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クレーマーから学ぶ人生

モスバーガーにいたらとある男がスタッフに詰め寄り、急に声を荒げて罵倒し始めた。

まともな怒り方でなく、怒りを出せるポイントを適当に選び、相手を罵倒さえできればいいといったような態度で、男はスタッフを連れて外に出た後、30分ぐらい喋っていた。男の服装は乱れていて、恐らく40代だと思えた。

似たようなことがすこし前にあった。

私の知人が麻雀をしていたところ、ゲームに負けたひとりの男が急に卓を叩き始め、大声を出して暴れそうになったというのだ。ほかの3人は唖然としながらも、各々の配慮でその場の空気を何とか抑えたらしいが、怒り出したその男は3人を無視して帰ってしまったという。

怒り出した男は30代後半で、初対面の相手でもタメ口らしく、職という職には就いていないのだとか。


むかしから言われることだが、こういった人間は『社会との繋がりが著しく欠如』している共通点がある。

その殆どが中年に差し掛かり、服装に表情もだらしない印象があって、社会との間に大きな隔たりがある。感情のコントロールはできず、怒り散らかしている自らのみっともない姿を俯瞰視できない。

こういった人物(DQN)の精神面を調べたことがあったのだが、「正しいことを伝えている」という社会意識からの言動だという。なのにその反面「社会は自分を傷つける」といった二律背反も心にあるのだとか。

実際は社会に助けられているはずなのに、その社会を敵視する理由は何なんだろうか。

思うに、社会に属したいけれど、それに見合った能力を持てない自分への怒りではないだろうか。その根には『社会的孤独感』があって、孤独感を受け止めれられない、若しくは気付けていない精神状態なのだと思う。


とはいえ、社会との繋がりを自ら進んで断っているわけではないらしい。無論、そんなことすれば生きづらくなる。

精神科の医師によると、虐待やネグレクトなどの機能不全家族で育った人物、すなわちAC(アダルトチルドレン)傾向の人は「感情のコントロール」や「心の捉え方」が不得意なので、社会になじむことが困難でより孤立化が進む。そこには発達障害も混在しているかも知れない。

もうすこし深堀すると、過去に親から得られなかった、愛着のような感情を客という特権意識を利用して、従業員を無意識化で”親”に見立ててしまい、不当に当たってしまう。問題なのは、そういった心の歪みは「修正し難い」ということ。

冷静に考えれば、実社会で生活している人が急に怒り出すなんてことは普通はあり得ない。普通ではないからクレーマーという形で社会との繋がりを「不健全」に求めてしまう。

迷惑な話だが、人間のこころの構造上、致し方ないことらしい。


率直に思うのが、社会からかけ離れた人の言動というのはまるで動物のそれだなと思う。

その動物にもルール(群れの仕組み)があることを考えると、人はそれを突き破れるのだから、恐ろしい。

日々の鬱屈が晴れない人は、環境を変えるなり、誰かに相談してみるのが良いと思う。共存関係にある社会は敵ではないし、そう感じているのは本人の問題であって、心の視野が狭い状態だといえる。それだと、そこらじゅうに転がっている安らぎを「発見」できずに苦しいだけだ。

あくまで、個人のつぶさな意見ではあるのだが。


悪質クレームの現状と課題:銅と銅合金 第59巻1号(2020)

参考文献


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