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証券会社クオンツからWeb3エンタメスタートアップの未知だらけの世界に飛び込んだ感想

はじめまして、北川(@k2_rod)と申します。クオンツ13年(大和証券)→MLエンジニア2年(OLTA)を経て、2022年10月にGaudiyへお試し入社をし、今年1月に正式ジョインできました!濃密すぎる5ヶ月でしたが、春の入社エントリまつりという企画で、これまでの経験をまとめるいい機会と思い入社エントリを書いてみます。

最近はChatGPTのおかげで、仕事もプライベートもAIどっぷり生活で楽しいです。すごいですよね、エンジニア、デザイナー、作家、士業…色んな仕事に影響がありそうです。このような新しい破壊的な技術革新の登場によって仕事や価値観が一晩で変わる時代において、安泰なキャリアというのは存在せず、動き続けることが極めて重要と感じています。

私自身、金融が大好きで熱い想いをもって専門性を高めてきましたが、あるところで言葉にならない閉塞感や停滞感を経験しました。そこで前職のOLTAでのMLエンジニアを経て、現在はPdMやメカニズムデザイン、組織設計など色んなことに挑戦しています。

このnoteでは、これまでのキャリアを転換してGaudiyで新しいことに挑戦している体験を、自分なりの言葉でお伝えすることで、↑のような現状に対する危機感・閉塞感をもっている方が新しい行動を起こすきっかけのとっかかりになればと思っています。

初物づくしの環境へ飛び込む

Gaudiyは、エンタメファン向けプラットフォームを開発・提供するWeb3スタートアップです。当然、社内のメンバーもエンタメ会社出身やtoCウェブサービスのスタートアップ出身者、DAOやP2Pの思想が好きなメンバーが大半を占めています。

そんななか自分は「トップダウン組織の大手金融」という対極ともいえるバックグラウンドをもっており、Gaudiyでは珍しいタイプの人間だと思います。ポジションもこれまでのMLエンジニアとは違うPdMで入社しました。

初めてのアジャイル開発に適応する

スタートアップはカオスです。Gaudiyもご多分にもれずで、入社して1ヶ月目に組織の大規模変更、2ヶ月目に事業戦略の大規模変更がありました(笑)。

そんなカオスな環境下、アジャイル開発の体制自体が初めてで、かつメンバーの信頼もまだ得られてない状態で仕事の進め方をキャッチアップするのは大変でした。

前々職の証券は強烈なウォーターフォール型で、上が決めたことを現場に周知し、雨が降ろうとも槍が降ろうともそれを現場が徹底するスタイル。一方のGaudiyでは、DAO的な組織を信念としているので、最大限現場に権限移譲されており随所にコミュニケーションパスの双方向性が設計されています。

全く違うスタイルだったので、最初の1〜2ヶ月は仕事の進め方の感覚がわからず手探りでしたが、周りにお手本となる人がたくさんいたので助かりました。このとき組織について色々考えたことがきっかけで、のちにメカニズムデザインの観点から組織設計に携わるようになります。

初めてのロールに適応する

またロールとしても初めてのPdMに挑戦しました。あるプロジェクトのPdMとしてDiscoveryを進めていたのですが、新戦略のアップデートを踏まえて、開発リソース観点からペンディングする意思決定をしました。

その後は、こちらも未経験のメカニズムデザイナーとして、組織とプロダクトの設計を担当しています。新戦略のファンのエンゲージメントを高める機能のアルゴリズムデザインを担当したり、大学教授との共同研究を進めたり、急拡大する組織の制度設計をしたり、それ以外にも2つのPJのPdMを担当しており、兎に角やることがたくさんです(笑)。

「比較優位」と「経営目線」を意識して変わり続ける

このような激流の中で、意識し続けていることがあります。それは「比較優位性」と「経営目線」です。「比較優位」は以下のように定義されます。

これは、自由貿易において各経済主体が(複数あり得る自身の優位分野の中から)自身の最も優位な分野(より機会費用の少ない、自身の利益・収益性を最大化できる財の生産)に特化・集中することで、それぞれの労働生産性が増大され、互いにより高品質の財やサービスと高い利益・収益を享受・獲得できるようになることを説明する概念である。

引用:Wikipedia

もとは経済学の貿易論の概念ですが、自分なりの仕事への解釈は「社内で自分しかできない仕事かどうか」の視点です。専門性があるとなお相性が良いです(ただし専門がなくても比較優位は実践できるのでおすすめ)。

私の場合は「金融」 x 「MLエンジニア」 x 「海外経験」の3軸の組み合わせから仕事を創り出す意識をしています。メカニズムデザインも「金融」と「MLエンジニア」の領域にマッピングされます(これに加え「コミュニケーション」や「論理力」などのソフトスキルも当然必要ですが)。

もう1つの「経営目線」は、MUST→CAN→WILL(経営目線でやるべきこと→自分しかできないこと →やりたいこと)で仕事をすることです。よく判断に悩むのはWILL(やりたい)はあるがCANがない(他にも出来る人がたくさんいる)仕事です。この場合は「もし自分が経営者だとしたらどう動いてもらうのがありがたいか?」を基準にしています。

