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ひとに会いにゆく

 6月6日夕方前。湿度も低く過ごしやすい曇り空の下、打合せを終え、タクシーに飛び乗り上野駅へ。
向かうは杜の都「仙台」。数年振りの東北、久し振りのはやぶさだ。

 2月21日火曜日18時40分、中野の居酒屋に向かう途中、ほんの一時期Nui.で可愛がっていた後輩である思聞から電話で話したいと連絡がきた。
ということは報告か相談のどちらかで、彼の文章の続きには「ご報告が」という文字があったので、ポジティブなニュースだったらいいな…と少しソワソワしながら電話を掛けた。

こういう時に、報告の対象として自分の顔を浮かべてくれるのはとても嬉しい。(思聞は1月1日にもしっかりと新年の挨拶の連絡をくれる。)

その時の一部を抜粋すると、「今の会社を辞め、東京に戻り、新たなチャレンジをする」という話だった。
「お前の決断であれば応援する」という内容と、「報告をありがとう」という感謝、「他にお世話になっている方にも、他人から話が回る前にしっかり連絡をしなさい」…この3つを伝えたと思う。

「今の会社を辞め」と簡単に書いたが、仙台にあるechoesは会社の立上げから思聞が参画し、物件探し中にコロナのダメージをもろに受け、Uber Eatsの配達で食い繋ぎながら、文字通り1から創ってきた場所であり、他人が軽く語れるようなそんな場所じゃない。思聞自身も、「すごく悩んだけど、次のステップに進む」と言っていた。

…..

 時は流れ数日前…echoesで働く蜂くんと東京で会った時に、「思聞の最後、来てもらえませんか?」と言われた。(CITAN竹ちゃんもいた。)
(最終出勤日の報告は何故か本人から来ないという、ちょっと間抜けな感じも思聞らしい。)

こうして竹ちゃんと共に、「先輩2人のサプライズ仙台旅行」が幕を開けた。

…..

 僕らを乗せたはやぶさは仙台に到着。
たわいもない話をしながら歩みを進めると、ローソンの奥の路上に人だかりを発見。echoes初上陸だ。

大混雑のバーの中にいた思聞は、忙しそうだったが、とても嬉しそうな顔をしていた。
ちゃんとしたお酒のプレゼントと、こういう日の定番である「本日の主役」のタスキを肩に贈呈。物語の主人公はいつだって分かりやすい方がいい。

思聞の作るお酒と蜂くんの料理を楽しみながら周りを見渡すと、楽しそうな笑顔で溢れていた。
そんな景色を見ながら、echoesで1からバーをやる事になった時の思聞からの連絡を思い出していた。

思聞とのハグ

 「僕がバーをやる事になったので、かず君が良ければ、Nui.出勤時にバーの事を教えていただけませんか?もちろん給料は要りません。よろしくお願いします。」
思聞からこう言われた時、「やる事になったのはいいんだけど、思聞はバーやりたいの?」と聞くと、「やりたいです」という返事だったので(多分覚悟は98%くらい)、そこから時間が許す限りの特訓が始まった。

時間は全然足りなかったが、少しは形になったタイミングで思聞は仙台へと向かった。(その後はNui.に帰ってくる度にトレーニングもした。)
あまり調べず値段の高い業者からグラスや備品を買ったりしながら(後から聞いてびっくり、先に相談しましょう。)、お店はオープン。

そして一瞬のうちに卒業の日がやってきた。

…..

 6月6日、卒業の日。
Echoesのラウンジには思聞の送別のため、沢山の人が集っていた。

もちろんチーム皆の頑張りのお陰ではあるが、思聞も頑張ったと思う。
バーやお酒の事に必死で向き合うことは勿論、こういう形態の飲食店にとっては「COMMUNITYを生み、育み、掛け合わせ…人の数だけ正解があるような様々なアプローチを、仕事中だけでなく、業務時間外であっても毎日、丁寧に、継続する」…これが大切だ。

この日見た景色からは、時に周りに迷惑をかけながらも、”そこ”をサボらずに積み重ね、関係性を育んできた思聞の姿が浮かびました。






























思聞!お疲れ様!よくやったよ!
ステージが変わっても、お世話になった皆様への感謝を忘れず、走り続けて下さい!

2023.06.07
想いを込めた記事、そして心からのお疲れ様を。

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