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【読書録】次はキョウトのザイバをKILLでゴザル!! - 2019年2月号

どーも、織戸和葉です。

年明けて冬本番のこの季節、いかがお過ごしでしょうか。こちらはちらりと雪が降りましたが、例年に比べればだいぶ暖かい気がします。朝に家を出るときも凍えるほどの寒さはあまり感じません。天気もずっと快晴続きで、なかなかに過ごしやすい冬ではないでしょうか。

あとは財布の中身が温かくて本がたくさん買えれば最高ですが、現実はなかなかに厳しく寒いです。けれども、本を買うことはやめられない! ここ最近は何と言っても、無印ニンジャスレイヤーの新刊、そして武田綾乃さんの新シリーズが見逃せません。


『ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース(1&2)』/ 著・余湖裕輝 & 田畑由秋

余湖&田畑センセイによるニンジャスレイヤーのコミカライズ、通称無印が第2部に突入。ネオサイタマからキョート共和国へと舞台を移し、キョートを影から支配するニンジャ組織「ザイバツ・シャドーギルド」とニンジャスレイヤーの新たな戦いが描かれる!

待望のニンジャスレイヤーの新刊、しかも2巻同時発売。やったぜ!

ニンジャスレイヤーは第2部から爆発的に面白くなると思うので、どんなコミカライズになっていくのかすごく楽しみです。vsブラックドラゴン戦の超至近カラテ応酬が見応え抜群で最高でした。ガンドー=サンの暗黒武道ピストルカラテも素晴らしい。ザンシン! を決めるシーンとかあまりの格好良さに失禁しそうになりますね。


『おとめの流儀。』/ 著・小嶋陽太郎

小学4年からなぎなたを続けるさと子が中学で入部したなぎなた部は、部員がなぎなたを始めて1年の朝子先輩しかおらず、入部早々に廃部の危機に直面していた。どうにかメンバーを集めるも新1年生は素人だらけ。不安を抱えつつ、さと子は朝子先輩と初めての試合を行うが、全く歯が立たずに完敗する。そして、朝子先輩から告げられたなぎなた部の目標は、なぜか「剣道部を倒す」ことだった……。

なぎなたを題材にした中学生の部活もの小説。主人公のさと子はそれなりの経験者だけど、決して強者ではないところがすごく良いです。なぎなただけではなく、いくつかのストーリーラインから彼女の弱いところと強いところが描かれ、それらが次第に絡み合っていく様が実に見事。その集大成とも言える剣道部のキツネとの試合は最高に胸が熱くなりました。


『ケイレブ ハーバードのネイティブ・アメリカン』/ 著・ジェラルディン・ブルックス

アメリカの史実を題材にしたフィクション小説。主人公のベサイアは牧師の娘として入植地に暮らす聡明な女の子。彼女はある日、アメリカ先住民の男の子と出会い仲良くなります。彼の名前はケイレブ・チェーシャトゥーモーク、後の1665年にインディアンとして初めてハーバード大学を卒業する人物でした……。

公民権運動どころか独立宣言よりもはるかな昔の17世紀アメリカ、ひとりのインディアンがハーバードで西洋人と共に学問を学び、大学を卒業していました。実在したその人物、ケイレブの一生を描いた小説。物語は終始ベサイアの視点から描かれ、西洋人とインディアンの信仰や文化の違い、そして性別による役割の違いなど、当時の社会情勢が事細かに描写されていきます。

17世紀という時代に生きたケイレブの姿は実に魅力的で革新的です。その後のアメリカ、そして世界の歴史を鑑みるに、思うところも考えるべきところもたくさんあるかもしれません。実に面白い小説でした。素晴らしい。


『サトミとアオゲラ探偵』/ 著・松尾由美

ある日、ひとりで森にやってきた小学五年生のサトミは人の言葉を話す不思議な鳥、アオゲラとコゲラに出会う。「子どもか、大人でも子どものような心の持ち主。もしくは友達が少ないか、まったくいない人物」にだけ、アオゲラたちの声が聞こえるらしい。論理的思考が得意と言うアオゲラに、サトミは身の回りで起きた分からないことを相談するようになって……。

人の言葉を理解する鳥が探偵役の日常ミステリ小説。小学生と鳥の思考が絶妙なバランスでなかなかに微笑ましい作品です。鳥の視点から人間の行動を推察するアオゲラ先生が実に良い味だしてます。


『君と漕ぐ ながとろ高校カヌー部』/ 著・武田綾乃

高校入学前に家庭の事情で東京から埼玉へ引っ越した舞奈は、川でカヌーに乗っていた恵梨香と出会う。ふたりは同じ高校に入学し、舞奈の誘いで「ながとろ高校カヌー部」に入部した。カヌー経験者で実力もある二年生の希衣と千帆、完全な初心者の舞奈、そしてカヌーで競技することは初めての恵梨香。総勢四人の部活動が始まる……けれど、希衣と千帆は桁違いの実力を持つ恵梨香に困惑して……。

武田綾乃さんの新作シリーズは、カヌーに青春をかける女子高生たちの部活もの小説。カヌー競技をほとんど知らなくても、初心者の舞奈視点から丁寧に解説されているので困ることはありません。人物描写や物語展開も素晴らしく、部活動を題材とする作品としてかなりハイレベルと言っていいと思います。これからどんな展開を迎えていくのか、楽しみで仕方がありません。

君と漕ぐ

これは、超面白いシリーズになると思う。絶対に!

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