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Fujifilm X100V 到着! レビュー & ファーストインプレッション

とうとう手元にX100Vが届きました!ひさしぶりにカメラを購入したのでテンションMAXです。

ってことで、X100Vをレビューしていきます。ハードウェアはユニット毎に記載し、最後に画像についてアレコレ書いてみます。

富士フイルムのカメラは初めての購入&ファーストインプレッションなので、そんな感じで受け取って下さい。


自分で用意したオプション類

・NiSi UHD UVフィルター ブラック

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残念ながらレンズは防塵防滴ではないので、フィルターを買いました。中古を見ていると『レンズ内わずかなホコリ』の記載が目立ちましたので、入りやすいのではないかと判断しています。

なぜ、NiSiのフィルターにしたかと言うと、本フィルタを装着すると防塵防滴としての機能を発揮すると価格.comの掲示板に記載があったからです。
純正より見た目もクールですしね。

メーカー(NiSi)からの回答で防塵防滴になるとのことですが、サードパーティ製によるものなので、実際はホコリが混入したとしても富士フイルムの保証外になるものと思われます。このあたりは自己責任ですね。

・VKOカメラネックストラップ

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X100Vでは必須だと思います。グリップは控えめになっていますので、ドレスアップ&事故防止のために似合うものを選びました。

100cmのものを選びましたが、ぼくは肩からたすき掛けをするので120cmのものでも良かったかも。ちなみに丸紐のストラップは初めて購入しましたが、結んで手首に絡める持ち方もできるので便利ですね。


筐体の外観&質感

素晴らしいですね。

軽量化のためにエンジニアリング・プラスチックを使う選択肢もあったでしょう。ですが、金属を用いて全面に押し出すことで、X100シリーズならではのスタイルを確立すると共に、質感を高めることに成功していると思います。使っていると若干右手側が熱くなりますので、放熱にも効果を発揮しているのだと思います。

レンジファインダースタイルであること、グリップが浅いことも相まって、自然と両手で持ちたくなります。そのとき、ツヤと共に高い質感を感じることが出来ます。カメラって、こうやって構えてたよな〜と思い出させてくれました。

反面、滑りやすいのは注意が必要です。シボ加工した革っぽい部分は、もう少しグリップ力を高めてほしかったですね。手汗で簡単に滑ります。ゴムを使わなかったのは加水分解とかケミカルアタックを嫌ってのことなのでしょうか。


重量

ストラップ等をつけると、おおよそ500gになります。ストラップを手首に絡めながら、片手で持ってブラブラ歩くには少しだけ重量を感じます。

このサイズから見ると若干重たいように思いますが、これは質感とのトレードになりますので、本機はこれでいいのだと思います。凝縮感を感じられますので、X100シリーズとしてのスタイルはこう、という意味なのだと思います。


ボタン&ダイヤル(コントロールリング)

筐体の右側からいきましょう。
ストロングポイント、ウィークポイントを書いていきます。

・HDMI, USB-C, マイク端子
カメラ左側に設置してほしかったですね。充電しながら撮影しようと思うとUSBケーブルがめっちゃ邪魔になります。

・バッテリー&メモリーカード挿入部
メモリーカードの端子面をどちらにして差し込むか、ガイドがプリントされていると良いと思います。その余白が無いくらい、中身を詰め込んで作られているのですけどね・・・。

・露出ダイヤル
露出ダイヤルが独立してあるのは本当にいいですね。
写真を撮れば撮るほど、露出の大切さを思い知らされます。
フィルムではISOが固定されてしまいますけれど、デジタルでは可変ですから最大限利用したいポイントです。ので、シャッタースピード、絞り、ISO感度いずれかを固定して露出を作りたい場面で、露出を単独でコントロールできるのは撮影速度を上げるために重要な操作性だと思います。

露出ダイヤルは十分に固くなっているので誤作動の心配が少ない一方で、撮影しながら露出ダイヤルを回したい場合には2本の指でしっかりと力をかけて回す必要があります。

・電源スイッチ
やや指をかけずらいです。ただこれは、ファインダー切り替えレバーに指を伸ばすことを想定して作られているものと考えられます。なので、意図してこのようになっているのではないでしょうか。あと慣れていないせいか、カメラ前面ダイヤルを回そうとして間違えて電源を切ってしまうことが何度かありました。

・レリーズボタン
最初はとても戸惑いました。3段階に分かれているような感触です。はじめの遊びが大きく、AFが壊れているのかと思いました。慣れてくれば然程気になりません。

・フォーカスリング
シャリシャリ音がすること、時折ひっかかりを感じること。この感触はかなりいただけません。是非改善をお願いしたいポイントです。

・シャッター
メカニカルシャッターと電子シャッターが自動で切り替わるのはいいですね。屋外でポートレートするときに、SSが1/4000秒では足りないことが多々ありますので非常に便利です。

ちなみにスピーカーから再生するシャッター音は最低です(笑) 無音にすると、レンズシャッターの『クルッ』という可愛らしい音が聞こえてお勧めです。


背面液晶&ファインダー

・背面液晶
とてつもなく良いです。

発色、色再現、チルトでありながら非常に薄く仕上がっていること。ここ最近で触れたことがあるデジカメの中では最高レベルです。タッチパネルになっているので、撮影画像の確認をする際にもピンチアウトやダブルタップが活用できて便利です。繰り返しますが、この液晶パネルは本当に良いものです。

・ファインダー
OVFは覗いて楽しいものです。一方、パララックスが不可避であることと、AFフレームが全て使えるわけではないため、OVFであること自体にこだわりがなければEVFを使った方が満足度は高くなると思います。

