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【夢日記】 M先生と異世界冒険の旅



どこかの古い教室。というより大講堂。満員の人々は、同じ職業というわけではなさそう。

何かを待っていると突然、紙が配られ始める。A5版の、コメントシートみたいな、解答用紙みたいなもの。

私のところへ回ってこなかったので係の人に言うと、なにか別のものを隣(うしろ?)の人がくれた。2,3枚。詩か日記みたいな日本語の文章が鉛筆書きで縦書きされている。よく見ると原稿用紙。生徒が書いた下手な詩や作文だ。

そこへ、講師らしき人が入ってくる。なんと、国研のYM先生だ!
髪型がちがう。黒い髪がくるくるとカールして、あれはパーマだ。(あれ?もともと天然パーマだったっけ?)
なんか若返っている。

で、講義を始めるのだが、黒板いっぱいに字を書いていて(いつ書いたのか気が付かなかった)、何か課題が出されたようなのだが、プリントに気を取られていた私は、何をしろと言われたのかわからない。

「すみません、指示が聞こえなかったのでもう一度説明してください」
M先生は私の横に来たが、説明してくれない。小さな声で何かつぶやくだけ。
「声が聞こえません。プリントに集中していて聞こえなかったのでもう一度お願いします」

私の言い方が反抗的に聞こえたのか、M先生はちょっとムッとした顔になる。
(あの先生のむっとした顔って見たことない気がするんだが、すでに外見が微妙に変化しはじめていた──夢だから、何しろ)

「この詩の、わたしは、わたしの…っていう箇所が、下手だな、と思ったんですが」
どうせ求められている答えじゃない。
「そういう、表現について分析しろっていうんですか、それとももっと全体の読解とか…」

M先生は依然、何も教えてくれない。黒板のところに戻ってちがうことを説明しはじめる。

何なんだ、と思っているうちに、M先生が突然教室を出て行ったので、あとを追い、私も教室から外へ。


 道路をどんどん歩いていく。小走りで先生をおいかけながら、さっきの課題の指示がわからなかった件をまだぐだぐだ言っていると、
「まさにあれ」
と、笑う。
「あれの話。いきなり当てられたからビックリした」
(なんか喋り方がM先生っぽくなかった、今から思うと)
「え、あたってたんですか」
「助詞の話」
ホッとしたのと、先生のパーマヘアが気に入ったのとで、ダークグレーのシャツの左腕をつかんでデートしてるかんじにしてみる。

まちなかの交差点で、M先生は突然立ち止まり、眉間をおさえた。
「目が……」
「具合がわるいんですか」
「目薬を忘れた」
特殊な目薬ではなく人工涙液系だという。
「それだったらもってます」
いつも使っているのは涙と同じ成分のやつだ。たしか持っていたと思う。
ウエストポーチを探るが、入ってない。どうやらかばんを教室に置き忘れたようだ。役に立てず、がっかりする。

目の痛みはそれほどでもなかったようで、先生はかまわずどんどん歩いていく。地下道のようなところへ入る。何かに追われているのか、制限時間が迫っているのか、急いでいるようだ。
ちょっと汚い地下の階段を降りて行く。ほかにも教室にいた人たちが追いかけてきているようだ。けっこうな人数。

何階ぶんか地下に降りたあたり、大声でしゃべっていると、突然先生が立ち止まり、「しっ」と無言になる。まわりにいた人たちも、一瞬で静まり返る。

目の前の踊り場には人が10人ぐらい集まっていて、その右奥の空間には喪服を着ている人たちがいる。(なんでこんなところでお葬式をやっている?)

大声を出したことをあやまると、踊り場にいる人達は無言。お葬式をやっていた人たちの方を視線で指す。なんかやばい系の人たちだ、という情報が無言のまま伝わってくる。

レール式の(病院みたいな)カーテンでシャーッと仕切がつくられ、その向こうではお葬式をつづけているようだ。お線香をたいているような感じもするが、棺桶を移動しているのがわかる。どうもゴミ捨て用のダストシュートに突っ込もうとしているような気がする。

この人達は何かおかしいんじゃないか。さっき大声を出して邪魔したのは、まずかったかも。
どうなるのか、と思いつつ、私達一行はその場で立ち止まったまま待機していた。

やがてカーテンの向こうで笑い声がした。お葬式は終わったのか。そんなにすぐ笑うってどういうこと?

