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僕は多分この漫画に恋をしている 〜『舞妓さんちのまかないさん』を読んでくれ〜

こんがお〜!

どうも、苗輪和音です!


  今回は、僕が好きで好きでたまらない漫画でありNHKでのアニメ化も決定した作品『舞妓さんちのまかないさん』の話をさせていただこうと思います。

  どういう語彙を使ってこの「好き」を表現したらいいのか分からないくらい大好きなので、文章が支離滅裂かつ激長になってしまう可能性があります。それを念頭に置いた上でお読みください。




『舞妓さんちのまかないさん』ってどんな漫画?

  この『舞妓さんちのまかないさん』をご存知でない方にあらすじと主要キャラを簡単に説明させていただきます。

  『舞妓さんちのまかないさん』は小山愛子さんによる漫画。
週刊少年サンデーで連載中です。

あらすじ

京都のど真ん中にある花街。舞妓さんたちが深夜、お仕事を終えたあと帰って寝て、また翌日の夜までの空き時間を過ごすのは、「屋形」と呼ばれるおうち。
 青森からやってきたキヨは舞妓さんを目指していたが、今は屋形のまかないさん。一方、幼なじみのすみれ(すーちゃん)は舞妓さんに。
まかないさん・キヨが台所から綴る、花街と舞妓さんの日常!“
(下記公式サイトより引用)

主要キャラ

野月キヨ:この漫画の主人公。中学を卒業してすぐに、幼馴染みのすーちゃんと舞妓さんになるべく京都へやってきた。舞妓さんになるための修行をやっていたものの上手くいかなかったが、ひょんなことから屋形で舞妓さんたちのご飯を作ることに。青森のばあちゃんに鍛えられた料理の腕と太陽みたいな性格で、今では屋形に欠かせない存在に。

戸来すみれ(百はな):この漫画のもう一人の主人公。幼馴染みのキヨちゃんと一緒に舞妓さんになるべく青森からやってきた。「100年に一度の舞妓になるかもしれない」と評されるほどの芸の才能と誰よりも己にストイックな努力の才能を持っており、実際に一年目から花街の注目の的となっている。




僕がこの漫画作品に抱いてる想い

  さて、実に簡単な作品説明も終わったところで僕がこの漫画に持っている想いを書かせていただこうと思います。ただのオタクの戯言ですので、ご了承ください。

  まず、キヨちゃんとすーちゃんの関係性ですね。最高です。めっちゃ好き。
「幼い頃からお互いをよく知っていてツーカーの仲で且つ近すぎず遠すぎない距離感」
と書けばありきたりに見えるかもしれませんが、ここが小山愛子先生の漫画力と画力による妙技だと思います。
  この二人がどういった関係性なのかは「目線」と「行動」でよく分かる様になってます。

  そういった二人の関係性がよく分かるエピソードの一つが4巻に収録されている中学時代の文化祭回です。
  この話の内容としては、「中学時代の文化祭でお化け屋敷を出店することになったキヨとすーちゃんのクラスは、気合を入れてとびきりの恐怖を演出するために頑張るもののどうしても時間が足りず文化祭前日になってしまう。しかし諦めていないすーちゃんは放課後になっても頑張るが先生に注意され中断せざるを得なくなりかける。しかしそこに夜食のお稲荷さんを持って駆けつけるキヨちゃんともう一人の幼馴染みである健太。その3人の説得により先生も居残って手伝ってくれることに。その結果、お化け屋敷は大成功。入った人を震え上がらせることに成功する。」

  この話大好きなんですが、この話で1番「良」なのが「すーちゃんが何も言わなくても幼馴染みのやることを察知して一番必要な物をわざわざ作って持ってきてくれるキヨちゃん」だと思うんですよ。いやこの後の健太のカッコつけも最高に好きですし先生もいい先生だと思うんですけど、やっぱ一番はそこだと思うんですよ。あぁ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!好き!!!!!!!!!!!!!

