ゆきのあさ
予報通り
まだ浅い夕から小雨は雪となった。
雪は粉ふるいでかける砂糖のように
抹茶色の芝と
チョコレート色の土に降りてゆく
やさいガーデンが冬色に変わるとき
今季初めての雪である
あ!雪だ!
ちょっと興奮気味にそう叫びつつも
5時のお迎えを待つ男の子の横顔は
やや赤みを失っているように見える
辺りが薄暗くなってからの雪は
5歳の子供なりにもその心をちょっぴり不安にさせるのだろうか
お迎えに来たパパはもうカナダグースのダウンコート
ガラスドアを開けると一気に冷気が流れ込んでくる
夜が深くなり始めるころ
雪は本ぶりとなった
翌朝のゴミの収集のためのカートを出すのに
一旦玄関ドアを出たものの寒くて
フーディと手袋を取りに戻る
私もダウンジャケットを玄関脇に置いておかなければ
そしてふと夕方のお迎え時を思い出した
そう言えば最近その男の子はパパに似て来たかもしれない
ついこの間まではロシア系白人のママと同じ白い肌に小さい子特有のピンクのほっぺ。そしてこげ茶色の髪。
薄暗くなりかけた時の、その赤みを失いかけた男の子の横顔は、あるいは東インド地方出身らしいパパの肌の色に似てきたせいかもしれない。
人種が混じっている子供たちは、しばらく見ないうちに髪の色がすっかり変わっていたりする(染めているわけでなく・((笑))
私たちの間に子供ができたら、どんな目の色、髪の色かな?
夫と何度かそんな話をしたものである。
私たちはそんな年齢をとっくに過ぎていたのだけれど。
Next lifetime
来世でね、そう夫は言ったけど
いや、子供が出来て大忙しになったら私たちはもっと大喧嘩をしてすぐに別れていたかもしれない(笑)
夫の手で植えられた種から出てきた野菜の苗たちを夫は
Our children
ボクたちの子供と名付けて
亡くなる数時間前まで世話をしていた
その野菜たちが育って逝って
次の夏には私が植えたOur childrenが育って逝って
そして今年の夏の野菜たちも
ひとり残らず誰かのお腹に入って(野うさぎ館長含む)
土色に戻ったガーデンにはもう粉雪
一夜明けると
そこそこ雪が積もっていた
そろそろ日本に一時帰国するかな
日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。