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【持論多め】決算書の表示の仕方で借りやすくなる?

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Aさん「決算書の表示の仕方を変えるだけで銀行の評価が上がるって聞いたんですよ、改めて教えてほしいです。うちの税理士さんこの辺弱いのでちょっとうちの決算書見てください。」

私「はい、たしかにそのケースもありますね、見るのはいいのですが・・・」

Aさん「これです!」

私「・・・なるほど。Aさんの決算書では特に改善点ないですね、ただの赤字です。」

Aさん「うっ・・・」
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お疲れ様です!
本日は『決算書の表示の仕方で借りやすくなる?』についてまとめます。
まとめつつ、持論もまとめます。

持論『決算書の表示の仕方を変えることで銀行評価を良くしたいとやたらと主張する会社は大体本質的に本業が赤字』

表題が長くなってしまいましたが思っていることを込めてみました。

よく言われるこのテーマ、Youtubeとかでも仰る方多いですよね、人気のビジネス系Youtuberさんとかでも仰っていたと思います。
効果があるかないか、でいうともちろん効果はあります。

背景に金融機関側の人手不足とかDX化による分析力の低下とかあるのかもしれませんが、
決算書と財務分析結果だけで評価される金融機関の担当者さんも一部いらっしゃるそうです。
内訳書を読み込み、社長にヒアリングして経営状況を明らかにしていくというスタイルの方もまだまだいらっしゃいますが、
金融機関のみなさんお忙しいですからね、もしかしたら少しづつ減っているのかもしれません。

決算書とそれに基づく財務分析結果だけで融資判断をされてしまうケースもあるので、
決算書の表示を取引内容などにそって変更することで、
見栄えが良くなることはあります。

あなたの会社の金融機関担当者さんが表面的な分析しかできない担当者さんであるならもう少し評価が変わりますが、
所詮は『見栄えが良くなる』程度であることを認識してください。
本質的にその会社が良くなることはなく、
イメージ85点の評点が88点とか、そんなものです。

発信しているインフルエンサーさんはきっとそのつもりはないのでしょうが、
受け取った方の一部がこの手法をやたらと過大評価している印象があります。
「うちの会社の税理士は、この手法を知らないから、うちの決算はこんな赤字になっちゃうんだ」みたいな感じです。

私の感覚では、寝ぐせもしっかり直していて、歯もちゃんと磨いていて、
スーツとワイシャツはシワがなく清潔感があって、
ベルトの色と靴の色も合っていて、
ネクタイの色も好印象、
だけどもだけども、ネクタイが曲がってしまっている、
だから直す、
ぐらいの感覚で捉えています。

本質的にはしっかりされているけれど、
移動中なのかその方の結び方のクセなのか分かりませんが、
少し曲がってしまっているので、
そこだけシュッと直す、みたいな感じです。

この例えで伝わりますかね。

他の例えだと、
身体がダルダルに肉がついてて、
運動せず、
睡眠もしっかりとらず、
バランスの取れた食事をとらず、
周りの人たちと健全で良心的なコミュニケーションを取らず人の悪口ばっかり言って周りに嫌われまくっている人が、
マッチングアプリのトップ画像だけ加工して韓国人風のイケメンに寄せて活動している、
みたいな感じです。

歯も磨かず、清潔感もない、
みたいなのも足した方がいいですかね、伝わりますかね。

決算書の表示の仕方を変えることで銀行の評価を変えることはありますし、
やらないよりやった方がいいですし、
私もアドバイスしますが、

大前提、
しっかりした経営をされていて、
顧客に対して適切なサービス提供をしていて、
見返りとしてあるべき報酬、売上をいただく、
そんなビジネスモデルを作り運営していることが大前提で、

営業やPRした通りのサービスは提供できず顧客からクレームをバンバンもらっていて、
売上回収もちゃんとできておらず、
従業員のモチベーションもどんどん下がってやめていく、
みたいな全然ダメダメな会社が、
決算書の表示をいじっただけで金融機関の評価が良くなるなんて夢をみてちゃだめだよって思います。

