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【PASHA STYLE 認定作品展 vol.8 振り返り】

2024年3月8日から3月10日にかけて北千住マルイの11F、シアター1010にて開催された「PASHA STYLE 認定作品展 vol.8」に出展させていただきました。

認定作品展

PASHA STYLEというポートレート(人物写真)のクロスメディアが主催する写真展

2022年10月、渋谷のギャラリールデコで開催されたvol.6へ参加させていただいた時以来、久しぶりの出展になりました。

前回は右も左も分からない中での展示でしたが、その時からほぼ1年半経ち、出展者の知り合いも増え、落ち着いて展示ができる位にはなってきました。


「作品解説」

今回の作品の被写体になってくれたのは、何度も撮らせていただいてる
「すずさん」



作品のテーマは「あいまい」

このテーマを思いついたきっかけはトマトです

すずさんのGR

日本ではトマトは「野菜」として分類されていますが、他の国、例えば台湾では「果物」としても扱われています。

特にミニトマトは、スーパーで野菜ではなく果物の棚に並んでいます。
そのため、甘い品種が好まれているようです。

台湾の夜市、日本では中華街などでトマト飴を見かけたことのある方もいらっしゃるのでは?

トマト自体は変わらないのに見方によってその在りようが変わる、とても
「あいまい」な存在だということが面白く、テーマを思いつくきっかけになりました。


「作品構成」

トマトのあいまいな立ち位置を強調するために、同じ赤色で明らかに果物である「リンゴ」、野菜である「パプリカ」にもご出演いただきました。

(もしパプリカが果物という国があったらすいません)


・メインの時間軸

普段からあいまいなものが大好物のすずさん、果物と野菜の境界に興味を持ち、スーパーで「リンゴ」、「トマト」、「パプリカ」を購入

台湾で買ってきた漁師網バッグ

写真を撮ったり

じっくり観察してみたり

実際に食べてみたり


・サブの時間軸(回想シーン)

「あいまい」というテーマで作品を作ることに決めましたが、その言葉から連想するものがトマト以外にもいくつかありました。

トマトのみにフォーカスするのも面白いですが、メインを補完する要素として他に連想したものを一緒に展示すると、より「あいまい」という概念の広がりを持たせられて面白いと考えました。

しかし、それぞれの事例を表現するには写真1枚だけでは情報が足りません。
一つの額に1枚の写真では額の数が多くなりすぎ、見栄えも良くない。
そこで一つの額の中に2枚の写真を配置したらどうだろう、と思いつきました。

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このように1枚の額の中に2枚の写真を配置すると、それぞれの写真はかなり小さく感じます。
撮った写真を大きくプリントして見て欲しくもありますが、他方、2枚の写真を隙間なく配置すると狭苦しく感じるのもまた事実。
今回は全体として見た時の統一感を優先し、余白を大きめに取りました。

事例1)青信号

色としては緑ですけど、「青信号」
実際の見た目と、慣習的な呼称の間のあいまいさ。


事例2)文字

文字は意思疎通のために生み出されたもの、ですが全く知らない外国語などその意味を推し量ることができなければ、それは単に線の集合体

ぼやぼや


事例3)ビー玉

素材としてはガラス、それで作られた球体

ですが光にあててみたり、球体をとおして向こうの景色を見たり

その在りようは様々に変化し、あいまいさを内包しているように私には見えました。


事例4)区境

これはちょっと変化球(笑)

区境って川をベースに決められている場所が有るのですが、そういう所では橋を境に区が変わるということがあります。

こちらは新宿区(S)
こちらは豊島区(T)

実際に現地に行ってみると漢字とひらがなで書き分けられていたので、上手いこといったと安心しました(笑)


「展示構成」

今回メイン、サブの要素の両方を展示するに当たりその組み合わせをどうするかは悩みどころでしたが、最終的に以下のような構成に

便宜上メイン、サブとしましたが、どちらかだけが突出して目立ってしまうのはできるだけ避けたかったです。

複数の作品を展示するときにはいつも抱えるジレンマですが、展示しないものもある中でプリントにまで至った作品

コンバース

もちろん見る方によりこの写真が特に好きと感想をいただけるのは、とても嬉しいしありがたいです。
反面、展示する側としては捨てカットなどなく、全て見てほしいという気持ちもあります。

デパ地下で買った精鋭たち

異なる時間軸を額の色を変えることで区別はしていますが、必要以上に差別化するつもりもありません。
そういう気持ちがあったため、少しでもフラットな印象、かつ、最低限必要なカットを抜粋して構成しました。


まとめ

同じ趣味を長年続けていくと交流が増え、少しずつ知り合いも増えていきます。
SNSだけの知り合いに初めてお会いし、ゆっくり写真の話をする機会が得られるというのも展示の楽しみの一つです。
そんなこともあり、展示というものに対して必要以上に緊張することも少なくなってきました。

テーマを練りあげるために色々なことを考え、それを被写体さんと共有し、作品を作り上げていくということもこれまで以上にできたのかなと感じています。

そのおかげかは分かりませんが、これまでの展示以上に色々な方から感想をいただき、特に作品の構成について好意的な意見をいただけました。

様々なエンタメに手元から簡単にアクセスできる時代に、展示会場まで足を運び、作品の前に足を止め、感想までいただける。
本当にありがたいことだし、当たり前のことではないとしみじみと思います。


この認定作品展では来場者の投票や、協賛していただいているカメラ関連のメーカー様のアワードもありました。

全く予想もしていませんでしたが、協賛メーカーの内の一社である「銀一」様から賞をいただくことができました。

副賞としてカメラバッグもお送りいただけるとのことで、とても嬉しく、光栄に思います。

改めて、PASHA STYLE様、各協賛メーカー様、出展者の皆様、ご来場いただいた皆様、そして何より、被写体となってくれた「すずさん」本当にありがとうございました。

すずさん、ありがとう!


次回の展示

次回の展示として、2024年6月にカメラ仲間の方たちと原宿にてグループ展を開催する予定です。

今後詳細等を発信させていただきますので、何卒宜しくお願い致します。

Eテレオマージュの未公開カット


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