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クラウドワークスを退職します。お世話になったすべての方への感謝と、7年半の総括と。

この記事は、2020-03-31に他ブログで書かれた記事の転載です

こんにちは、クラウドワークス/チーフデザイナーの上田です。 この度、約7年半お世話になったクラウドワークスを2020年5月末をもって退職することになりました!

2013年に10番目のメンバーとして新卒入社後、熱狂と狂気のスピードで2014年12月の東証マザーズ上場を達成した創業フェーズの経験、試行錯誤でチャレンジしたユーザー中心のプロダクト・組織文化づくりの経験など、一生の思い出に残る体験をさせていただきました。

振り返ると感慨深く、お世話になったすべての人に対する感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました!

7年半の振り返りと新たな挑戦について綴ったので、1デザイナーのキャリアの追体験をお楽しみください。けっこう長くなってしまいましたが、小学校を過ごすより長い時間のことなので、あらかじめご了承ください。

7年半の振り返り

もがき苦しんだ新卒時代(2013〜2014)

2013年頃のクラウドワークスはネットで仕事を受注できる新しさでテレビや新聞などメディアで頻繁に取り上げられており、外から見ると華々しいスタートアップに映っていたのかもしれませんが、社内はひたすら泥臭く、みんな昼夜問わず平気で働いているような環境でした。

そんな中で、1人目のデザイナーとして採用していだいた自分は、WebマーケのバナーやLP、イベント出展に必要なクリエイティブなど、あらゆるものを制作してはスケジュールの遅延で怒られ、クオリティで怒られ、必死に目の前のことをこなす日々を送ってました。

当時はデザインについて右も左も分かっていない状態で、とにかく未熟でした。経営陣はとにかく仕事のできなさに呆れ、絶望していたに違いないと思います。実際、上場前の約1年間は営業部門に異動になり、クライアントワークで売り上げ目標を追っていました。

ただ、下っ端の立場ではありつつ、理念を軸に組織をまとめる代表の吉田さんのマネジメントを近くで学べたことや、経営マインドというキーワードで常に高い目線を要求してくださったことは、明らかに自分自身のマインドセットのベースになっていると強く実感します。

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創業期の雑居ビル時代の写真

はじめてのデザイナー上司との出会い(2015〜2016)
上場後、ようやくプロフェッショナルなデザイナーが上司としてジョインすることになり、そのタイミングで自分も同時にプロダクト部門に再配属されました。

この時代に、いわゆるデザイナーとしての基礎を叩き込んでいただいたと思います。デザインツールのショートカットを覚えて作業効率が爆上がりしたり、1pxの違和感にパッと見で気づけるようになったり、デザインの意図を言語化できるようになったり、デザインの本質的な目的は何なのか視野を広げて考えられるようになったり…。

アプリの大型エンハンスや新規アプリの立ち上げのプロジェクトを通してUI/UXデザインの基礎も同時に身につけることができ、デザインのプレイヤーとしてのベースを学んだ大切な時期でした。

会社としては組織の拡大や事業を多角化するフェーズに入ってました。

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社内向け年間スローガンのポスター制作

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クラウドワーカー向けアプリのUI/UXデザイン

デザインで成果を出してデザイン組織をグロース(2017〜2018)

その後、現在デザイン担当の執行役員を務める新さん(@copyrashi)を中心に、デザイン系のメンバー3名ほどで、プロダクトデザイン系の部門を立ち上げることになりました。プレイヤーとして基礎が身についてきたタイミングだったので、絶好のタイミングだったと思います。

デザインのことが段々と分かってくるようになり、世間と社内のデザインにまつわる理想と現実も認識しはじめ、「クラウドワークスのデザインをこのままで終わらせるのはダメだ」というプライドも芽生えました。

社内の取り組みの発信や、白髪にしてイベント登壇するなど、対外的に組織ブランディングしはじめたのはこの時期です。

何度も言っているのですが、デザインを重視する雰囲気のない会社(重視すべきかどうか分からない状態の会社)において重要なことは、この3ステップのサイクルをいかに回すか、ではないかと思います。

