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雀荘の「マナ悪」は本当によくないのか?
雀荘を渡り歩く麻雀ユーチューバーなる人がいる。先日ある一人が投稿した動画では、めずらしくコメント欄が封鎖されていた。
普段はそんなことはないのに、と思いながら動画を見てみると、これが原因だろうという様子が見受けられた。恐らくコメント欄は相当荒れたのだろう。
それはきっと『マナー』に関してだ。
勝負事は人を熱くさせるので、ルール以外の部分でマナーが存在する。節度があればお互い勝っても負けても気分は害さないし、なにしろ喧嘩にならずに済む。
動画の様子は、片手倒牌、あがり即ボタン押しなど、もろもろを拝めるのだが、動画投稿主がネットに上げたということはお店にとってはその動画(お作法)で問題ない、ということなのだろう。
問題ないといっても、それはお店側の見解であって、体の良いお作法で育った人が見たらまず驚く。驚いた人たちは「一般的マナー」に則って指摘してしまうだろうし、そういった声が苛烈さを増した結果、コメント欄は封鎖されたのだとおもう。
只、マナーとは実に多義的な解釈ができるので、各々のマナー性だけで事を捉えるのはいかがなものかなと思う。
そもそもマナーとは根ざす場所によっても変わってくる。
日本ではお茶碗を手に持って食べるのが作法だが、韓国ではその逆とされる。自分たちの見聞きしてきたことと違うからといって、善悪を判断するのはおかしいし、そこに悪意がある訳でもないだろう。
そういったことを雀荘でイメージするなら、地方の雀荘が持つ「独特の空気感」だろう。雀荘というのはそこに住む人々の在り方でお店は作られていく。仮にも片手倒牌が当たり前なら指摘する人はいないし、誰も喧嘩腰にはならない。
しかし、動画では『その雀荘独自の文化』までは伝わらない。
だから荒れるのだ。
もし、そういった店を見聞きしたり入店したとしても、わざわざこちら側から指摘する義理はない。不誠実な店であればそのうち淘汰されるし、画面越しに見ているのであれば猶更だ。
冒頭のユーチューバーは登録者数10万人を超える。それだけ登録者が多いとなにかと話題にはなりそうだ。とかく経験の少ない若い世代は、自分の知らない世界を知ると驚くだろうし、価値観の凝り固まった人たちはブツブツ言うかもしれない。
見る側としては動画に違和感を感じても即物的にならず、ものごとの複雑性を考えてみることが大事ではないか、と思っている。
すると、雀荘それぞれに『異なるマナー』が有ることに気づけるはずだし、たとえ外見から横柄な態度が見受けられたとしても、そこに悪意はないということも察せられるようになってくる。
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