  で、ここで一番重要なのが「キヨちゃんからすーちゃんへの矢印はそこまで見えないけど、すーちゃんからキヨちゃんに向いている矢印がめちゃくちゃデカい」って事なんですね。

  キヨちゃんはすーちゃんの事を「めちゃくちゃ大事で無くしたくない唯一何でも分かり合えるめちゃくちゃ頑張り屋だけど頑張りすぎると自分の事を疎かにしちゃう家族」という風に思ってるんですけど、すーちゃんはキヨちゃんの事を「己が『戸来すみれ』であり『百はな』である為の世界の楔であり家族以上に大切な唯一無二の大切な人」みたいに思ってるんですよね……。

  キヨちゃんはキヨちゃんで自分自身の事にかなり鈍感で常に我が道を往くタイプの人なんですけど、すーちゃんの事になるとめちゃくちゃ敏感になるんです。
それはキヨちゃん自身小さい頃からやってた当たり前すぎる行動なんですけど、他の人から見るとすーちゃんが本当にやってほしい事をやってるんですよ。
しかも、それを当たり前にやってくれてる事をすーちゃんは知ってるんですよね……。ハァ……最高……。

  そんなすーちゃんの気持ちがよく分かるエピソードがあります。
  それは8巻に収録されている「祇園の『春のをどり』の舞台を成功させた百はながご贔屓のおとうさんに『足洗い』(打ち上げの様なもの)に連れていってもらう」というものなのですが、緊張やら何やらで結局百はなは食べそびれてしまうんです。そして空腹のまま屋形に戻ると台所にはキヨちゃんがピザを作る用意をして待ち構えていました。その光景に驚いている百はなにキヨちゃんは「今日は足洗いなので私がおとうさんとしてご飯を振る舞いましょう!」という訳なんですね。キヨちゃんイケメンすぎる……。
  で、僕がこの話で一番好きなシーンがラストページなんですよ。台所のオーブンでピザが焼き上がる様子を屈みながら眺めるキヨちゃんの横顔を見ながら百はなが「キヨちゃんがおってくれたら、あかんうちもがんばれるから…そばにおって。」って思っているシーンがこのラストページにあるんですが、これがめちゃくちゃ大好きでして、すーちゃんが『百はな』としてもキヨちゃんに大切な想いを置いてるという事がよく分かる重要なシーンだと思ってます。

  ただ、そういう素直な気持ちを持っていて仕事もバリバリ出来る完璧超人なすーちゃんも分からないのが、すーちゃんに『百』の字をくれた舞妓としてのお姉さんである百子さん姉さんです。
  作中でも度々登場しその美しさとカッコよさで読者までも虜にする無敵超人の百子さん姉さん。そんな姿にすーちゃんも憧れを抱いて日々を邁進している訳なのですが、この百子さん姉さんというお人、かなり独特なお人なんです。
まず百子さん姉さんは、『舞妓さん』ではなく『芸妓さん』なのです。けどこれは今は関係ないので置いときます。


  この人、この漫画の主要キャラの中で唯一と言っていいほどの焼きもち焼きです。どのくらい焼きもち焼きかというと、「すごく可愛がってる百はなが楽しそうに話すキヨちゃんの事が気になってわざわざ百はなの居ない時間に屋形にやって来てキヨちゃんがご飯を作ってる姿をジーーーーッと見つめる。」という事を平然とやるくらいです。最高か……?

