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Dual Residence:サくら&りんゴ #28

レモネードスタンド

久しぶりの青空。
しばらく中断していたけれど今日は湖に泳ぎに行けそうだ、
と思ったら、
さ、寒い。
おまけに午後から雨。

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カナダあるある。 日々の気温差が激しい。


しかし湖水は温まったままで、水に入って遊んでいる子供たちがいる。それに付き添っている大人もTシャツ姿。私はと言えば長袖二枚重ねである。

カナダあるある。人々は寒さに強い。

さて今回のカナダあるあるのハイライトは子供たちのお金稼ぎ
いつも行くスーパーSobeysの掲示板にこんな貼り紙があった。

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私は14歳です
ベビーシッターの証明書を持っています
ホームアローンコースとファーストエイドのコースを取りました。
信頼できます。2-10歳の子どもたちを見ることができます


10歳の年齢の子どもまで世話ができると言っても、自分の年齢とあまり変わらないではないか。そしてホームアローンコースとはいったいどういう内容なのだろう。
確かカナダオンタリオでは12歳以下の子供を日中でもひとりで街を歩かせたり、夜家にひとりにしてはいけなかったはずである。アメリカもしかり。だから北米から日本に来た人は、小学1年生が自分より大きいランドセルを背負ってひとりで電車通学しているのを見て驚愕する。
ところがその年齢を過ぎると北米では一気に大人扱いである。夏休みになって、近くの個人商店の店番やスーパーSobeysのカート整理で働いているのはティーンエイジャーの子供たちである。

この間ベイカリーのBrunoに行くとそんなティーンエイジャーの女の子が出てきた。しかし恐ろしく不機嫌である。Strudelと呼ばれるパンの中に入っているのがレーズンかチョコチップなのかを聞いても、知らないと言って終わり。その態度に“具合悪いの?それとも生理中?”と聞きそうになるぐらいである。しかし最近その英単語を使っていないもので、すぐに出てこず嫌味なおばさんにならずにすむ。

機嫌の悪いティーンエイジャーがいるのは世界共通かもしれない。

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ご近所では可愛いレモネードスタンドができていた。私を見つけると買ってくれないかなとラブコールの目が離れない。年齢が下がるとお金儲けも一生懸命で可愛い。

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両親が自宅でリモートワーク。子供たちはサマーキャンプがないし、私がトロントから子供たちを見に来ているのとおばあちゃん。

おばあちゃんの孫の世話は日本と同じ。
日本では見かけない子供たちの飲み物スタンドであるが、自分たちで作ったレモネード売りは、北米の子どもたちはみんな一度は経験しているのではないだろか。子供たちにとって初めての公でのお金稼ぎかもしれない。
ホッケーカードは取っておいてと言ってレモネードを一杯1ドルで(80円ほど)買う。アメリカだったらベースボールカードだろう。カナダでhockeyと言うとice hockeyのことである。私はチーム名をひとつも知らない。

アメリカで生まれ育った夫ももれなく、子供時代レモネード作って売っていた。毎年作ってそれも結構儲けていたらしい。だからたまに私がレモネードを買うとその味にやたらうるさい。自分であまり作ってこなかった私は、甘すぎるかどうかの判断くらいしかできない。

先日は小学生の女の子たち4,5人が寄付してくださいとやってきてびっくりした。多分近所に住む子供たちで、何の寄付ですかと聞いてもきちんとした協会名など返ってこず、どこで摘んで来たのかまだ青い小さいリンゴを持っていて、これでおいしいパイが作れると差し出してくる。遊びのお金集めで、これっていったい教育上どうしたものかと思ってしまう。こんなこと日本での経験値がない。

日本では、子供たちがお金と関わることは何か良くないというような感覚があって、子供たちもそれに素直に従っている。しかしこの子供時代のお金環境の違いが将来どんな方向性の違いを生むのかわからない。

小さいころからお金稼ぎをしてきたからと言って、どう見ても今いるこのあたりの大人たちが、お金稼ぎにどん欲になっているようには見えないからだ。

ここにいると夏でも冬でも湖での遊びが多すぎるせいかもしれない(笑

あるいは自然の生に近すぎるからかもしれない。



日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。