面接官のOさん。

タイトルと最近の記事から、「とうとう転職活動始めたのか?」となりそうですが。
昔も昔、新卒時の就職活動の時の話です。

それは、新卒での勤め先(今では一応誰もが知る大手企業ですが、当時は違っていました)の2次面接試験。
わたしは、キレイなお嬢さま風の女性と2人で面接に臨みました。

その時の面接官がOさん(後述しますが、名前は後で知りました)。

見た目はにこやかなフツーのおじいさん。
役員面談と聞いていたので、登場自体に違和感はありませんでした。

扇子をパチパチいじりながら、基本、穏やかな口調で話されるのですが。
数回手の動きを止め、鋭い視線と発言が出てくる時があり、
「この人、タダ者ではない…」
感が満載でした。

わたしはOさんが話しやすい雰囲気だったこともありけっこう積極的に話したのですが、もう1人の女性はあまり発言はせず、終始ニコニコしていました。

面談終了時、Oさんから、
「今日はおふたり、よく似たタイプということで来ていただいたんだけど、どちらかおひとり(選べ)って人事から言われているんだよね…」
との発言が。

わたしは、もう1人の女性が雰囲気もいいから彼女が選ばれるだろう、ここには縁がなかったと思いつつ、帰路につきました。

後日わたしに3次試験の案内が届き、Oさんはわたしを選んでくれたんだ、と当時はありがたい気持ちになったのを覚えています。

今振り返ると、決め手はなく、わたしの人間性ではなく、一番安易に大学名で通過させた可能性もありますが…。

そのOさん。
入社してから役員一覧で調べたところ、相談役というポジションでした。
買収時、された側の創業者で、経歴もたたき上げといった印象でした。
いわゆるエリートな経歴で無かった点でも、やっぱりタダ者ではなかった。

以前の記事にも書いたアメリカ人のAさんに、Oさんとの面接の話をしたところ。
「Oさんって、もう会社には来られていないと思うよ」
と言われました。

でも、かなり個性的なお顔だったから(失礼)、間違えなくあの方はOさん。

30年近く前の話なので、Oさんはとっくに亡くなられていますが。
今の勤め先が揺らいでいる状況だからか、経営者の器の大きさという点で印象に残っていた方だったので、思い出した次第です。



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