見出し画像

”最強世代の作り方” 変革の新卒採用#1 採用チーム組成編

背景

私の印象的な仕事に前職での毎年数十名規模の新卒採用があります
当初3年担当者として現状把握とメッセージングを見直し
4年目からは人事部門長として「過去3倍良い採用をする」をテーマに挑戦しました

3倍採用の企画開始から7年が経過
当該世代の入社後5年弱が経過し、ファクトや評判から思い描いた成果が出たと言えるため、担当開始から変革の準備を整える数年間の思い出を採用チーム組成の観点から書いてみます

採用のゴールとKPI

目標設定が単年の採用数なケースは多いですが、採用数は良い採用の指標のひとつですよね
能力や文化がフィットする人が入社して一定期間活躍し、期待通りのLTVを発揮し且つ彼らの人生が豊かになってる。これが良い採用だと思います

何が3倍かというと下記をゴールにしていました
・3年後5年後の到達グレード
・3年後5年後までの離職数や離職理由
私が3倍採用が実現したと思っているのは、その時に定めた到達グレード人数や「3年後離職率を50%→10%にする」などの目標達成状況をみてです

新卒採用は企画から内定までは1.5年、入社までは2.5年、5年後を測定点にするなら7年以上にわたるPJになり、PDCAの時間軸が長くなってしまいます。そのため単年以下のスパンで改善を行うには企画→内定の途中で採用の質をモニタリングするKPIがあったほうがよく、
・ナビ経由説明会(無作為母集団)の内定率を3%→0.5%に
・3段階あった内定時評価の3段階目が0になっているか
・承諾率80%より高くならないし70%を切らない
などをみてました。
唯一の明確なKPIがあれば良いのですが、例えば内定承諾率は重要ですが採用水準を下げれば高くするのは簡単だったり偏りがでるため、戦闘機のメーターのように複数指標がGreenかウォッチしてました

精鋭化:事務局から最終選考担当へ 

着任時の一番大きな問題意識は新卒採用チームが事務局だったことです
説明会の準備はするけどコンテンツ設計も登壇も社長が行う
面接は現場→現場→役員で人事は選考連絡
メッセージにも採用の質にも責任を持てずただ数字を追う

メッセージが正しいか?伝わってるか?
選考参加学生、内定者はどのくらい自社に相応しいか?
解像度がなければ芯をくった企画など当然できません

そのため、まずは役員面接直前に人事面接を入れました
本部長が超良いと言っても人事がダメならNGとする
役員が採用した社員の入社後を可視化し、役員選考結果は全く完璧から遠いことを示す。採用チームを最終ジャッジと入社後に責任を負う存在にする。メッセージングも当然人事で企画し登壇も人事でやる
これを徹底し、その責を負うに相応しくない方は別のアサインとしました

人事ジャッジを各種指標実績で証明することにより、数年後には条件付きですが人事が内定を出すことが可能でした

精鋭化:採用責任者の集まるチーム

メンバー育成では早期に「難しいけど重要でない仕事」を任せることを意識していました
一番顕著なのは職種を切り出してカテゴリ新卒採用の企画でターゲット、メッセージ、コンテンツ、採用フロー、パートナー開拓などの設計と推進を責任者として任せることです
2-3名の採用でも、小さなベンチャー企業であれば全社新卒採用の規模
大手の採用担当はどうしても運用がメインになったり、パートナーを軽んじたりする傾向があります
小さな単位で採用責任者としての経験を早く積んでもらい、採用責任者の集団であるチームを作ることを意識してました

精鋭化したチームを初期選考に投入

多くの企業で1次選考は集団面接やGWです
選考をやってる方はたぶんわかりますが、1対多の面談は1対1よりも難易度が高いです。しかし採用設計上初期選考は現場の若手が担当することが多く、難しい判断を経験のない方が担当し、それによって多くのムダが起きます

精鋭化が一定済んだ後は人事チームで初期選考を巻き取ります
最終面接水準で1次判断ができると全社採用工数が大幅に減ります
連絡調整も減るので人事の工数も減ります
その工数は採用強化のポイント2点に投資し、この投資余地を作ることと投資効率を上げることが最も成果に利くポイントです
・人事工数は1次接点数の質と量の向上
・全社工数は2次以降の内定水準学生へのコミュニケーション量の圧倒的向上

広義の採用チーム

この記事は採用チームに触れてますが、良い採用をするためには欠かせないものが2つあります

まずは人事以外の社内メンバー。3倍採用は担当4年目ですが、学生の内定承諾理由に大きく寄与したのはその前の期間に入社し活躍した若手エース達です。彼らと採用チームの良好な関係が大きな財産でした。I love you

そしてパートナー企業の方々。ナビ経由は無作為母集団の指標として手を加えませんが、パートナー企業からの紹介の質には徹底的にこだわりました。1年目0%だったナビ以外チャネルは4年目には内定者の80%を占めるまでになりました。私がやろうとしていることに共感し、「あの企業の新卒採用はこれからおもしろくなる」と学生に推してくれたり、本来のビジネスモデルを超えて支援してくれた企業や担当者さんにも大きな感謝があります

最後に

私にとって新卒採用の変革は強烈な現状への否定でした
自社が良い採用をしてると信じることは皆の誇りでした
でもビジネスモデルからも各指標からも良い採用でないことは明らかだった

過去の採用も、役員面接結果も、社長のメッセージングも、問題しかないと考えてることが明らかな私の言動は、今の経営陣についていくことが重要だと考えてる人達からは嫌われており反発も多かったです

様々な軋轢を超えて重要と信じてやりきったことが長い時間軸でしっかり実を結び、全社に大きな好影響を与えたことはHR人生の中で素晴らしい経験でその後の糧になるものでした

軋轢も含め、当時関わってくれた全ての人達に感謝!

ーーーーーー
以上です。第二部とtwitterのリンクを貼っておくのでもしご興味があればこちらもご覧ください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?