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中小企業における『財務』を定義する

結論

中小企業における財務は、

・投資判断
・資金管理
・利益還元

に関わることが仕事であり、
結果として企業価値の向上に貢献することが目的である。


作成のきっかけ

全く興味を惹けない内容とは思いますが、
どうしてもこの話題は最初にしておきたいのでまとめさせていただきます。

中小企業の経営再建、財務顧問などの仕事をしていると、
クライアントから「財務の強化をしたい」「財務が弱い」「財務担当が使えない」など伝えられることがあります。

相談の打ち合わせをさせていただく際、
私が最初に必ず行うのは言葉の定義を合わせることです。
この場合では、
クライアントが使う「財務」という言葉は何を指すのか、
ここを合わせます。

クライアントが使う「財務」という言葉は概ね下記の意味で使われています。

・資金管理
・資金調達
・経営計画、事業計画
・予実管理
・事業KPI管理
・バックオフィス(なぜ???)

このうちの一部だけの場合もありますし、
複数の意味を含んでいる場合もあります。
でも1つ1つは割と違うことなので求めていることは何かを確認することを大事にしています。
よりよい経営体制にしていくためには結局全部必要ですけどね。。

一般的な『財務』の定義は?

それでは経営再建・財務界隈での『財務』はどのようになっているか、
確認していきましょう。
いくつかの本を確認しましたが概ね以下のように機能を定めています。

・投資に関する意思決定
・資金調達に関する意思決定
・配当に関する意思決定

新規の事業プランが3つあった時にどの事業を行うか、
必要な資金を株式調達で行うか、銀行融資を行うか、
株主への利益配当を配当として行うか、自社株買いで行うか、
などです。
言葉の表現の違いはありますが、
概ね上記の機能と捉えていただいて問題ありません。

中小企業における『財務』の定義は?

上記の定義を中小企業にも当てはめてみようと思います。
中小企業は一般的に、
新規事業をバンバンやることもありませんし、
株式による資金調達もほとんど行いませんし、
配当や自社株買いなども行いません。
そうなると資金調達の銀行融資ぐらいしか関りがないように思えます。
それこそ、中小企業の社長さんがよくいう「財務=銀行融資」みたいなイメージはここからくるのかもしれないなとも思います。

ただし、私自身クライアントの経営再建や財務顧問をしていて、
銀行融資の支援を行いますが、
それだけでなく上記定義に類する支援も行っています。
少し表現を変えていますが、

・投資判断
・資金管理
・利益還元

の3つです。
例えば投資判断、これは経営判断に近いです。

マーケティングを強化したい、
では広告がよいか、オウンドメディアがいいのか、各種SNSがいいのか。

組織を強くしたい、
人事部長を採用するのがいいのか、外部コンサルに制度設計してもらった方がいいのか、社労士に就業規則を作ってもらうのがいいのか。

など、
クライアントの状況、描く未来によって今取るべき施策は様々です。
どれもこれもやらないよりやった方がいいことが多いですが、
中小企業は圧倒的にリソースが足りません。
時間も人材もお金も足りません。
少ないリソースをどこに投資するのがよいか、
リターンの観点はもちろん効果がでる早さなどもシュミレーションしながら、
社長の意思決定を財務視点でアドバイスできるようにしております。

資金管理、利益還元もそれぞれありますが、
あまりに長くなるのでまた別の機会に共有させていただきます。

まとめ

今回は、中小企業における『財務』の定義についてまとめてみました。
上場企業、スタートアップに比べれば、
中小企業における『財務』の領域は多少小さくなりますが、
それでもまだまだ重要な機能です。
しっかり『財務』機能を働かせられれば、
社長の投資判断、経営判断をより再現性のあるものに変えることができ、
よりロジックに基づいて会社を、事業を大きくすることが可能になります。

自社に財務機能が既にある方はもちろん、
今までなかった方も、
今一度現状を見直すきっかけになれたなら嬉しいです。

初回のnote投稿はこちらで終わります。
長文をご覧いただきまして誠にありがとうございます。

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