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【iPadを用いた授業作りのヒント⑤】自立した学習者を育てる(海外での事例から考える)

前回のブログで、こうした生徒主体の活動を取り入れた授業の評価についてまとめていきました。

クリエイティブな活動を通して生徒たちが教科書の枠を超えた内容を発表したり。iPadを使えば、教科書に少しのエッセンスを加えるだけで授業がどんどん楽しくなっていきます。
では、子供たちにこれからの社会を生き抜く力を身につけてもらうため、どのような活動を学校で体験するのが今後重要になってくるのでしょうか。

海外での事例から考える(ニュージーランド・小学校)

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ニュージーランドの小学校を見学した時の話です。
ニュージーランドをはじめとするオセアニア地区は、ICT教育も先進的に進められていて、日本とは教育の体系が少し異なってきます。
写真は授業中の教室の様子です。クラスの中は習熟度で切られているグループがそれぞれ活動しており、この日は翌日控えている数学の大会にむけて、それぞれの課題に取り組んでいました。

生徒たちは思い思いのスタイルや場所で学習を進めます。

裸足の生徒もいますがニュージーランドはどこでも裸足で歩く習慣があるため、教室だろうが校庭だろうが裸足で駆け回ります。

教師の役割は「教える」のではなく、グループに合ったゴールを設定し、ゴールに向かえるよう「フォローアップ」をすることがメインです。

このような授業スタイルを日本人の視点でみると、一見「軽い学級崩壊」を起こしているように感じますがむしろ彼らは全く遊ぶわけではなく真剣に課題に向き合っていました。ここにポイントがあると思います。

自分の目標やゴールを可視化する

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クラスには、生徒たちが自分たちの目標達成に向けて取り組みやすい雰囲気作りに工夫が見られました。
例えば、左側の写真はチームメイト(クラスメイト)を励ましたり、プラスにもっていくための表現が掲示されていたり。右側の写真にある木はどの教科やプロジェクトでも使う「ゴールの木」で、教師と各グループが立てたゴールを共有するために作られていました。

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ニュージーランドのこちらの学校の小学3年生の学年目標が「アイデンティティを確立する」ことだそうです。
一人1冊「My Growth Mindset」(成長のために必要な意識)という冊子を作り、それぞれの学習で学んだことについて自分たちでまとめていました。
驚いたのは、ポートフォリオのように、成長の過程を自分で記録することも小学生の早い段階で行っています。幼少期から子供たちに自主、自立を促す教育に意識して取り組んでいることがわかります。
右側の写真は、自分の好きなものについて「自分の頭の中で考えていること」を表現しています。

こういった活動を幼少期のうちから積み重ねることで、自分が好きなこと、得意なことを少しずつ整理して、自分が社会のどんな分野で活躍できるのか考えを深めることにつながっていきます。

まとめ

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日本はみんな同じカリキュラムを同じ進度でこなすことが「平等」ですが、オセアニアでは今日本で話題になっている「主体的・対話的で深い学び」といった学習はとっくの昔からやっていて、それぞれのレベルでそれぞれのゴールを達成できることが、この地において「平等」である。ということに大きな意味があると思います。

これから様々な国籍、人種の人たちと一緒に仕事や生活をともにする場面が増えてくる現代の子供たちにとって、こうした各国それぞれ大きく違う「教育の土台」について知り、そのギャップを埋めて、かつ日本人としての良さをどんな場面でも発揮できるような大人に成長してもらうことが私たち教員に課されている大きな課題であると痛感しています。

次回のブログでは、こうした海外での事例を踏まえ、子供たちが自立した学習者になってもらうため、私たち教員はどんなアプローチをしていけば良いか考えました。ぜひこちらもご一読ください!



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国際交流や英語の授業などを通して、多様な価値観の中で活躍できる創造的な人材育成に取り組む。学校内での取り組みはNHK「学びが変わる!教育最前線2019」でも紹介されており、多くの学校から注目を集めている。 Apple Distinguished Educator