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ポメラ日記76日目 続・マクドナルドでポメラ

 最近、家のなかにいるのもしんどくなってきたので、街中にポメラを持って行って文章を書くようになった。

 引っ越し先では、けっこうマクドナルドの店舗に行って書いていて、自室にいるときよりもブログ作業などが捗った。

 やっぱり強制的に書かざるを得ない環境に身を置くと、文章の量そのものは増える気がする。

 最近のマクドナルドの店舗では、カフェ風の造りになっているところもあり、アイスのカフェラテも安い割に普通に美味しい。

 喫茶チェーン店で、カフェラテを頼むと大体500円くらいはするので、その半分ぐらいで済むので経済的にもおトクだ。

普通に旨いマクドナルドのアイスカフェラテ。執筆の疲れにガムシロが効く。

 いつも注文するのはアイスカフェラテのMサイズ(280円)だけで、マクドナルドをカフェ代わりに使っている。

 マクドナルドの店舗にはやっぱり当たりハズレがあって、「書きやすい店」と「そうではない店」があったりする。

 僕が引っ越し前まで通っていたところはちょうど幹線道路沿いにあるお店で、通り沿いにカウンターの席があり、飲食をしながら外の景色を眺めることができた。

 マクドナルドでも色々な種類があって、都市型の駅前店は、わりと二人席やファミリー席が多く、ひとり用の座席が少なかったりする。

 そういうところは結構、店内そのものが騒々しいことが多く、集中して文章を打つのは難しい。

 逆にPC作業をしているサラリーマンが窓際にちらほらいるようなところは、文章を打つにもちょうどよく、充電用のコンセントなども備え付けられていることが多い。

 だいたい都心部や駅から少し離れたマクドナルドの店舗が落ち着いた雰囲気だったりする。

 さすがにポメラで打っている人を見たことはないが、何となく作業している人がいると同好の士のような気がして(向こうは仕事かもしれないが)、同じ空間にいて落ち着く。

 座席として一番いいのは、「窓際のひとり席」で、次にいいのが「壁向きのカウンター席」、もしくは「壁を背にした席」で、この三つだとわりと腰を据えて文章を打つことができる。

 あとマクドナルドは、喫茶店とかと違って、わりと座席に長居してもそこまで文句を言われない。あまり気を遣わずに店内にいることができるのがメリットかもしれない。

 時間帯によっても混雑の具合が変わったりするので、一番いいベストな時間帯は難しいが、朝と夕方は狙い目だと思う。

 僕のライティングの仕事は夕方までには終わるので、作業が終わってから出掛けていくことが多く、16~17時くらいは学生や近所のおばちゃんが通っていたりする。

 18時以降になるとさすがにサラリーマンが増えてきて、騒々しさは減るけれど、店内はやや暗い雰囲気になる。

 今日は金曜日の週終わりで、ポメラを持って出かけてみると、店内のお客さんもみな気だるい雰囲気で何となく大人の放課後感があった。

 マクドナルドは僕みたいな素性が知れないやつでも紛れ込みやすいし、喫茶店みたいにかっちりしていないので、自然体で文章が打ちやすい。

 休日の朝は、店舗によっては空席があって、朝マックはわりと好きだ。甘いバンズのマックグリドルは高校生の頃から頼んでいた。

 うちのばあちゃんはなぜかマクドのハッシュドポテトが好きで、それをよく食べていたことを思い出す。ばあちゃんにハッシュドポテトがなぜ好きだったかは聞けなかった。

 いまはもういないから、その理由はずっと分からないままだ。たぶん、そういうことの方が多いんだと思う。理由がよく分からないまま終わることの方が。

 *

 ポメラ日記をずっと書いている。今日で76日目になる。ときどき自分がいなくなるときのことを考える。いなくなっちまった方が楽だって昔は思っていた。いや、いまもそう思うときはある。ときどきじゃなくて、しょっちゅうある。そういうことは忘れちゃった方がいいのかもしれない。分からない。思い出すためじゃなく、忘れるために書いている。

 雨の横断歩道を渡る。手持ちの紙袋は濡れて紐が千切れそうになっている。握り直してもスーパーの買い物袋と擦れ合って、紙がしなびていく。紙袋の中身は二百円のスポンジ。目の前には夫婦がいて、子どもは両方の手でお父さんとお母さんの手を繋いでいる。絵に描いたような家族。夜行バスが通りを横切っていく。家に帰ってひとりで冷蔵庫を開けるときのことを考える。あのつめたい夜の明かり。マンションの廊下で灯るオレンジのライト。まぶしかった。雨合羽を着た幼い子どもが後ろを振り返る。子どもというやつはどうして気紛れに後ろを振り向くのだろう。大人は前しか見ていないから、昔のことを忘れていくんだ。そうしないと横断歩道を渡れなくなっちゃうからさ。ほら、青だから行きなよ。ところで僕にはずっとあの信号が赤に見えるんだけれどね。ほんとうはただ立ち止まっていたいだけなんだけどさ。

 夜に書くとときどき小説の方のスイッチが入って嘘の話が書きたくなる。今日はこれで。

 2024/06/30

 kazuma

余談:僕が運営する文学ブログ「もの書き暮らし」の最新話では、眠れないもの書きさん用に「羊のいらない枕」をレビューしました。よかったら寄って行ってね。


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