・デザインで成果を出す
・外部に発信して賞賛を得る
・社内に情報がフィードバックされ、デザインの見方が変わる

とにかく現場で分かりやすい成果を出すこと、そしてそれを伝達して評判を得ること、さらに社内に情報を共有してデザイン組織のプレゼンスを高めること。このことにこだわって試行錯誤していました。

余談ですが、当時は1on1で深津さんや坪田さんのようにデザインでビジネスに貢献できるデザイナーになりたい、ロールモデルにしたいと言っていたので(今でもそうなりたいと思ってます)、深津さん審査員のUI BATTLEで優勝できた時は、純粋に嬉しかったのを覚えています。

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デザイン責任者として事業と向き合った1年間

そして直近の約1年間は、チーフデザイナーとしてデザイン責任者を任せていただきました。

チーフデザイナーとしては主に、

・事業/プロダクト戦略にデザイン観点でコミット
・プロダクト戦略に基づくデザイン戦略の策定と推進
・サービスブランディングやテレビCMのアートディレクション

などのプロジェクトを通して、デザイナーとして事業と向き合ってきました。

正直に言って、難しかった部分、まだまだやりきれていない部分、中途半端になってしまっている部分はあります。現場でトップの判断がクリアに見えない中で感じていたモヤモヤの正体、短期と中長期をバランスする難しさ、ビジネス・テクノロジー・クリエイティブのそれぞれが抱える優先度の付け方など抽象度の高い壁にぶつかり、正解や答えのないことと向き合うことは心理的なストレスも大きく感じました。

ただ、デザイナーとして戦略レイヤーに向き合ってみて、戦略を設計すること、技術を磨くことの得意不得意やジレンマについて解像度高く捉えられるようになるなど、デザイナーとしてのキャリアを考える上で非常に貴重な経験をさせていただきました。

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プラットフォーム事業の責任者でワーケーション合宿の写真

新たな挑戦の舞台

そんな中で、クラウドワークスから離れることを決断しました。

理由としては「0→1のスタートアップ企業の立ち上げにチャレンジし、20代のうちに自分自身の手で社会に浸透するプロダクトを生み出す」という目標ができたからです。

実は、1年ちょっと前に、こんな記事を書きまして、一部の人から「続けるって言ってたじゃん!」ってフィードバックもいただいたのですが、より一層スタートアップにチャレンジしたい想いが高まってきたというのが本音です。

思い返すと、スタートアップに興味を持ったのは、高校時代に友人が紹介してくれた「渋谷ではたらく社長の告白」というサイバーエージェント藤田社長の本がきっかけでした。人々の役に立ち、ワクワクさせるような新しいものを社会に浸透させるスケールに惹かれ、クラウドワークスにも同じ想いで入社しましたが、クラウドワークスというプロダクトはやはり創業期の幹部の皆さんの手によって普及させたプロダクトなので、今度は自分自身の力でやってみたいと思っています。

クラウドワークスの退職を決めた段階で会社やプロダクトは未定だったのですが、去年末にとあるスタートアップの創業者と出会い、二人三脚でプロダクトを開発している真っ最中です。もちろん、やるからにはクラウドワークスを超えるような会社・プロダクトをつくらないと意味がないと思っていて、日本から世界で勝てるプロダクトだと本気で考えてつくってますので、本リリースのタイミングで発表できることを楽しみにしています。応援していただけると嬉しいです!

さいごに

次のデザイン責任者は、クラウドワークスのUXリサーチ文化・プロセスの浸透や、複数の新規サービスをPM兼UXデザイナーとして担ってきた八尾さん(takuto0516)にバトンを託しました。新しいチームで、デザインでより高次元の成果を出せるチームに進化していってほしいと応援していますし、できることは協力したいと思ってます。

新型コロナウイルスの影響で、しばらくは健康・安全第一ですが、クラウドワークスと一緒に勉強会・イベントやりたい!クラウドワークスのイベント会場を貸して欲しい!といった連絡も定期的にいただいていたので、今後もお気軽にご連絡いただけると嬉しいです。メンバーとすぐ繋ぎます!笑

今後もクラウドワークスを、どうぞよろしくお願いします。

上田

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