止する。天気はややくもりっぽいが、青空ものぞいている。少しずつ暖かくなっているようにも感じられた。

11時半ごろやっとこさ最初のエイドに着いた。水を汲んでバナナを食べる。このあとの区間は集中して走りたいから、トイレも並んで済ます。レッグウォーマーをとり、短パンモードへ。次のチェックポイントのPerryには13時過ぎには着きたい。14時を過ぎると足切りの可能性がある。

ボトルの水を飲むとしっかりと砂利の感触がある。とにかく出発。基本走りながらの水分補給で止まらずに進む。景色は森が開け、地平線が見渡せるようになった。とはいえ道は基本ゆるやかに登り下り。登りでは下ハンのエンドを握って上体を落とし、タイムを稼ぐ。

途中巨大な貨物列車が大地を横断している場面に出くわす。一体何両連結しているのか、まったく最後の列車が視界に入ってこない。踏切で10人くらいのライダーと待ちぼうけ。

路上のライダーの数も少しばらけて減ってきたので、登りではペースが合わなかったら抜くようにした。まあ、下りで追いつかれるのだが。

13時過ぎにPerryのエイドに着く。トイレを待っていたら、主催者のひとりであるCrystal Wintleが話しかけてくれた。そういえばDistrict Bicyclesにもいたけど、本人と気が付かなかった。日本から唯一?の参加ということで気にかけてくれてたみたいだ。ありがたい。
レッドブルを呑みながらドリトスを食べる。そういえばランチタイムだなとピーナッツバターサンドも一切れ食べる。ここまできたらリタイアの確率は少ないだろう。なんとしてでも完走しよう。

再びバイクにまたがり出発。エイドの出口でCrystalが見送ってくれた。ちょっとだけ舗装路面を走り、再びダートへ。栄養も摂ったし、精神的負担も軽くなったのでペースアップして快調に進む。下りでもなるべく足を回し、ペースを落とさないようにした。

Carl Blackwell LakeとLake McMurtry付近のコースは穴があいていたり、木の枝が斜面で張り出していたりとちょっとテクニカルだったが、なんとかシングルで踏み切った。

Lake以外でも砂の量がすごくて道のはしっこの50センチ幅くらいの部分しか走れない区間などもあったが、とりあえず気合いで乗り切る。景色が素晴らしすぎてシャッターを切りたい瞬間に何度も出くわすが、結局切らずじまい(アナログカメラはホテルに置いてあるから撮るならスマホだが、スマホもドライバックに入っていて取り出すのがおっくう)。写真を撮るつもりなら少し工夫が必要だ。

時折疲労感がすごく、立ち止まって補食をとる。午後は主にチョコチップクッキーを少しずつ食べ、それもなくなったらバラのワッフルクッキーを食べていた。

Lake McMurtryぞいの舗装路に出る。しばらくするとSalsa(自転車メーカー、ぼくのもここの製品)が協賛しているエイドに着いた。このレースで有名なカウチがあったので、フォトブースで写真を撮ってもらう。ケサディーヤ(quesadilla)という生地の薄いホットサンドを食べる。ほどよい辛味で目も覚める。クーラーボックスからファンタオレンジをもらって呑む。敷地はずれのトイレを借り、再出発。17時は回っていたはず。夕方っぽくはなってくるが、明るさ的にはまだまだ大丈夫。

カウチで記念撮影



まずは湖に程近いエリアでシングルトラックを走る。正直に言って自分はニセコグラベルを除けば、オフロードの経験はゼロ。テクニカル区間は無理矢理な感が否めない。2, 3回自転車がのぼりきらずに止まってしまい、押す。こけなかったのが幸い。このレースの後半に慣れないことするのはきつい。

このあとはおなじみのグラベルが再開するが、かなり体にはこたえはじめていて、ケイデンスが上がらない。登りのスピードも10キロかそれ以下くらいの感触(ナビをつけっぱにしていて速度を見ていない)。路面が砂っぽく、走りづらい。

徐々に道路がなんなとなく舗装路っぽくなってきた。街が近いのかな。走行距離を見ていないので自分の位置がわからない。

意識がかすんできたので、止まれ標識の前で最後の補給をとる。再開すると自分を抜いていったライダーがso closeと言っていた。ゴールが近いということか。確信は持てないが、たぶんそうなんだろう。

やがて舗装路に出る。スティルウォーター地域空港へと続く交差点を横切る。ああ、街だ。知ってるエリアだ。オクラホマ州立大学の敷地を進む。久しぶりに信号でとまるが、ここで事故ったら元も子もない。後ろからきたライダーのチェーンが切れてストップしていた。ケガはなさそうだったので先に行かせてもらった。ゴールまでは徒歩圏内ではある。

住宅街を抜けるとゴールが見えた。人だかりが歓声をあげている。Kazuo Araki, from Tokyo, Japan!とアナウンスまでしてくれてる。精一杯手をふってゴールイン。ゴールではBobby Wintleが待ち受けていて、
このレースのために東京からきたのか
そうだ
名前は?
カズ
カズ、ビールは呑むか
呑む
などと話し、名物のBobby Hugを受ける。最高だ。

ゴールを抜けてビールを開ける。18時半くらい。まだ明るいのでbeat the sunは達成だろう。

完走直後のバイク。赤い缶はビール。



とりあえずいったんホテルに戻り、簡単に自転車を拭いて、自分はシャワーを浴びる。着替えて歩きでゴール地点へ。21時くらい。同じホテルのライダー2人としばし談笑。シカゴから来ているらしい。

レース後パーティーがあるとのことでパブに行ってみるが、特に決まったプログラムはなく、みんな思い思いに呑んでしゃべってる感じだった。自分は夕飯も食べてないし、そういえばコミュ障だった。ギネスを一杯もらって退散する。

結局帰り道にガソリンスタンドのコンビニで値下げになったローストビーフサンドを買ってホテルに帰り、眠気のなかそれを食べて寝た。

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