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シュカブラ

シュカブラ。skavl。
元々の意味は吹きだまりを指すようですが、日本では雪山などでの雪紋・風紋に対してよく使われます。

天候やら体調やら休みの日程やらのタイミングがうまく折り合わず、今シーズンは大好きな雪山歩き初めができずにおりました。しかしようやく大寒の1月20日、奥日光の前白根山というところで遅ればせながらの雪山始め。

早朝は駐車場で地吹雪となる荒れ模様の天気でしたが、山専門の天気予報の好天予報を頼りに登ると、そこには絶景が待っていました。

奥白根山と凍結した五色沼

やはり雪山は良いですね。無垢で荘厳な景色に心を奪われます。

あまりに好天続きですとシュカブラはできないのですが、この日は幸い(?)にして前述の通り夜から朝にかけての荒れ模様。

おかげで風の通る場所の雪面は綺麗にリセットされ、美しいシュカブラを見ることができました。

斜光による陰影がまた詩情を誘います

自然が作り出した造形美。太陽の光が当たると陰影が際立ち、光の粒が輝きを増します。

京都では、花崗岩質の東山から白川に大量に流れ出た白川砂を使って、慈照寺銀閣の銀沙灘が、また、石庭を始めとする枯山水などが美しく造られていますが、あれを最初に作った方は、この自然が作り出したシュカブラの美しさからインスピレーションを得られたのではないか?そんなあり得ない妄想も浮かんできます。

風の気まぐれで生み出される多様な文様は見飽きることがありません。

アイゼンにわかんを装着してシュカブラの美を破壊しながら歩く。。

雪山での登山は、踏み固められた雪を歩く方が楽ではあるものの、無垢な雪面に自らの足跡をつけていく方が楽しい。時間はかかりますけれどね。

久しぶりの登山で身体能力の大幅な劣化もあり牛の歩みではありましたが、そこが新雪だと歩くことそのものが楽しみになります。

奥白根山(日光白根山)をバックに前白根山の山頂標

前夜に予定していた奥白根までは遠く及ばず前白根山で時間切れとなりました。
しかしこの絶景が望めれば心は十分満たされます。

中禅寺湖越しに社山

天候とシュカブラの造形に恵まれた雪山初め。
下山後は湯元の温泉で硫黄の香りにに包まれてゆっくり。
奥日光は東京から近くて良いところです。

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