トム・フォード…いや、よく知らんけど
君が教えてくれた映画「ハウス・オブ・グッチ」。
映画でも原作でもファッションデザイナー、トム・フォードが出てくる。
ファッションやブランドについては何も知らないから、なんかこうして知識が増えていくのが新鮮だ。
今日、グッチのお店にも行ってみた。
新卒間もなく3年目になる可愛い部下に、そう、君と同じ大学出た子ね、「グッチのブランドものって何か持ってる?」と聞いたら、「お店に入るのもバーが高いですよね」ということだった。
で、実際に行ってみたら、確かに(笑)。西武池袋の6階のレディース、5階の紳士コーナー。6階は無理だった(笑)。
5階の方、ひょいと入ったら、「お客さま!」
え?この格好じゃやっぱり入っちゃダメなのか?
手指のアルコール消毒と検温だった。
「何かお探しのものでも?」
「ちょっと見てみるだけ」
どうみても場違いな来てほしくない客(笑)。本当は一番高いスーツに靴はジョン・ロブでいきたかったんだけど。いつも君に会うときの、ラフバージョンでいったのよ。
2代目であり、グッチを大きくしたアルドの時から「値札を見てから買うような客はうちの客じゃない」という方針だったと原作の上巻の方に書いてあったが、はたして、値札まったくなかったわ。
ある種の気品はやはり感じた。まあ、俺の趣味じゃないなあとはやっぱり思ったけど。
でも、バッグは、シックで、いい感じだなあとは思った。でも、それに合う服がないな(笑)。
だいたいひととおり見た後、もう一人の女店員に話しかけられた。
「何かお出ししましょうか」だったか「何かお探しですか」だったか。
「いえ、映画見て、本も読んでいるので、ハウス・オブ・グッチですね、どういうものかなあと」
はぁ、という感じだったが、かまわず、
「トム・フォードがどうこうとか、2004年にやめちゃったみたいですけど。グッチってバブルの時もすごかったですよね」「あ、あなたお若いから、バブルのころはご存じないか」
ちょっと嬉しそうな顔になった。
トム・フォードの名前を出したからか、若いと言ったからかはわからない。年齢は正直不詳だったが、いっていても40代だろう。君よりもさらに小顔の整った顔立ちの人だった。
「デザイナーが変わると、変わりますねえ」と初めて生の声が聞けた。
それ以上の知識もないので、それで失礼させてもらった。
もう一度6階いったけど、やっぱり無理(笑)。そちらは入り口に若いイケメン男性が立っていた。最初通った時、あいさつされたけど、はっきりひるんだ(笑)。
今、あらためてトム・フォードググってみたら、トム・フォードってブランドが最初に出てきて、なるほどね。そして、目的でもあったウィキペディアの記事。見ると、ちょうど還暦。
さらに当時グッチのCEOだったデ・ソーレと会社を設立していたとは。同時期に辞めたというのは原作の下巻に書いてあったが、そういうことだったのだな。
原作には、最初、トム・フォードとデ・ソーレがぶつかったことが書いてあるが、すぐによき理解者になったとあった。それがいまも続いているとは知らなかった。
人生、どこでどういう出会いがあるかわからないものだな。
トム・フォードはともかく、デ・ソーレは映画ではあの人のはずなのだが、やはり描き方次第だなあ。
「ハウス・オブ・グッチ」を教えてくれて、ありがとう。
君も見られるといいんだけどなあ。君と映画の話をしたい。
ああ、肝心なこと忘れてた。ウィキペディアの記事でさらに驚いたのが、トム・フォード、ファッションだけじゃなくて、化粧品も出していて、さらに、映画監督までやってるよ!
たしかに、原作では、一時期映画を見まくって、それがファッションショーの演出を考えるときに役に立ったというような記述もある。
で、その映画なんだけど、これがまた驚いたことに、デビュー作が、
だってよ!
コリン・ファースって、君が映画「キングスマン」教えてくれたから、この名前もスルーせずにすんだよ!
いやあ、世界がどんどん広がる。本当にありがとう。愛してるよ。
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