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場末雀荘から学ぶ、ノスタルジック

「俺、あのアイツとは打ちたくねーんだよな」

場末雀荘という言葉があって、たいへんクセのある人たちの寄り合い所のような麻雀店がある。おもに地方にあることが多い。

お客のほとんどは高齢だけど、なかには「どこで麻雀学んだの?」と驚くぐらい偏屈で、”老獪”な若者もいたりする。

そんな場末雀荘がわたしの地元にあって、そこは『他の麻雀店を出禁になった人』『社会的になにかとマズイ人』が流れ付くところになっている。まず一般的ではない空間だし、一元客なんかはたじろいてしまう雰囲気なのだけれど、個人的にはそういうほうが面白いと思っている。

打牌はうるさいし、一局前のことをぶつぶつ喋るし、ロンすると舌打ちするし、卓内で電話しながらキャバクラ店への指示をする墨だらけの客とかをみると、普通の人は「なんだ此処は」と逃げたくなると思う。

ただ、そういった露骨さが、ある意味「陰湿」とは真逆に感じられるので、私には妙に微笑ましく受け取れるのだ。


とはいえ、クセ者同士だけに、ちゃんと人の相性はあって、冒頭のように「相手がイヤなら打ちたくない」という裏口合わせで人回避はする。だから卓上で喧嘩に発展することはない。

もし喧嘩が勃発したら、最期。
行き着く先が無いだけに、その界隈では二度と相手にされなくなる。

連中もそのことを分かっているから、なんだかんだバランスは取れていて、無法地帯なりの”法”が暗黙に引かれている。矛盾的だけど。


そういえば、以前こんな記事を書いたことがある。

現代では、こういったヤバそうなお店は「ポケモンの色違い」ぐらいレアだろうけれど、勝負ごとに露骨になる人間性を知るといった意味では、場末雀荘を見つけてみる価値はあるとおもう。囲碁や将棋なら、隠れ系の碁会場や将棋センターなんかも。

もしかしたら、顔を真っ赤にして遊んでいた「子供時代のノスタルジック」さを彷彿させてくれるかも知れない。


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