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【iPadを用いた授業作りのヒント⑥】自律した学習者を育てるために私達ができること

前回のブログで、子供たちにこれからの社会を生き抜く力を身につけてもらうため、どのような活動を学校で体験すべきなのか、海外の事例をもとに考えていきました。

現代の子ども達や学校を取り巻く環境は目まぐるしいスピードで変化し、日を追うごとに複雑かつ多様化し続けています。

中高生の多感な時期に自分自身をしっかりと見つめながら「自分はこれが得意!」「逆にこれは苦手だな。」と自分の行動を客観的に判断できること。また様々な誘惑に負けず、自らを律しながら安定した学校生活を送ることがアフターコロナのスクールライフにおいてとても重要です。

学習に関しても、先生や保護者から言われて勉強するのではなく「いま自分に必要な学びは何?」といったことを考えながらできる自律的な学習習慣を少しずつ身につけていく必要があると感じます。

では、子どもたちが自律した学習者に成長してもらうために、私たち大人はどんなアプローチを目の前の子ども達に対して行っていけば良いのでしょうか。
私の友人であり師匠でもある山本崇雄先生(横浜創英中・新渡戸文化学園中)は著書「なぜ『教えない授業』が学力を伸ばすのか」(日経BP社)でこんなことを述べています。

人間には、ゼロからスタートしなければならないときが来る。教師がいなくても学び続ける子どもたちを育てなければならない

自律的な成長にとって大切な部分は「自分にとって大切なものは何か考え、選択や表現ができる場をきちんと与えてあげること」に尽きると思います。

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例えば、英語の授業においては辞書の指導をじっくりと丁寧に行うだけで、生徒たちが授業中自ら何かを選択するという場面が増えていきます。

前述の山本先生から教わった「毎日5分、辞書に載っている言葉のなかで自分が知っているものについて付箋を貼ろう」という取り組みを少しアレンジを加えて3年間続けてみました。
この取り組みを通してたくさんの興味深いことがわかりましたが、「生徒たちが辞書好きになった」ことが一番大きいことだと感じます。

休み時間に辞書を引いている子ども達も見受けられ、辞書や教科書、ICT機器は自分の学びをより楽しく、深いものにしてくれるツールなんだと気が付くことが重要です。

なかには1分間スピーチの英語原稿を書く際、iPadではなく一生懸命辞書を使って原稿を書く生徒も出てきます。
こうしたスピーチの場面はiPadよりも辞書を使った方が早いので辞書を使って調べている。ときちんと選択した上で辞書を使っていることも彼らの話しを聞いているとわかります。

まとめ

ICT機器も辞書も、本来子ども達の学びを深いものへと橋渡しをしてくれるものです。様々な情報やツールを用いながら子ども達自身が学びの選択ができる環境こそ、自律的に子ども達が成長していく最も大切な鍵となる部分ではないでしょうか。

次回から、いよいよiPadを使った実際の授業指導案(英語)についてまとめていきたいと思います!

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