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蹴球症候群

他分野を通してサッカーを解明し、サッカーを通して他分野を解明する
サッカー、またはサッカー以外の分野から日々何を学んでいて、何に気付いて、何に疑問をもち、どんな風に…
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2021年3月の記事一覧

【実践】「領域を跨ぐ」「分野を交差させる」には、何をするべきか?

サッカー界で仕事をしていくことを決めてから、とにかくずっと「領域を跨ぐ」とか「分野を交差させる」とか、そういうことばかり考えていました。サッカーの人たちとサッカーの話をしてもあんまり楽しくないな、という感覚があったし、他の分野の本を読むとおもしろいなという感覚もあったし、自分が自分であるためにはサッカーのことだけを考えていても全然無理だな、という感覚もあって、そういう感覚が積み重なって「領域を跨ぐ」あるいは「分野を交差させる」ということを、意図的に行っていくようになったのだと

危険とは何か——。「リスクテイカー」と「リスクシーカー」

どうすれば、人間は「リスク(危険)」をとれるのか。成長するためには、あるいは現状から抜け出すためには、「リスク(危険)」が必要であることを、多分全員わかっている。リスクを取りにいけない人がいる一方で、進んで(他者から見れば喜んでいるかのように)リスクを取りにいく人がいる。両者の違いはなんだろうか。 自分の場合「リスク(危険)」を取りにいけるようになった「きっかけ(トリガー)」は、ハッキリと「これだった」と言うことができる。そこからの実験談を書きながら、「リスク(危険)」とは

『サッカークラブと街』

『サッカークラブと街』は、どういった関係になるべきなのか、と考えてきた。いまだに答えは出ていない。街(町)とは、場所とは、暮らすとは、集団とは、みたいな、奥深いところまで潜っていかなければならないのだと感じているし、時間のかかる作業だから、焦って答えを出したくないとも、思っている。 ヨーロッパに旅をしたときに感じた『サッカークラブと街』。アルゼンチンで暮らしているときに感じた『サッカークラブと街』。それらはどれも、美しかった。建前ではなく、表面的ではなく、本当に多くの意味で

「蓄積」と「回帰」 ≠ 「出力」と「入力」

最近、「蓄積」と「回帰」について考えている。「出力(アウトプット)」と「入力(インプット)」との違いは、そこに「時間の経過」があるか否かで、この「時間の経過」こそがつまり「知」であると、気が付いた。つまり、書こうが話そうが(出力)、読もうが聞こうが見ようが(入力)、時間の経過という過程を踏むことで「蓄積」及びそれを「回帰」しなければ、多分意味がねえ、ということである。もしくは、浅く、薄くなる。

【記録.2】『極限まで無駄を排除する』

【記録.1】 __________ Photo:@photofoot23 __________ チームの活動が始動してから、1ヶ月が経過しました。 この期間を振り返れば、新しい人々と仕事をすることに順応し、新しい選手たちとサッカーをすることに順応し、また新しい暮らしに順応して、という1ヶ月だったと思います。ピッチの中の仕事というのは、やはり世の中の喧騒から一歩外へ出て、サッカーというゲームのことだけを考えられる、自分にとっては別世界のような、そういうものです。それが

「"教えない"指導」は是か非か|時間軸を考慮する

スポーツの現場で極端に一方的な指導を長いこと行ってきた日本において、それに反する極端な思想が生まれるのは自然なことでした。理不尽で強制的な、上下の関係をつくるような指導への反動として、現在はコーチや指導者が「教えない」ことを真の役割だとする声も出てきています。現段階でこれに対して賛成や反対の立場を取るつもりはありませんが、今回はこのような議題について持論を書いていきます。 ・・・ キャッチーな言葉「教えない」という言葉を指導者の文脈で使うとなればキャッチーですので、著書の