見出し画像

説明会から得られるものは、たくさんあるのだというはなし

2020年も5月に入り、ぽつぽつサマーインターンのお知らせなどが目につくようになってきました。
僕が働くグッドパッチ・ReDesigner for Studentでも、サマーインターンを開催予定の企業を招いて、夏頃までにかけて複数回オンライン合説を実施予定です。

22年度以降卒業予定の1〜3年、M1の学生の皆さんは、企業説明会をこれから初めて受ける人もいると思います。
というわけで今回はそもそも、合説というのは何のためにあるのかという話です。「合説、結構おもろそうやん〜!」と思ってもらうことが目標です。

最初に結論だけ述べてしまうと、

“就活”のためだけに説明会に参加するのはもったいない

です。
「自分がここで働きたいと思うかどうか」という目線だけで企業の話を聞くと、説明会は退屈なものになってしまうと思います。
もっと言うと、ゆくゆく就活に(変に)慣れてきたとき、説明会を受けるかどうかすら「自分が働きたいと思えるかどうか」で決めてしまうようになって、説明会を受けたいと思う企業がないというモードになってしまうこともあるでしょう。

「会社説明」=「その企業が何故社会に存在しているのか」というストーリー

話は変わるようですが、ビジネス本にはいわゆる「企業読み物」というジャンルがあります。「企業そのものを主人公として、その会社の成長の歴史やビジョンをまとめた本」とでも言えばいいでしょうか。どんなに小さな書店に行っても、必ず「企業読み物」をまとめた一角があるはずです。


Appleの「Think Simple」、nikeの「SHOE DOG」、任天堂の「岩田さんのこと」などなど。長い歴史を持つ企業の本になると、創業者やスタープレーヤーの偉人伝的な建付になることもありますが、それも「その人がその企業をどのように方向付けたか」という話になっていることが多いと思います。
ちなみに僕が働くGoodpatchでは、新卒採用者にピクサーの創業・組織再生のストーリーをまとめた「ピクサー流 創造するちから」という本が贈られます。

スクリーンショット 2020-05-18 23.48.55

話を戻して、会社説明というのは、読めばそれなりに時間のかかる「企業読み物」を、

・ほとんどの場合就労経験がないであろう学生に向けてアレンジして、
・現場で働く人の目線で説明するとともに、
・将来目指していきたい方向を示しながら、
・「一緒に働きたい人物像」を伝える

という、かなりリッチな体験であるとも言えるかなと思います。

説明を聞いてみて、最後までその企業で自分が働くイメージが持てなかったとしても、「その会社がこれまでにどんな風に成功・成長してきたのか」「事業を通して、どんな価値を人々に届けたいのか」といったことを知ることは、とても大きな意味のあることだと思います。

結論:わくわくする心持ちでいよう

シンプルに、その会社が目指していることにわくわくしたり面白がったりする目線が、まずはあると良いのかなと思います。それが自然と「ここで働いてみたい!」という気持ちに変わっていくのがベストなはずです。

結局たくさんの会社に対してわくわくできる人というのは、やはり多くを糧にするということにもなると思います。会社のいいところや、たくさんの人から共感してもらえる理念を自分の中に吸収していける人は、やはりどんどん強くなっていく。
そして更に、色んな会社を受けてみようというマインドを持てるようになると思います。

たくさんの企業の個性を知ろう

複数の企業が登壇するいわゆる「合同企業説明会」は、「それぞれの企業が大事にしていること」や「現場での働き方」「サービスを作るプロセス」などを比較しながら聞くことが出来るイベントでもあります。
「フィロソフィー」や「理念」「ビジョン・ミッション」、そしてそれに基づく仕事の進め方や組織体制と言ったものは、正解がありません
そういう中で、「自分が気になっている企業」=「既に共感度が高い企業」だけの話を聞いて、その共感度を更に強くしても、それって結構すぐ折れてしまう価値観だと思います。やはり、いろいろな考え方を知った上で、自分が大事にしたいと思うことは何なのか、ということを見定めることが重要なはずです。

“現場のデザイナーから話を聞くことができる”ということ

僕が運営に携わっているReDesigner for Studentは、デザイナー志望者向けの就活支援サービスなので、最後にデザインについても簡単に触れておきます。

デザイナーが説明会に参加する機会は、だんだん増えてきていると思います。
これまで表層的なデザインだけを手がけていていると思われていたデザイナーたちが、プロダクト開発の上流から関わっていたり、ビジネスの根幹を創っているケースが増えているからでしょう。

・社内のデザイン組織はどんな形になっているか
・プロダクトやサービス開発のプロセス、そこにデザイナーはどう関わるのか
・デザイナー以外(エンジニアや営業)の役割の人々との関わり方
・デザイナー同士のナレッジシェアの仕組み

などなど、「どんなものを作っているのか」ということだけではなく、その会社において、デザイナーおよびデザインがどういう立ち位置にあるのかということを説明する企業が多くなっているように思います。
これはもちろん、企業側が学生のみなさんに「社内のことを知ってもらう」ために話していることではありますが、そこからは「どんな風に異なった領域の人々と連携すれば、優れたプロダクトが生み出せるのか」であったり、「自分のクリエイティブの幅を広げるために、会社がどんな文化を作っているのか」ということを吸収することができるはずです。

他にも、スライド資料の作り方や、発表の際の話し方など、クリエイティブを目指す皆さんが説明会から持ち帰ることの出来る財産というのは、本当にたくさんあります。

吸収、しに来てください

というわけで、とにかく頭をスポンジのようにして、たくさんのことを持ち帰って欲しいと思います。
繰り返しになりますが、「自分の受けたい企業だけを理解する」のではなく、企業の歴史とその伝え方から、自分のクリエイティビティを広げるヒントやインスピレーションを持ち帰ってほしいな、と思っています。

ReDesigner for Studentでも合説を複数回実施します

と、合説を企画する側としては、そんなことを考えながら準備を進めています。

皆さんが行きたいと思える企業と出会える場所であると同時に、クリエイティブの幅を広げるきっかけになればと思います。ぜひ奮ってご参加を!

企業のみなさまへ

また、もし企業の方でこちらをご覧になっている方がいらっしゃれば、ぜひご連絡をくださいませ。随時登壇希望企業を募っております。
リアルイベントとしての合説が軒並み中止され、就活のフィールドがオンライン化することで、積極的に発信している企業にのみ学生が集中する傾向がありそうです。
多くの学生が多くの企業に出会い、自分の納得した進路を選ぶための機会をつくることが、今年は特に社会全体で必要だと考えております。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?