たいていの場合は、この2つの視点を意識して「他にできる人がいる仕事はまかせて自分しかできない仕事を創る」もしくは「その人しかできない仕事をさせるためにその人が持っている仕事で自分ができる仕事を取る」と喜ばれることが多い気がします。入社を決めたときにMLエンジニアの仕事はないのになんとかなると思ったのは、この考え方から楽観的に考えていました(笑)。

カオス乗りこなせる理由

以前よりはるかに忙しいし、ストレスもありますが、日々めっちゃ楽しいです。そもそも楽観的な性格が大きいですが、今の環境を楽しめている最大の理由は「一緒に働きたい人がいる」のと「知識が偶然つながる体験が楽しい」からだと思います。

おもしろすご人材の宝庫

そもそも最初に話したGaudiyのメンバーは、代表の石川でした。話した瞬間から「この人と仕事をしたい」と思いました。大手金融とエンタメスタートアップという、普通に生活していたら交わらない2人が「blockchainを通じた未来の世界」という共通のテーマを通じて盛り上がってあっという間に時間が過ぎたのを覚えています。

今のタイミングで自分がジョインしてもMLエンジニア的なポジションはないだろうな、と思った(おそらく石川も笑)のですが、「一緒に働きたい人がいる」という動機だけで入社を決めました。

他にもGaudiyはおもしろすご人材の宝庫なので最高です(笑)。スキルも高いし趣味も尖っている人ばかりでどのプロジェクトも楽しいです。普通の会社よりもカルチャーや組織へのコミットが強く、ビジョン共感が高いメンバーが多いので、どんなにシビアにやり取りをしても最終的にわかり合える安心感もあります。

Gaudiyオファーレターの最終ページ、コメントが嬉しい

知識が偶然繋がる楽しみ

全く新しい環境に身をおいて感じたのは、これまでの知識や経験が思わぬところで役に立つ場面が多いことです。私自身、「死ぬまでに目から鱗が落ちる体験をどれだけできるか」の価値観が上位にあるので、これほど楽しいことはありません。たとえば、趣味で勉強していたコンピュータのハードの知識(FPGAやCUDAなど)があるPJで役に立ったり、地政学の知識が組織設計に応用できたりなど、あらゆる知識が実地に応用される感覚は他に代えがたい楽しみです。

入社時点では全く期待していなかったことが、偶然とは思えない確率でつながるダイナミクスは、カオスに乗らないと得られない経験だと思います。

これからやっていきたいこと

Web3と金融をつなげる

これからやりたいことはたくさんありますが、1つのテーマはWeb3エンタメと金融をつなげることです。金融は今でも大好きで、だからこそ本来相性の良いはずの情報技術 x 金融の融合が遅々として進まない現状はとても歯がゆいです。

ブロックチェーン(特にスマートコントラクト)の概念に触れたときに、金融との相性の良さに興奮しました。Gaudiyでもファンコミュニティ内での活動実績をブロックチェーンに記録して、その実績(信用)をコミュニティ外でも活用できるような世界を実現したいと思っています。そのために取引所にトークンを上場させて価格変動を抑えるとか、色んな金融との接点がみえてくるのがとても楽しみです。

日本のエンタメを世界へ

もう1つが、日本のアニメなどのIPをファン文化と共に海外に届けることです。金融も機械学習の分野でも日本が世界で戦うのがどんどん厳しくなっていると感じています。そんな中で、Gaudiyが取り組んでいるブロックチェーン x IPは数少ない世界を相手に勝てる可能性がある分野だと思っています。

ちょうど足元進めているAIプロジェクトでもIPとAIを組み合わせて、とてもおもしろい体験を実現できそうで先が楽しみです。Gauidyのサービスを通じて、日本のIPとファン国家をエンパワーして世界を驚かせる体験を作っていきたいです。

さいごに

自分の周りをみても、ある業界・スキル軸でやりたいことを一回りして「成長速度が遅くなったな」とか「このままで残りのキャリアやっていけるかな」とか「仕事がマンネリ化してきた」という悩みを持っているミドル層は多いと思います。自分もそのトラップにはまり、どう頑張っても空回りする感覚がありました。色んな試行錯誤をした結果、一番前に進んだ!と感じたのが「環境を変える」という選択でした。

人によって性格も違いますし、向き不向きもあるので全員に同じことが言えるとは限らないですが、ガラッと環境を変えてもなんとかなるという感覚がわかったのは良かったです。何よりも未知の体験や新しい人のつながりが面白いので激動の時代だからこそカオスライドを楽しんでいきましょう!

スタートアップ・事業会社へのキャリアチェンジを考えている/悩んでいる方はDMで気軽にご連絡下さい(Twitter)。特に金融からのスタートアップへのキャリアチェンジは色々と相談に乗れることもあるかと思います!

Gaudiyでも各ポジションを絶賛募集中です。ご興味ある方はご応募お待ちしております!

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