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自由奔放な風景- 再び五島列島、奈留島へ

俺の人生は大荒れだ。
そんな俺がまた五島列島、奈留島に戻ってきたわけだ。何があって戻ってきたかって?まあ、なんもねえし、理由なんて特にない。ただ、気が向いたんだ。俺って奴は自由奔放なんだ。どうせ一人だし、やりたいことをやるんだよ。

そうそう、奈留島に着いた途端、昔の面々に会ったんだ。奈留島の港で釣りをしていたら、偶然にも昔ここで知り合った仲間がいたんだよ。お互いにビール片手に、久しぶりの再会を喜んださ。おいおい、お前まだ車に住んでたのかよ!って言われちまったけどな。まあ、あんたらも変わってねえじゃねえか。

その後はそいつらと飲み歩いた。おっさんたちの口からは、昔話と酒臭い笑い声が絶えなかったさ。俺も久しぶりの島の焼酎に舌鼓を打ちながら、笑いの渦に飲み込まれていった。

そんな酒の勢いで、ちょっとしたエピソードが生まれたんだ。酔っぱらってたから、正直どういう流れでそんな話になったのか、よく覚えてねえ。ただ、笑い声と酒の匂いだけは鮮明に覚えているさ。

なんだっけなあ…ああ、そうだ。奈留島の海岸で波打つ岩場に、おっさんたちと座り込んでたんだ。すると、偶然にもそこに若いカップルが現れたんだよ。まさかこんな所でデートしてる奴らがいるなんて、おっさんたちも驚いていたさ。

で、おっさんたちはその観光客カップルに声をかけて、いろいろなことを聞き出そうとしたんだ。どっから来たのか?とかさ。俺も酔っぱらってたし、興味があったから、おっさんたちに混じって質問攻めに参加しちまった。そのうちカップルの男がちょっと緊張しながら訊いてきたんだ。「奈留島って、何か特別な場所ありますか?」って質問に対してさ、おっさんたちがほくそ笑みながら「特別な場所かどうかは分からねえが、この島にはいくつかの伝説があるんだよ」と答えたさ。

おっさんたちが伝説の話を始めたから、俺も耳を傾けてた。するとそこには、島の神秘的な力や海の怪物、そして島の妖怪、ガッパに纏わる衝撃エピソードの数々が詰まってた。おっさんたちが語り出すと、カップルの目はきらきらと輝いていた。そんな中、俺もひとりで笑いながら「おいおい、お前ら、ロマンチックな話ばっかりしてんじゃねえよ! まだ若いんだから、エロい話しろよ!」って突っ込んじまった。

すると、おっさんたちが大笑いして、そのカップルも顔を赤らめながら笑ってくれた。その笑い声が、岩場に響いていったんだ。俺も心地よい笑いの中に浸っていた。

そして、その笑いが絶えた後、おっさんたちが改めてカップルに声をかけたんだ。「奈留島は、いい思い出作れそうだな。お前たちもぜひこの島で愛を深めてくれよ!」って。カップルは恥ずかしそうに笑って、おっさんたちにお礼を言って去っていった。

あの日の夕暮れ、岩場で笑い合ったあの瞬間は、俺にとっても特別な思い出になったんだ。奈留島は、ただの島じゃなくて、人々が心を通わせる場所だって気づかせてくれた。

俺はその後も奈留島に残って、仕事と酒に明け暮れる日々を送っている。たまには仲間たちと集まって、酒盛りをすることもあるさ。そんな時には、つぎつぎに面白いエピソードも飛び出して、笑い声が絶えない。

奈留島は変わらねえな。俺も変わらねえ。でも、ここにいる限り、俺は自由だ。自由に酒を飲み、自由に笑い、自由に思い出を作るんだ。


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