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日向坂ストーリー [缶詰39日目]

 テレビの中で輝く「アイドル」。かつては、視聴者としての同じ立場の人間である。そんな彼女らが普通の学生時代を過ごす中で、「これまでの自分を変えたい!」、「アイドルになる夢をかなえたい!」と思い立ち、視聴者の枠を飛び越え「アイドル」に挑戦する。

 その挑戦する過程での苦労や大変さは、テレビになかでは彼女らの笑顔の裏に隠れ、多くが語られることはない。ダンス、歌の素人が一か月後に人前で披露する。番組ごとに異なるダンスの振り入れをする。アイドル活動を飛び越え、舞台に出演する。

 私たち視聴者は、彼女らの結果しか見ることができない。テレビに映ったときの表情、ダンスの統一性、歌のうまさ。それから、彼女らの成長過程を一方的に結果から考察し、あの人は上手だ下手だ、あのアイドルグループはここがいい、悪いと当たり前のように理解する。


「日向坂ストーリー」 この本には今の彼女らアイドルを創造した過去のエピソードが語られる。決して順風満帆で坂を上ってきたわけではない。飛ぶ鳥を落とす勢いの裏には、誰にも見向きもされず、グループが自然消滅しかけた苦々しい思いが残る。

 そんな彼女らの心境を丁寧に著者は記述する。よかった出来事よりも苦しい出来事の方が圧倒的に多い。そのなかで自分たちだけの答え「ハッピーオーラ」を見出した。

 彼女らと同じくらい真剣に生きることはできているか?そんな感情を抱きながら、勇気をもらえる本だと思う。いままでのアイドルドキュメンタリー本の中で最も価値ある一冊であるに違いない。


ぜひ、同士がいたらコメントしてほしい。(笑)

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