4:21

彼女が仕事をやめ北浦和に越してきたのは、春一番に運ばれた死の香りにどの路も満たされたころだった。

大学をさぼってよくフェレットと遊んでいた。

うらぶれたペットショップで元気に売れ残っているその動物は、ひたすら売れ残って元気にしていた。

時を忘れて遊んでいた。よくない客だと解っていても止められない。

理解することと行動することは別のベクトルだった。

いつか連れて帰ると思っていた、はしゃぎまわるファンキーな彼を見ているだけでよかったのだ。

そんな彼もいつの間にかいなくなっていた。


頂いたお金は、制作費として大切に使わせて頂きます。 いつも支えてくださり、本当にありがとうございます。