見出し画像

ポメラ日記74日目 マクドでポメラ

 今日で新しい場所に引っ越してきて二週間が経つ。引っ越しのトラブル続きだったけれど、ようやく落ち着いてきて暮らせるようになった。

 近所にはコメダ珈琲やマクド(関西人なので頑なにマックと言わない人)があって、ポメラで文章を打つにはちょうどいいところが沢山あった。

 新居で揃えた寝具やちょっとした調理家具など、使い心地がいいものがいくつかあったので、「もの書き暮らし」のブログでも取り上げる予定。

 日中のライティングが終わると、大抵、外に出掛けて文章を打ってみたりする。

 実家で暮らしていたときは「近所の人に知られるといやだな」という気持ちが何となくあったのだけれど、引っ越した先では、知り合いは誰もいないので、気兼ねなく文章が打てる。引っ越しの効用かもしれない。

 人間関係は、いまのところ会社とグループホームの世話人の方くらいで、わりと自由に放牧(?)してもらっている感じだ。

 街の雰囲気は下町の感じが残っていて、よそ者の僕でも紛れ込みやすい気がする。いまも大阪のおばちゃんの会話が飛び交うマクドナルドの一角に座ってポメラ日記を書いている。

 騒がしいところは元々あまり好きではないけれど、視界に人が入らない位置の席に座ると却って会話などの雑音もBGMみたいに聞こえるものだなと思う。

 サリンジャーは「若者たち」という作品で、当時の若者の軽薄な雰囲気を作品のなかで浮き彫りにしているけれど、それはサリンジャーの耳がよかったから、という説がある。

 おそらく街中のカフェなどで他の人の会話をしっかりと聴いていたのだろう。晩年のサリンジャーは塀のなかで隠遁したと言われているが、実際には行きつけの喫茶店に通っていたり、地元の高校生と交流していたようだから、街中で若者の声を拾うのは得意だったのではないか。

 「若者たち」の短編は、柴田元幸さんが翻訳したMONKEYの雑誌(Vol.19)がおすすめ。サリンジャー生誕百周年の記念号で、特集が組まれているので、海外文学のファンは手に取ってみると発見があるかもしれない。

 雑誌で好きな小説が読めるっていいよね、アメリカ文学の黄金時代は高級雑誌に短編小説が載った。カポーティの『無頭の鷹』の初出は、1946年11月号のハーパーズ・バザーに載っていて、ハーパーズ・バザーは、世界で最も歴史のある女性ファッション誌(1867年創刊)だ。

 多くの人が手に取る洒落た雑誌に短編が載るような時代は、作品の届け方として恵まれていたのかもしれない。いまは文学ファンしか小説を読まないような時代だから。

 *

 ポメラ日記73日目の「コメダ珈琲」の一番くじのノートの話が意外と好評で、noteの公式マガジン「デスク周り 記事まとめ」にも追加していただいた。

 小説の方もちょこちょこ進めていて、夜な夜なワンルームのアパートのデスクで書き進めている。
 
 前回の作品は、「ハードカバーノートに鉛筆」というスタイルで書いていたけれど、これからは街中の移動が増えるので、「持ち歩けるA6ノートにボールペン」を使うスタイルになった。

 もともと、はじめて作品を書いたときは百均のノートとボールペンを使って、ボールペンでぐりぐり書いていたので、懐かしいスタイルに戻ったなと思う。

 万年筆や鉛筆は自宅でじっくり執筆するにはちょうどいいのだけど、持ち歩くとなるとインクの補充や削り機を持ち歩く必要がある。

 外で書くにはボールペンの方が都合がよかった。ときどき、ガタついたり、凸凹のあるテーブルで筆記することもあるので。見た目もボールペンにノートなら、誰からも突っ込まれなくていい。

 ペンは二十の頃に買ったパーカーのもの(ソネット)を使っている。昔は純正のリフィルだとときどき掠れることがあったのだけど、最近はゲルインクのものが販売されていたりする。

 またパーカー製のボールペンのいいところは、ボールペン規格の標準(G2リフィル)であることで、他社製のボールペンのリフィルも難なく使用できたりする。

 僕が使っているのは、外見はパーカーのソネットだけれど、中身は文具屋で有名な伊藤屋のROMEO(ロメオ)という国産リフィルだ。

 ROMEOはインクの掠れが少ない、滑りのよいボールペンなので、筆記にひっかかりが少なくノンストレスで書ける。
 
 唯一、玉に瑕があるとすれば、滑りが良すぎるために文字が丸くなりやすいこと。

 もし他におすすめのボールペンリフィルを知っている方がいれば、よかったら教えてください。

 そろそろ使っているインクが切れかけていて、違うものを使ってみようかと迷っている。

 わざわざ外で文章を書いているのは、アパートの隣人が物音に敏感で、僕の部屋まで小言を言いにくるからで、日中はマクドナルドやコメダのカフェに避難しながら、ものを書いている。

 四畳半のアパートで肩身の狭い暮らしだけれど、外でならのびのびと書ける。マクドやコメダのひとり用座席をを避難所がわりにしている。

 ついこの間まで、家で暮らしていたときはそんなことなんて思いもしなかったのだけれど。

 今日はこれで。

 2024/06/09 15:58

 kazuma

文学ブログ「もの書き暮らし」ではタイプライター型のBluetoothキーボード『QWERKYWRITER S』についてレビューしています。

使ってみると面白いキーボードなので、タイプライターキーボードをお探しの方は、ぜひ。

もの書きのkazumaです。書いた文章を読んでくださり、ありがとうございます。記事を読んで「よかった」「役に立った」「応援したい」と感じたら、珈琲一杯分でいいので、サポートいただけると嬉しいです。執筆を続けるモチベーションになります。いつか作品や記事の形でお返しいたします。