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associate.

おつまみの話をした。
パテやサラミやチーズ、
何を買うにしてもあの人の顔が過ぎって泣きたくなると話した。


何も、おつまみに限った話じゃない。



テニスコートの横を通る。
出会いのきっかけだったテニスを思い出す。



テレビでking gnuを見る。
好きだった白日を思い出す。



何の変哲もないチェーンの定食屋を見る。
2人で行った天ぷら屋さんを思い出す。



陽気な、あの天ぷら屋さんの大将を思い出す。
卵の天ぷらが特においしかった。

生卵を油の上で割り、そこにどろを流して固める。

それをご飯に乗せて、醤油と黒七味で食べる。



もちろん黄身は割る。
熱々でトロける黄身が飛び出す。



最高にうまい。
あれ以上の天ぷらをこの世で見たことがない。
どんな東京の高級店が最高の食材を仕入れてきても、
あの人と食べるあの卵の天ぷらを超えるものはない。



あの天ぷらだけは、どうやっても家で再現できない。
だからあの店に行くしかない。



行って泣かずにいる自信がない。




もうあの卵の天ぷらは食べれない。

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