決算書の表示をやたらと主張する方に多い印象を持っています。

そんなところは財務担当に任せて、
ビジネスモデルを作り直しなさいよ、
お客さんに満足いただける、少なくとも不満を生まないサービスを作り提供しないよ、
従業員をしっかり育ててあげて自信もって仕事ができるようにしてあげなさいよ、
って思っております。

よくある表示改善ポイント

本質的な経営管理ができている方向けに、
私がよくチェックする決算書の表示改善するポイントをまとめます。

よくお伝えするポイントは雑収入、役員借入金、特別損失です。

①雑収入

本業とは別の収益をまとめるのがこの雑収入という勘定科目です。
営業外収益に該当します。
本業とは別で不動産を持っていてそれを貸すことによる不動産収入とか、
自販機を置いている会社ではその売上分配金とか、
が該当します。
例えばこの不動産賃貸収入ですが、年間で数百万以上あるのであれば売上高に含めてしまうことをおススメしています。
もちろん、手続きとして定款変更により目的追加するのはセットです。
雑収入から売上高に含まれると、営業利益がその分だけ大きくなります。
よく金融機関は経常利益をみていると言われていますが、
当然、営業利益もみています。
また財務指標によっては経常利益ではなく営業利益を使うものもあります。
不動産収入が数十万とかなら、わざわざ変えないですが、
これが数百万以上あるなら、
これら財務指標の結果も少し良くなる可能性があります。
であれば、いっそ売上高に入れてしまえば、という話です。
それこそ、その不動産にかかる減価償却費や管理手数料は販管費に入れていることも多いと思うので、
なおさら売上高にいれてしまってもいいんのでは、
となります。

②役員借入金

金融機関が決算書審査をするとき、
役員借入金(役員が会社に入れたお金、貸し付けたお金)は株主資本としてみなしてくれる場合があります。
自己資本比率等各比率が変わるので役員借入金がある場合はちゃんと表示した方がよいです。
よくあるのが決算書の勘定科目で長期借入金に含めているパターンです。
これは内訳書までみれば役員借入金であることが分かりますが、
決算書しかみない担当さんだったら見落とすかもしれません。
固定負債の項目に役員借入金というものを新たに作って、
役員借入金という勘定科目で表示するのが良いです。
短期借入金に含めているケースもありますが、
短期借入金は1年以内に返済する、つまり1年以内に会社から現金を抜く、と意思表示していることになります。
社長がそのつもりであるならまだ良いですが、
多くの場合会社から現金を取り戻すことを真剣に考えている方は少ないと思います。
よっぽど手元資金に余裕が出たら少しづつ戻すか、ぐらいではないでしょうか。
この場合には固定負債の役員借入金の方が意味合いとしても適切です。

③特別損失

一過性の費用、それにより赤字になった場合は、
例え決算が赤字であっても金融機関は問題視しません。
なので一過性の費用であるなら一過性の費用として表示した方が良いです。
使うシーンとしては役員退職金とか特別修繕などです。
毎年毎年役員が退職するような会社は基本ないと思います。
10年に一度もあまりないですね、
20年とか30年ではないでしょうか。
その時に発生させた役員退職金を販管費に入れてしまうと、
営業利益や経常利益などが赤字になってしまうことがあります。
間違っているわけではないですが、
一過性のものであるなら特別損失に入れてしまった方がより適切です。
そうなると営業利益、経常利益は両方とも黒字、
本業の事業自体は問題なくしっかり利益が出せている、
けれど今年は役員退職金があるから赤字なんだな、
とすぐに気づいていただけます。

これら3つは特によくあるケースです。

まとめ

本日は『決算書の表示の仕方で借りやすくなる?』についてまとめました。
持論の方が多くなってしまいましたが、
特に伝えたいと思っていましたのでボリュームが多くなってしまいました。

大前提は、本質的によりよいサービス、商品をお客様にとどけ、ご満足いただく、これに限ると思っています。
その経営を続けていくなかで、
決算書の表示という枝葉の枝葉の部分ではありますが、
この辺りも見直すことが決算書の評価をあげることもあるかも、
という内容です。

社長に注力いただくところは顧客を中心に経営してくことであり、
やたと決算書の表示の話に頭を取られるのはナンセンスです、
という話です。

本日は以上です。

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