見出し画像

femto写真展の振り返り

渋谷のギャラリー・コンシールにて2023年11月21日から26日にかけて開催された「femto写真展」へ出展させていただきました。

「femto写真展」

femto写真展とは、femtoポートレートサークルという撮影会にて開催された写真展です。

femtoさんには他と少し変わった特徴があります。

出演されるモデルさんが、「専属」、「所属」のカテゴリーに分かれていることです。

「所属」のモデルさんはフリーランスで、企画やスケジュールによりご自身で出演する企画を決めます。

「専属」のモデルさんはこの撮影会だけ、ほぼ全ての企画に出演します。

更に特徴的なコンセプトは、ポートレート経験が無い、もしくは浅い方を一年間の撮影を通してフリーランスのモデルとして独り立ちできるように育てるということです。

今回の写真展は専属のメンバー達の一年間の活動の集大成、かつ卒業祝いとして、それぞれの名前を冠した個展、それに加え所属のモデルさん達の作品展示を合同で行うものです。

「専属」メンバーは以下の三人


私は今回「専属」の3人の内から「花盛まこと」さん

「所属」からは「猫都りさ」さんの作品を展示させていただきました。


「作品解説①(専属展)」

花盛まことさん
Title:薄明(はくめい)
Location:足立小台

花盛さんは撮影会のモデルだけでなく、本業は俳優さんです。
そのバックグラウンドから物語を考え、それを表現していただきました。

ストーリー
”かつて夢を追いかけ、それに手が届かなかった「マコト」
今は植物のように穏やかな日々を過ごし、かつての情熱は消えかけていた。しかし、自分の心に棘のように刺さる記憶を忘れることはできなかった。
あの頃の制服に再び袖を通し、自分の心を奮い立たせ思い出の場所に立ち返る。手放してしまった、かけがえのないものを追い求め。”

展示作品

荒川の土手での制服撮影という企画から、一度諦めてしまった演技への情熱を取り戻す、というストーリーを考えました。







ここで紹介している写真はごく一部ですが、決まった時間で全てのカットを撮り切ることは、花盛さんの協力無しには成り立ちませんでした。

また今回の展示作品について、被写体さんが背中を向けているカットを選んだことに関し何度か質問をいただきました。
人の写真を撮るという分野において、その人物の顔を映すという事は確かに大事な事であると思います。

あくまで私個人の場合ですが、こういった展示の場のために限らず、作品を撮る場合には伝えたいことを具体的なストーリーとして表現することを意図して撮ることが多く、作品の他に一連の流れをまとめた写真集も添えるようにしています。
そのため、展示作品は観た方をそのストーリーに惹き付ける要素が重要で、必ずしも顔が映っていなくても良いのでは、と考えています。
階段を上っている彼女の後姿は、雄弁にこの物語のイメージを表現してくれている、私はそう思い、今回の展示作品に選びました。
もちろん事前にこの作品でいいですか?と確認はしています(笑)

そしてこの作品のタイトルは「薄明」
薄明は日が昇りきる前に明るくなる時間帯のことです。
再び新たな道へ踏み出す前の心情の移り変わりを表す物語、だからこそこのタイトルがしっくりきました。

「作品解説②(所属展)」

猫都りささん
Title:Refrain
Location:横須賀、さいたま

ストーリー
”「写すこと」を通して分かち合う時間
思い出の断片は縒り合され、人と人をつなぐ縁(えにし)となる。”

展示作品①


展示作品②

これらの作品は2023年3月に横須賀にて撮影したものです。


当初は前半部の横須賀で撮影した写真のみで構成する予定でしたが、この日は天気にあまり恵まれず、想定していたカットを全て撮り切ることはできませんでした。

展示作品③
展示作品④

そこで、翌月の桜の時期に撮影した写真で足りないカットを補完し、結果として時間の経過を表現するとともに、美しい景色で物語を締めくくることができました。


「お礼」

撮影会の参加者として、専属の皆さんの成長を肌で感じつつ、最後には自分達の作品で卒業の花道を飾るという貴重な機会をいただきました。

今回の展示に出展した方以外に、三人を撮った数多くのカメラマンにとってもいい思い出を作ってくれたのではないかと思います。

また専属の三人だけでなく、所属の皆さんと作り上げた作品を飾る場を用意してくれたことにも改めてお礼を申し上げます。

この展示の場を通して、直接お話させていただいた来場者の方々、ノートに感想を書き残していただいた方々、それぞれの感情に触れ、素晴らしい瞬間を分かち合えたことを本当に嬉しく思います。

専属の三人は、以後所属で出演することとなり、これまでのように毎週の参加ではなくなりますが、これからも被写体として更に成長していってくれることと思います。

実は、花盛さんの作品以外にも、応援企画として他のお二人の2Lサイズの写真も飾らせていただいておりました。

染谷桃香さん


守真美奈さん 


また、来年からは「専属」の二期生が新たに加わってくれる予定とのことで、そちらも楽しみです。


「次回の展示」

私の次回の展示は、12/9-23にかけて錦糸町のカフェ、観葉植物販売の「PERK SHOP」さんにて個展を開催させていただきます。

実際にプリントした作品はSNSで見るものとは違った魅力に溢れているので、会場に足を運んでいただければ幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?