  他にもまだまだあるのですが、それは裏を返せば「そのくらい百はなを、戸来すみれを大切に思っている」という事なんですね。


  そういう部分が出ているシーンが実際にあります。12巻の巻末おまけ漫画です。
この巻には「キヨちゃんとすーちゃんの幼馴染みで一人青森に残っている健太に色々あってすーちゃんがショックを受ける」という話が収録されているのですが、その巻末おまけ漫画というのは「そのショックを受けた時にすーちゃんが一瞬見せた表情に色んな感情が動きまくった百子さん姉さんは膨れっ面になり、プレゼントを持って次から次へと家にやってくる男性たちを玄関先で追い返し『今日は男の顔見とうない。』とふてくされる。」という様な内容です。

  ここ、今までに見たことのない百子さん姉さんの表情が見られるし百子さん姉さんの感情を推し量るだけですごく良いので是非とも11巻まで買って読んでください。ヤバイです。

ここまで一息で書きましたので一旦ゆっくりしましょう。
ゆっくりしてる時間のお供にこちらのサイトをご覧ください。



観ましたか?観ましたね?素晴らしいですよね……なんて良い映像なんや……。


休憩終わりです。


  さて、百子さん姉さんは作中に登場する様々な『姉さん枠』の中でも実質的な師匠枠であり憧れ的存在なのですが、そうではなく同じ屋形に住んでいる身近な『姉さん枠』であるメガネさん姉さんことつる駒さん姉さんの話をさせていただきたいと思います。

  つる駒さん姉さんは、キヨちゃんやすーちゃんたちの住む屋形の先輩株なのですが一番コミカルなキャラなのかなと思います。
  一般的な常識や芸舞妓の事に詳しいんだけど少し大雑把で不器用な面倒見の良いちょいツンデレって感じなので既に最高なのですが、より良いのが舞妓としての実力がしっかりあるって所なんですよね。百子さん姉さんほど圧倒的な実力を持ってはいないものの着実に確実な実力を持ってるから9巻で『おふく』と呼ばれるお姉さん舞妓に許される髪型をする事を許されてるんですね。ハァ〜フゥ〜!!!

僕の説明で通じたのか全然分かんないんですけど、ホンマに良い人なんですよ。


  そしてそのつる駒さん姉さんの話をする上で欠かせないのは、6巻から登場したキヨちゃんとすーちゃんの次の世代の舞妓さん候補として屋形にやって来た理子ちゃんです。
めちゃくちゃ素直で物事の本質をズバズバ言っていく元バスケ部で少し不器用な理子ちゃんは、今まで屋形になかった新しい風を運んできてくれる良い子です。

  そんな素直な理子ちゃんは少し大雑把でツンデレっ気のあるつる駒さん姉さんとよくぶつかり合います。
両者とも別に嫌いあっているわけではなく、むしろ本質が近いからこそ無意識に意識しちゃってぶつかってしまうという感じです。
(まあそんなつる駒さん姉さんと理子ちゃんの喧嘩はキヨちゃんの料理の力と人柄ですぐに収まっちゃうのですが。)

  この2人の共通点として「不器用」という性質があるのですが、そこが更に良さを引き立てる要因になっているんです。


  例えば、8巻に「屋形に来て数ヶ月経つのに京言葉で喋ろうとしない理子ちゃんに姉であるつる駒姉さんは注意しますが、それにムカついた理子ちゃんは少しキツく当ってしまいます。それがショックを受けたつる駒さん姉さんは、台所へ行きキヨちゃんに『昔、京言葉を話せなくて故郷へ帰らされた子が居り、理子にはそうなってほしくない』という事を話します。その会話にこっそり聞き耳を立てていた理子ちゃんが一瞬京言葉を話してつる駒さん姉さんが目を輝かせる」というエピソードがあるのですが、これって片方が器用で柔軟なら起きない喧嘩なんですよ。けど逆に互いが不器用だから笑顔のラストが待ってるわけで。
最高じゃないですか?僕こう言うの大好きなんです。

  少し話が逸れますがこの話の『台所の前に立ち聞き耳を立てている』時の理子ちゃんの表情、メッッッッッッッッチャ良いんですよ……。なんか相手に悲しい想いをさせちゃってバツが悪いけどまだ少し相手へのムカつきが残ってる様な恥ずかしそうな表情をしてるんです……。こんなん無敵やろ……。

