どこかのだれかの日々の記 栄熨眞ジュウジロウ 編 その2

エッセー【essay】 の解説
《「エッセイ」とも》
1 自由な形式で意見・感想などを述べた散文。随筆。随想。
2 特定の主題について述べる試論。小論文。論説。

デジタル大辞泉 - エッセー


22:03:11 8/9/2041

日曜日。

日曜日にやる事は年齢を重ねる度に減っていっている気がする。

こういう事を口に出すと「まだ高校生のくせして」と言われそうだが、ここはどうせ自分しか見ないし書かないから良い。

実際に日曜日にやる事が狭まっていっているのは事実だから。

夏休みや冬休みみたいな長期休暇の方がまだ楽だ。

日曜日になると本当に何も浮かばない。

ぼーっとしているしかない。

友達が多い訳でもないが誰もいない訳でもない。友達を誘ったり誘われたりして遊ぶ事もある。

けど毎週遊ぶ訳にもいかない。

皆それぞれに生きている。

その中で互いがちょうど遊びたいと思った時に遊ぶのがちょうど良い。

そうじゃなかったら疲れる。

体力が無いだけかもしれない。

昔サクにも「そんなだったら恋人出来た時大変だぜ?」とか言われた事があった。

今まで恋人がいた事はないが、流石にデートで体力が消えるほど軟弱じゃない。

それにそんな事で体力をつけるのも何か本質を掴めていない気がする。

ただここまで書いたこれも単純に明日学校に行くのが面倒くさいだけなのかもしれない。

親、親戚、有名人、老若男女問わず月曜が来ると憂鬱になるらしい。昔は「サザエさん症候群」と言ったらしい。

そういえば「サザエさん」を知っている最後の世代はちょうどこの辺りかもしれない。

10年くらい前に終わった気がする。今もやっているんだろうか?最終回を観た気がするから多分終わっているだろう。

学校に行くのが面倒くさい。

ただ単純に夏休みの感覚が抜けていないだけな気もする。

そういえば明日はサクに委員会の仕事手伝うように言われていた。

それもあって面倒なのかもしれない。

はやく行かなければいけない。

もう寝る。




23:05:23 9/9/2041

人生で初めて恋人が出来た。

何が何だかよく分からない。

まだ頭がぼんやりする。

これは現実か?

昨日までなんでもなかった幼馴染が今日から恋人になった。

実感がない。

告白に驚いた。

その告白を受けて自分の中に嬉しさが込み上げてきた事にも驚いた。

今まで誰かを好きになる事がどういう事かよく分からなかったが、こういう事なんだと知った。

自分の中に誰かを好きになる心があって嬉しくなった。

それに気づけたきっかけがサクで良かった。

そう思う。

まだ脳内で整理がついていない。

文章がまとまらない。

今日はここで終わる。

嬉しい。

自分が他人にとって大事な人になった事が嬉しい。

不思議な感覚がする。

けど落ち着いている。

視界がチカチカする。

光っている。

眩しい。

今日から月がよく見える気がする。

誰にも見せないから書いておこうと思う。

サク、ありがとう。

これからもよろしく。


※この文章はフィクションです。実在の人物・団体・名称などとは一切関係ありません。

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