32.いらないプライドを捨てた日
僕は3歳から空手界という上下関係が厳しい世界で生きてきました。
年上に敬語を使われることもありませんし、年下に敬語を使ったこともありません。
現役引退後にも色々な方々とお会いしてきましたが年下の方には敬語を使うことをしてきませんでした。(それが当たり前だという僕の中での常識がありました)また、どこかで変なプライドが邪魔をしていたのかもしれません。
そんな僕が年下にも敬語を使うようになったきっかけの出会いと、僕が初めてそんなプライドを捨てたときのことを書きます。
1、斎藤佑樹さんとの出会い
きっかけ、それは斎藤佑樹さん(プロ野球選手)との出会いです。
佑樹さんとは昨年出会い、プライベートでもご一緒させていただくこともありました。その中である「違和感」を覚えたんです。
それは佑樹さんが僕にずっと「敬語」で話していたことです。
初めてお会いした時ならばなんとなくわかりますが、2度3度とお会いしても佑樹さんはずっと敬語でした。
当時の僕には年下に敬語を使うということが考えられなかったですが、あれだけ著名な斎藤佑樹さんが僕に敬語で、丁寧にずっと接してくれていた時に、素直に「素敵な方だな」と思いました。
『俺はすごいんだぞ』っていうのを社会に持ち出さずに、同じ目線で話してくくれました。
そして、その中に凄いリスペクトを感じました。
2、自分の中の常識は通用しない
佑樹さんとの時間が過ぎ、帰りの車の中。
「自分の常識はもしかしたら非常識なのかもしれない」
「社会に出たら空手界での常識を持ち込んではいけない」と思いました。
空手では成績を残してきましたが、社会に出れば何もできない。
だからこそ年齢関係なくリスペクトの心を持って、教えてくださいという心と敬語で丁寧に接しようと思いました。
3、プライドを捨てたとき
それから数日後。
知人の紹介で僕より3歳年下の経営者の方(フードコスメORYZAE社長の小泉さん)とお食事をする機会がありました。
「小泉さん、初めまして。本日はお忙しいところありがとうございます。」「色々と教えてください」と頭を下げたこの時、僕がこれまで持っていたプライドを捨て、初めて年下の方に敬語を使ったときでもありました。
「年下に教わるなんて。年下に敬語を使うなんて。」という、これまでの変なプライドを捨てたとき、自分のどこかにあった「偉そうな見栄」みたいなものが無くなっていったのを感じました。
その後も、年下の方でも敬語で丁寧に接することは意識しています。
斎藤佑樹さんとの出会いがなかったら今でも敬語を使わず変なプライドを持ち続けて社会で生きていたかもしれません。この歳で気づくことは遅かったかもしれませんが、気づけただけでも良かったです。
そうして僕は今いる素敵な仲間たちの言動、マインド、人との接し方を見て学んで少しづつ成長してきました。
僕の好きな言葉「出会いは人をつくる」ということを改めて感じた瞬間でした。
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