EVFは高精細かつ大きいため、大変見やすいものになっています。自然とファインダーを覗きたくなるでしょう。ただし、背面液晶より僅かに曇ったように見えることと、僅かにコントラストが低いことに注意です。これはファインダーの見え方を設定から変更することで、より見やすいものになる可能性があります。


レンズ

X100Vは極めてコンパクトなレンズに仕上がっています。この薄さが欲しいが故に購入に踏み切ったと言っても過言ではありません。ちなみに本ページのトップ画像はNiSiのフィルタを装着し、更にレンズキャップを被せています。フィルタなしではもっと薄くなります。

刷新され、良くなったと噂の解像力についてですが、正直に言うと評価が難しいです。クラシッククロームで撮影するとパキッと写ることがあるし、プロビアだとちょっとぼんやりしているし・・・?
富士フイルムのカメラが初めてなので、絵作りの傾向を知らないからかもしれませんが、基本とする絵はかなり柔らかいものとして作られているのではないでしょうか。ボケの美しさが好評なので、解像力にレンズの能力全てを注ぐのではなく、立体感や空気感の表現など、トータルでの性能を考えて作られているのではないでしょうか。
なので、レンズとしては、ポテンシャルを十分に秘めていると考えられます。ぼくの扱いがうまくないのだと思いますので、もう少しそれを引き出せるよう、今後煮詰めていきたいと思います。

稚拙ながらサンプルを置きますね。

ひとつめ。ISO160で絞りはF11です。遠景でどの程度結像するか確認したくて撮影しました。中央の向こう側の橋に、人が立っていることが分かります。このくらい写ってくれれば十分に良いと判断しています。

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ふたつめ。最短撮影距離付近で、開放F2.0で撮影したサンプルです。白い蕾部分にマニュアルでピントを合わせてみました。その右側にある赤い蕾部分のほうがハッキリと写っていますので、白い部分は若干ホワッと感が出ますね。ただ、クローズアップで撮影する分には、あえてこのくらいのホワッと感があった方が雰囲気として良くなるのではないでしょうか。

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樽型や糸巻き型の収差はありません。良好です(サンプルはちょっと斜めに傾いてます・・・笑)。

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AF速度&精度

これは今一歩ですね。物足りません。

AF速度は実用範囲内ですが、あとほんの少し早くなれば満足度は大幅に上がると思います。

精度については、ぼくはAF-Cを使っており、迷いが多いなぁと感じています。
たとえば瞳AFで子供のトラッキングをしているとき、妻がフレームに入るとそちらに移ってしまったり。トラッキングしながら構図を作っているとレンズがウニョウニョ言いながら前後にピント合わせをしたり。その幅が大きくて画像に集中できなかったり。

瞳AFを用いてポートレートするのであれば、人物がほぼ正面を向いている必要があるでしょう。また、AFの食いつきを確実なものにしたいのであれば、3分割グリッドの中心部分を使い、なおかつ十分な環境光量を確保する必要があるでしょう。グリッドの周辺部分についてはAFの迷い、見失いが多いように感じています。

Youtubeでいくつかの動画を見て、これなら実用レベルかな?と判断したものの甘かったですね。同じX-Processor 4であるX-T3等のAF検証動画を見ると、X100Vより一歩上なのでレンズが足を引っ張ってるんですかね。


画像全般 色再現、ダイナミックレンジ、感度とノイズなど

画像は最高に良いです!

富士フイルムのフィルムシミュレーションでは、よくクラシッククロームとクラシックネガについての賞賛を見ますが、ぼくはプロビアの完成度の高さに驚いています。

レンズの解像度をレビューするためにサンプルを2つ掲載しました。どちらもプロビアで暗部をマイナス1、フォーカスエリア非連動とし露出をマイナス1にして撮影しました。

明暗のダイナミックレンジも良いですが、舌を巻いたのは色の再現性とグラデーションです。この日は雲ひとつない晴れで、空の色が素晴らしくキレイでした。その空の色の濃さを際立たせるために露出をマイナスにしましたが、それ以上に青のグラデーションの美しさが際立つこととなりました。空の色を濃くしようとすると、絵が全体的に青くなってしまったり、赤みがかってしまったりするものと思っていましたが、露出のコントロールだけで爽やかな濃紺の移ろいが表現できています。また、建物の赤味がキチンと再現されており、暖色と寒色の両立がきちっと出来ています。

サンプルは掲載できませんが、プロビアで撮ったポートレートの肌色も大変素晴らしいものです。マゼンタ、オレンジ、イエロー、ピンクの混ざり方が最高です。こんなに美しい肌色はなかなか見れないと思います。多分に語弊があることを承知で言えば、シネマライクではなく写真然とした肌色を、極めて美しく再現しているのではないでしょうか。

ISOは3200までなら常用範囲と感じますが、6400からはディテールの消失が顕著です。十分な光量がある室内よりも、夕暮れ時の屋外のほうが厳しいかも。特にぼくは家族写真を撮りますので、シャッタースピードはある程度の速さを保たなければいけません。場面によってはフラッシュもやむ無しと考えなければいけなそうです。


おわりに

noteでこんなに多くの文字を書いたのは初めてです。そのくらい、語って楽しいカメラだと感じました。機能面ではまだまだ伸びしろがある部分も抱えていますが、カメラを持つことの喜び・写真を撮ることの楽しさを教えてくれるカメラだと思います。レンジファインダースタイルで、薄型35mm F2.0のレンズ。現代に復活したコンパクトカメラの完成形のひとつではないでしょうか。

ちなみに嫁さんにX100Vの格好良さを自慢したら、前のカメラと区別がつかないとのこと…真っ黒なカメラなら買い放題!(そんなわけはない)

では。

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