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ボーカリストと偏見


・そもそもボーカリストって何?

僕らミュージシャン界隈では、
 バンドのボーカル
 シンガーソングライター

などがボーカリストといわれる人種である。まぁ歌手のこと。

このボーカリストという人種は楽器プレイヤーと違い、
明確な【音楽を始める】という時期が曖昧である。

ギターだったら入学祝いに買ってもらっただの様々なスタートラインがあるが、歌うことに関しては誰もが幼少期から歌う事ができ「初めて」がいつからか分からない。
その点は親に聞けば分かるかも知れないがきっと大した問題ではないね笑

・ボーカリストとしての目覚め

思春期以降、歌うことに目覚めた時期があるとするなら
それは友達とカラオケに行って他者より上手い自分に気づいた時だろう。

雷に打たれたとか、神のお告げとか言うてるやつはただのファンタジー。

幼少期は優越感や他者がどうこう等なく本当にピュアな目覚め。
歩けるようになるのが楽しいと同じように歌うことが楽しい状態。
ごく稀にこのようなボーカリストがいる。
大体は下心や上昇志向の塊である。#知らんけど

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・楽器は初めからエリートクラスの人間は100%いない。

これは絶対。
楽器を初めて触れてエリートクラスの演奏をする人間は100%いない。
仮にいたとしてもパーカッション。他は多少【勘がいい】ぐらい。
※また別で書くかと思うけど、
リズムの悪い外国人なんてめちゃめちゃいてる。
自分の経験ではメンタルの弱いリズムの悪いジャマイカ人ボーカルとバンドをしてた事もあった。

話を戻すと何か別の楽器を経験した人が違う楽器を始めた場合などは
音楽力というかスタート地点が違うのでこれにはあてはまらない。
ex)ギタリストがベースを弾くなど。

要はどれだけ触れ合った時間がダイレクトに結果として出るものが楽器である。
言わば鍛錬の賜物である。

しかしボーカリストは違う。

・成長階段

仮に最低限のプロレベルというものがあるなら
それをデパートの「10階」に見立てよう。

楽器プレイヤー達は中高生の頃から半年に1階ずつ上がり、
センスにもよるがざっくり5年ぐらいかけて10階にたどり着く
中高生から初めて20歳で音楽の仕事をやるような感じ。

その間には血便を出したり、
字の如く血の滲むような努力があったかも知れない。#知らんけど

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それなのにボーカリストは中高生の初めから10階にいる人もいる。
多少のアラはあったとしても8〜9階付近をうろついている。
それがボーカリスト。

1階にいるボーカリストはボーカリストではないし
恐らく生涯で10階には多分辿り着かないだろう。

5階ぐらいの人でそれこそ血の滲む努力が必要でしょう。
ボーカリストという人種は生まれ持った天賦の才能が左右する職業だ。
10階を超えてからがボーカリスト
それ以下は歌手志望。

そう、ボーカリストというものは
たいして努力せず楽しく歌ってるだけのラッキーマン(ガール)なのです。

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・ウサギとカメ

そのラッキーマン達も壁にぶち当たる。
我々プレイヤーはカメなので確実に一歩ずつ前に進む事ができるし、
上手くなってる実感もある。
強敵が現れる度に打ちのめされて成長し、難敵に立ち向かう漫画の主人公のような感じ。

ラッキーマンはウサギなので努力せずゴール付近まで楽に行く事ができる。
そのままゴールテープを切れるかは才能以外に運もあるだろうが、
基本的にはスタート地点から動いてないのだ。
ドラゴンボールでいうと我々は悟空、彼らは初期ベジータ。

それでも序盤はラッキーパンチは当たるし、スポットライトも当たる。
ただ積み重ねたものがなく、本当の意味での確固たる自信がないのです。
練習量でいうと楽器が100としたらボーカリストは1ぐらいでしょう。
基礎練などせずに楽曲のメロディ/歌詞を覚える事を練習と思っている。

親から受け継いだ遺産の預貯金を食い潰してるのがボーカリスト。
調子がイイ時はイケイケで翼を授けられたRedBull状態。

それが通じるのはあくまで10階レベル。
本当の現場は10階どころじゃなくもっとはるか上の階。数十階も上だ。
現状の10階が楽しくてステイするウサギになるか、
遥かなる高みまで登るユニコーンになるかは本人次第。

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・ボーカリスト

好き勝手書いてきたものの、ボーカリストというのは繊細な職業。
・メンタルや体調によっても出来不出来が左右される。
・練習も楽器と比べて分かりやすい成長は感じにくい。
・フロントマンたるもの集客にも敏感。
才能がなくても
やればある程度できる楽器と違い、
才能のあるものだけ
がボーカリストの門をくぐり名乗る事ができる。
それだけ稀有な存在なのです。

なので僕らがいつも一緒に演奏しているボーカリストたちは
間違いなくボーカリスト
計り知れないプレッシャーの中、愛を語り、夢を魅せる。
そんな事はただのラッキーマンでは到底無理。

本当にすごいと思うよ、ボーカリスト。



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