カーテンがあき、喪服の人たちは、せいせいした、という顔で出てくる。あったはずの死体(黒い棺桶入り)がない。さっきどこかへ捨てたのか。

とにかくやばい人たちには関わらないほうがいいので、M先生を先頭にそのまま左に折れ、地下道を進む。

  
行き着いた場所は、ビルの1階の小さな遊園地みたいな所で、色とりどりの看板が立っていて、呼び子もいる。
M先生は、何かのミッションを果たそうとしているようだ。

さらに道を進んでいくのでついて行く。教室にいた人たちの何人かもいっしょだが、誰だかわからない。

林のような、景色のよい道にはいる。両脇は木々で、背の低いアジサイの株をみつけた。えんじ色〜赤にみえるアジサイの花(見たことのない不思議な色合い)、となりには黄色〜山吹色にみえるアジサイの花、それからうす水色の(ふつうの)アジサイの花が咲いている。
めずらしいので先生に伝えると、急に赤のアジサイが見えなくなる。せっかく先生に教えてあげようと思ったのに。
だがよく見るとほかの花の裏側のほうに隠れていた。位置が変わったのか。
 
先生はさっきのプリントの話をしながら歩いていく。道路というより山道に近くなってくる。
 
そこから。
なぜか突然気づく。ここは普通の世界じゃない。
「ひょっとして、異世界なんじゃないですか」
言ってみたが、M先生からは答えはこない。

いや…通常の持ち物もあるし、さっきの教室での出来事はリアルだったし。半分異世界なのか、と思うが、起きていることがリアルではありえない内容だと思い、
「どうせこれ、夢ですしね」
と口走る。
え、夢なのか? どこからが夢だったのか…と、考えるが、境界線がわからない。
 
(途中、記憶があいまい)

何か、異星人の街に入ったようだ。石畳の橋があり、下のほうの河原に人が大勢あつまってお祭りみたいなことをしている。

先生の弟子らしき男性が手を振っている。ギターを高くかかげ、「俺、うまいんっすよ」と言ってギターをひきはじめる。
瞬間、となりにいたはずのM先生が下の河原にいて、しかもギターをもっている。
「何言ってるんだ、僕がバンドをやってたの、知らないの」
エレキギターかと見えるそれを、ジャーン♪とかき鳴らすが、私にはうまいとは思えない。

いつのまにか黒い顎髭まではやしている黒髪のM先生は、若くて、筋肉質で、人が変わったみたいだ。あの外見は、見覚えがある…(あとで目がさめてから、竹野内豊だと気づいた。M先生、似てたっけ?)

さらに、旅をつづける…
何があったのか、あいまいだが、私とM先生と数人の旅の一行は、黒っぽく細長い木のボートに乗って、深い森のなかの川を進んでいる。ヴァイキングの船を小さくして数人乗りにしたみたいな感じ。私は最後尾で、落ちそうな感じでしがみつている。

突然、敵に追われていることに気づく。誰が、何のために追ってきているのかわからないが、M先生は知っているようだ。その敵は、アラブ人みたいな白っぽい衣装を着ていて黒い髪で髭をはやしているのがわかった。

「止まれ! 止まらないと撃つぞ!」
定番の脅迫が来るが、先生は舟を進めつづける。

「気をつけろ!」先生の声に、後ろをみると、
敵はアーチェリーみたいなものを構えている。

アーチェリーだったらまじで危ないが、飛んできたものはフリスビーみたいな原色の円盤。私のお尻に2個当たったが怪我はなし。それでも危険は危険なので私はさっさと舟の先頭に移動する。
  
ヨーロッパの映画に出てくるような、美しい森。川の岸辺は緑色の苔がはえたスロープ。そこに、舟を乗り上げる。
追われているのに、こんなことして大丈夫なのか。

そのあと舟は、もはや舟ではなくトカゲみたいな爬虫類っぽくなっていて、乗っているわたしたちからはその形態が見えない。先頭にいるせいで見えないのかもしれないが、あるいは私が、その爬虫類そのものになり、乗っている人々と融合してしまったのかもしれない、と思う。

「上だ! もっと上へ」
M先生の指示が飛ぶ。

緑の葉がこんもりと団子状になった木々の枝をのりこえ、上へ、上へと這い上がっていく。(這い上がるしぐさが爬虫類っぽいが、依然として舟だということになっている)
追っ手も下のほうから上がってくる。上下移動のできる乗り物だったようだ。
もっと上へ、上へ……とあせる。
いくつか緑の団子を乗り越えてゆく。

枝のあいだから水色の空が見え、だいぶ上に来た、と思った瞬間、
舟は急降下して地面におりた。
降りたらやられるじゃないか、と心配になるが、それ以上追って来なかった。どうやらうまく「まいた」らしい。

M先生と私たちは、さらに冒険の旅をつづける(ん?いつから冒険の旅になったんだ)

ミッションは何?
いまだに、あの教室でのときから、M先生ははっきりとは課題を教えてくれないのだけど。

前方に、森の終わりが見えた気がした。

そこで、目が覚める。

(2022年 6月11日)


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