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『欲しいほしいホシイ』~第一章~

小霜和也さんの著作です。『欲しいほしいホシイ』

帯には「広告はおもしろい。が、商品は売れない?それはホンノウに逆らってるから。」とあります。理性に訴えるだけではなかなか人間は動いてくれないと感じた筆者は〈本能〉に訴えかける広告を作ることが大事であると気づきました。この本では人間の本能について、どんな広告がいいのかについて書かれています。

今日から一章ずつまとめと自分の考えた事を書いていきます。早速第一章です。


「第一章 ざっくりいえば認知のこと」

①人間の脳は情報を補完する
②選択的無視
③左脳は論理、右脳は直感
④人間の脳は違和感に引っかかる
⑤素直に書かないと勘違してしまう

5つとも聞いたことはある気がします。でも「わかったふり」をしてしまいがちかなと思うので、自分で落とし込む意味でも、読者の方に理解してもらうためにも、それぞれについて書いていこうと思います。


①人間の脳は情報を補完する

これは脳科学においては「ゲシュタルト群化原理」と呼ばれています。人間の脳が情報と情報をつなぎ合わせる際に足りていない部分がある場合、そこを埋め合わせてくれるんです。例えばこの絵を見てください。

無題


人ですよね?

でも眉毛も、人中も、耳も、輪郭すらもない。これが「情報を補完する」ゲシュタルト群化原理です。

②選択的無視

次に紹介するのが、「選択的無視」です。人は膨大な情報に接触しており、それを選別するフィルターがあります。そこに引っかかった情報は「注視」され、引っかからなかった情報は「無視」されてしまいます。

有名な実験はselective attention testです。白シャツを着た人がバスケットボールでパスを何度つなぐことができるかを数えるという実験になっています。自分で体験すると理解が深まりますよ。

多くの広告は「選択的無視」の対象となっていて、まったく気に留められていないみたいです。(確かに、広告っていたるところにあるけどあんまり覚えていないですよね。)


③左脳は論理、右脳は直感

どの広告もロゴがある場所は右下です。

小霜さんにこう言われて本当かなと思いました。


本当でした。

例えば、今年の正月に話題になった、西武そごうの広告です。

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確かに右側にロゴがありますよね。一つだけだと信用ならないと思うのでもう一つくらい。次はサッポロビールの妻夫木さんの広告です。

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これもまた「右下」ですね(勝手にどや顔)

というのも右脳がイメージをつかさどっているため、左の視界にあるものを美しく感じてしまうみたいです。だから、左側にはドカンとビジュアルを配置し、右側に広告コピーや商品名が配置されているというわけみたいです。


④人間の脳は違和感に引っかかる

次は違和感について。人の脳は違和感が気になってしまいます。いつもと違った感じがするとモヤモヤした感じになりますよね。

これはご先祖様が狩猟採集生活を送ったころに天敵から身を守るため、食料を確保するために身に着けた本能のようですね。

画像4

これ、違和感の塊ですよね。


⑤素直に書かないと勘違いしてしまう

脳は常にフルパワーで使っているとオーバーヒートしてしまうので、基本的には省エネ運転です。そのため、ざっくりとした解釈をすることが多いです。

未だにマスクは品薄状態が続いていますが、

「マスク欠品中です」

「マスク入荷待ちです」

といった貼り紙がドラックストアの店頭にあることが多いですよね。先ほどいったように脳はざっくりとした解釈をします。

そのため、下の言葉だと「マスク 入荷」と勘違いしてしまう方もいらっしゃるようです。実際にそういうこともあったみたいですよ。

だから、広告の表現もなるべくストレートにした方がいいみたいです。余計な勘違いなんてしてほしくないですもんね。



とここまでが第一章「ざっくりいえば、認知のこと」の内容でした。
明日は第二章「えーと、記憶のこと」を紹介します。楽しみにしててください。

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