  それ以外にもこの漫画、キャラクターの表情が良すぎるシーンがたくさんあってちょっと書ききれないのでご自身で購入して読んで確認していただきたいんですが、あえて一言だけオススメポイントを挙げさせていただくなら作者である小山愛子先生は『キャラクターそれぞれが大切な人や物に想いを馳せている時の顔』を一番綺麗で可愛く美しく書いてるんじゃないかなと思います。
キヨちゃんもすーちゃんも健太も百子さん姉さんもつる駒さん姉さんも理子ちゃんも市のおかあさんも、みーんなそうです。

  これは小山愛子先生の凄さの話なのですが、漫画的な表現と写実的な表現を織り混ぜてその人の持つ隠れた魅力までもを最大限引き出してくるんです。
恥ずかしながら僕はこの漫画以外の小山愛子先生作品に触れてないので断定は出来ないのですが、こと『舞妓さんちのまかないさん』においては登場するキャラクター全てがそういう風に描かれてるので恐らくそういう表現に長けている方なのだと思います。

  ちなみに僕の脳内ランキングコーナーに存在する「女性の表情が綺麗で可愛くてカッコいい上に漫画も上手い漫画家さんランキングTOP3」は、高橋留美子先生・眉月じゅん先生・小山愛子先生です。どういう順番かはご想像にお任せします。

  話が脱線しまくってしまったのでついでにもう一車両脱線させたいのですが、構いませんねッ!

ありがとうございます。脱線させます。

  実は僕は「好きなキャラがいると勝手にイメソンを考える悪癖」を持っています。
そしてもちろんこの作品にもあります。それを勝手に発表します。
・キヨちゃんとすーちゃんの関係性「Forever Friends/竹内まりや」
・すーちゃんから健太への想い「初恋/宇多田ヒカル」
・百子さん姉さんから百はなへの想い「花の名/BUMP OF CHICKEN」
・理子ちゃんからすーちゃんへの想い「春雷/米津玄師」
ってな感じです。マジでイメージなので歌詞と噛み合わない部分多いと思います。

脱線を立て直します。


  そんな全てが魅力的なこの『舞妓さんちのまかないさん』でも、僕が特に好きなエピソード群があります。それは13巻収録の第132話「存在の大きさ」〜第137話「心が帰る場所」です。

  このエピソード群はマジで読んだ後に「あぁ…………………………」と声が出るくらい良いので実際に読んでもらった上で自分の感性にのみ受け止めてほしいので敢えて細かな話の内容は書きませんが、裏表紙や帯に書かれていることだけを書きます。すいません。
  これは「すーちゃんが青森へ一時帰省した時の話」です。もうこれだけしか言いません。どうしても気になる人は13巻だけとりあえず買ってみてください。ホンマに。この漫画のエッセンスぎゅうぎゅう詰めになってるので、この巻だけでも買ってみてください。この巻が合わないなら恐らく作品自体が合ってないので他の巻を買わなくて済みます。頼むから読んでくれ。マジで。ホンマに頼むわ。この通り🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️




  えー、なんとかここまで書きましたが伝えたいことが多すぎて言語の渦をかき回して絞り出したカッスカスの語彙にしかならなくなってきたので終わりにします。

  第65回小学館漫画賞 少年向け漫画部門賞を受賞している本作ですが、個人的には純粋な心を持った漫画好きの少年にこの漫画を読ませるのはどうかと思います。(なぜなら純粋な心の少年が読んでしまうと良すぎてオタクになってしまうから。)

  それくらい力を秘めた素晴らしい漫画『舞妓さんちのまかないさん』、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?
上の方でリンクを貼った公式サイトから電子書籍を購入する事も可能ですので、ぜひ読んでみてください。そして共に良さを語らいましょう。
オタクはいつでも感想待ってるからね!!!


(念のため、ここにも公式サイトへのリンクと4・8・13巻の購入ページを貼っておきます。ここからでも買える!!!)



  それでは、ここまでの乱長文を読んでいただいた皆さま、ありがとうございました!

おつがお〜!



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